伊勢志摩国立公園 志摩市

平成23年施政方針

 平成23年第1回志摩市議会定例会の開催にあたり、市政運営に関する基本的な考え方と主要な施策の方針について申し述べ、議員の皆様をはじめ、市民の皆様にご理解とご協力をお願いしたいと存じます。 国内の経済状況は、平成20年のリーマンショック後の経済危機を克服したものの、依然として景気は足踏み状態にあり、高い失業率、厳しい雇用情勢は変わらず、いまだデフレ状態は続いております。
 国においては、政権交代後初めての、最初から取り組む予算であり、「新成長戦略」及び「財政運営戦略」で示した経済・財政対策の基本的な方針の下での本予算でもあります。この中で、マニフェスト主要事項等の重要な政策課題として「子ども手当の拡充」、「農業者戸別所得補償制度の拡充」、「求職者支援制度の創設」等が盛り込まれております。
 志摩市においては、平成22年度に志摩市総合計画後期基本計画を策定し、今後5年間の具体的方針といたしました。平成23年度は、それに沿いながら予算編成において平成22年度に引き続き「志摩市再起動枠」を設定し、『志摩市再起動』に向けて私が掲げております7つの項目に関する施策の集大成として、公約実現のための事業を進めてまいります。
  それでは、平成23年度財政状況及び当初予算の大綱とともに、主要な施策の概要について申し上げます。
 地方財政については、企業収益の回復等により地方税収や地方交付税の原資となる国税収入が増加する一方、社会保障関係費の自然増や公債費が高い水準で推移すること等により、定員純減や人事院勧告等の反映に伴い給与関係経費が大幅に減少してもなお、依然として大幅な財源不足が生じるものと見込まれています。そのため、国としても地域主権改革に沿った財源の充実を図るため、平成23年度は地方交付税を約5,000億円増額しております。 一方、志摩市における地域経済は、これまでに国からの緊急経済対策としての臨時交付金等を活用し、経済の下支えとしての切れ目ない施策を講じておりますが、まだまだ厳しい状況は続いております。 このような中、市の予算編成につきましては、「志摩市財政健全化アクションプログラム」にも示したとおり、財源不足のための財政調整基金の繰り入れは行わない方針とし、人口が減少し市税の減収が見込まれる非常に厳しい財政状況の中、これから先、平成31年度に向けて合併特例債や普通交付税の算定替などの合併支援措置が縮減されることを見据え、さらなる歳出の削減に努めるなど、財政健全化をめざした予算編成を行いました。
  一般会計の歳入についてですが、自主財源の根幹となります市税は、厳しい地域経済の状況を反映し約5,700万円の減額、自動車取得税交付金で1,150万円の減額、子ども手当の拡充等により国庫支出金で約2億2,900万円の増額、繰入金で約1億9,400万円の増額、諸収入で約9,600万円の増額、市債で5,050万円の増額を見込んでおります。なお、地方交付税については前年並みの83億円を見込んでおります。
 歳出については、平成23年度も「志摩市再起動枠」として事業費総額で約2億6千万円の事業を盛り込み、そのうち約5千万円の一般財源を計上しました。このほか、施設の統廃合のために幼保一体化施設整備事業や学校給食センター整備事業等の合併特例債を活用した事業として、約29億円の事業費を計上しています。
 その結果、平成23年度当初予算における一般会計の歳入歳出予算額は、243億3,916万4千円となり、対前年比2.1%増で5億269万2千円の増額になります。
  また、一般会計に特別会計の142億3,775万2千円及び企業会計の57億7,012万3千円を加えた志摩市全体の予算規模は443億4,703万9千円となります。
  それでは次に、平成23年度の主な施策について、志摩市再起動に向けた7つの項目別に申し上げます。
 まず、「農林水産、商工、観光の振興と財政健全化」に関連する施策について申し上げます。
 農林水産、商工、観光の振興としては、昨年名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(CBD-COP10)では、豊かな生物多様性を保全することの重要性について議論が行われ、今後の取り組みの目標が「愛知ターゲット」として採択されました。
 このように世界では生物多様性の保全と地球温暖化に伴う気候変動の対策が重要な取り組みとして進められています。そのような中で、わが国でも21世紀環境立国戦略において、自然の恵み豊かな「里海」の創生が環境施策として明記され、海洋基本法に基づく海洋基本計画には重要な施策のひとつとして沿岸域の総合的管理を進めることとされています。 志摩市民は、これまで沿岸域の豊かな恵みを受けて暮らしてきました。今後も水産業や観光業など、産業や市民の憩いの場としての利用と保全のバランスを保ち、持続可能な志摩市の地域づくりを進めるためには、海における環境保全対策だけでなく、水の循環でつながっている森・川・海といった沿岸域の全体を見渡し、太く、滑らかな物質循環を再生していく総合的な沿岸域管理の取り組みを進めることが非常に大切となります。
 このため平成23年度から、沿岸域の環境を保全しながら水産業や観光業を通じて「稼げる」、環境学習を通じて「学べる」、海水浴や潮干狩りを通じて「遊べる」、「新しい里海」を作り上げることを今後5年間の志摩市の最重点施策と位置付け、持続可能な地域づくりを進めます。
 そのためには、行政内部の連携や様々な関係者との調整を図る新たな取り組みが必要となることから、里海推進室の設置を行い、国や県、有識者の助言を受けながら、里海創生基本計画の策定など、全国に先駆けた総合的な沿岸域管理の推進による新しい里海の創生を進めてまいります。
  次に、「子育て環境の充実」に関連する施策につきましては、福祉医療費助成事業において、乳幼児については就学前の乳幼児を対象に医療費助成を行うとともに、小学生の入院に係る医療費についても市単独で助成を行い、子育てに対する経済的負担を軽減し、子育て環境の整備を図ります。
 「質の高い防災の実現」に関連する施策につきましては、安心安全な暮らしの実現、災害からの安全確保の施策に基づき引き続き志摩町布施田地内において防火水槽の整備を行います。
 また、磯部小学校屋内運動場の耐力度調査や、文岡中学校屋内運動場耐震化工事及び鵜方小学校北校舎改修に向けた実施設計業務を行い、教育環境の整備を計画的に進めてまいります。 さらに、市民から求められている防災行政を実行していくため、交通安全対策及び防犯対策として、自治会等からの要望に応じ交通安全施設の設置を関係機関に働きかけるほか、道路交通危険個所へのカーブミラーの設置と現在設置済み施設の修繕更新等の管理を計画的に推進します。
 次に、「保健、福祉、医療の充実」に関連する施策について申し上げます。 山田赤十字病院は、中南勢地域における中核病院であり、地域医療支援病院、災害拠点病院として志摩地域の医療を支えている病院であります。志摩地域の医療体制の状況からも今まで以上に二次医療や三次医療、高度医療の提供の期待がますます多大となります。このことから、山田赤十字病院の新病院建設に対して施設整備費の支援をしてまいります。
 また、浜島診療所の移転につきましては、旧浜島小学校跡地へ新築移転を行い、平成24年4月からの診療をめざして、浜島地域の医療を確保してまいります。
 次に、「老後安心、子育て支援、青少年の育成」においては、地域の子育て支援機能の充実を図るため設置している子育て支援センターのうち、阿児子育て支援センターについては、運営形態を民設民営に変更し、運営団体に運営補助を行います。
 「介護の充実」に関する施策としては、新たに離島に住む方々への介護サービス提供促進を図るため、介護サービス事業者に対し、離島でのサービス提供に要する船賃助成事業を開始します。
 それでは、その他の主な施策の概要について、各部門別に申し上げます。
 はじめに、総務部門から申し上げます。 平成22年2月27日に南米のチリ中部沿岸で起こった巨大地震では、北海道南西沖地震以来17年ぶりの津波警報の発表となり、志摩市においても避難勧告を発令し避難所を開設、270世帯・452人の方が避難されました。この地域でも東海・東南海・南海地震の発生が危惧されておりますが、大規模地震や津波災害などの自然災害をはじめとする防災対策を一層強化するとともに、消防力の強化、防犯交通対策の強化など、市民の安心安全対策に積極的に取り組む必要があります。
 防災対策では、平成23年度「避難施設等整備事業」により、地震・津波被害が想定される磯部町三ヶ所地区に防災倉庫を併設した避難所を整備します。地域防災力向上のため「地震・津波災害を想定した総合防災訓練」や「災害対策本部と各防災関係機関との連携を強化する災害対策本部運営図上訓練」などを実施し、防災意識、防災知識の普及・啓発を図っていきます。さらに、各種応急・復旧体制づくりのために平成23年度も各種協定の締結に努めます。 また、災害発生時の迅速な情報収集や伝達が行えるよう整備した、防災行政無線設備などを適正に管理運用できる体制を構築していきます。
 消防力の向上を図るため、志摩方面隊、磯部方面隊及び阿児方面隊の小型動力ポンプ付積載車の更新を行います。さらに、火災や震災時における消防団の果たす役割が大きいことから消防団施設の充実を図るため、鵜方、渡鹿野地区の消防車庫を新設いたします。救急救命の対策としてAED(自動体外式除細動器)のさらなる設置を行うとともに、志摩広域消防組合と連携して救命講習を実施することで、市民の安心安全対策を図ります。
 また、人通りの多い住宅地や通学路へ計画的に防犯灯を設置するとともに、LED防犯灯の費用対効果の検証のためのモデル地域の設定、設備の更新や、青色回転灯を活用し定期的に地域の見回りを行うなど犯罪の抑止に努めます。
 なお、志摩市交通安全会と志摩市防犯委員会の二つを志摩市地域安全会に組織改編し、交通安全街頭指導や交通安全啓発活動、交通安全教室を実施し、市民の交通安全意識の向上や児童生徒の交通安全教育の推進に努めます。また春休み、夏休み、冬休みの期間中の防犯パトロールの実施により、青少年を取り巻く犯罪の防止に努めるほか、防犯啓発キャンペーンなどの活動を関係団体と連携を図りながら地域ぐるみの自主防犯活動の推進に取り組みます。
 続きまして、企画部門における主な施策の概要について申し上げます。
 平成22年度に策定しました総合計画後期基本計画の方向性に基づき、今後の取り組みの主な施策を地域や市民の皆様との協働により推進してまいります。また、計画に示した成果指標と目標値に基づき、施策の進行管理を行います。
 行政改革につきましては、行政改革大綱の見直しを行うとともに、行政改革実施計画に基づき、施策の進行管理や見直しを検討してまいります。 さらに、総合計画実施計画と事務事業評価を連結させた事務のサイクルを検討し、全庁的な事務事業の見直しと進行管理を行い、効率的な行政運営をめざします。また、民間の委員で組織する行政改革推進委員会、内部組織である行政改革推進本部及び専門部会、プロジェクト会議で、行政改革に向けての具体的な検討を行い、行政改革のさらなる推進を図ってまいります。 「まちづくり基本条例」のさらなる運用を図るため、まちづくり基本条例推進委員会で条例の運用状況の把握や見直しについて検討、協議を行い、条例の実効性を確保します。行政と市民の協働のまちづくりを進めることを目的に創設しました事業「協働事業提案制度」を引き続き実施してまいります。
  平成23年度は、岐阜県郡上市との間で友好交流の調印締結を行い、人的交流をはじめ特産物の販路開拓、観光集客交流、青少年同士の交流の推進に取り組んでまいります。 また、志摩市応援倶楽部「志摩びとの会」につきましては、『ふるさと交流会』と題して志摩市での交流会を開催するほか、会報やメールマガジン、ホームページなどを活用した情報発信や会員募集などを行います。さらに、志摩市への集客を目的に、観光関連施設と連携し会員特典の充実に努めてまいります。
 行政への市民参画、NPOやボランティア団体との協働を推進していくため、引き続き市民活動支援センターを核にして、参画しているグループや市民の皆様を対象とした研修会、講演会など市民活動支援のための勉強会を開催し、市民主体のまちづくりを進めていくための環境整備を図ってまいります。
 志摩市と三重大学との相互友好協力協定に基づく文化フォーラムの開催、志摩ロードパーティ及び国際交流協会への支援、しま市民活動フェスタへの参画、都市交流など官民連携による多様な交流活動を展開し、地域の活性化に努めてまいります。
  また、志摩市再起動の一環として食の活性化事業を展開してまいります。関係団体との協働による志摩の食コンテストや関連のPRイベントにより志摩の新たな産物を発掘し、地産地消並びに『食』をキーワードとした集客交流の推進に努めてまいります。
 男女共同参画の推進につきましては、三重県と市町が連携で行う男女共同参画を考える映画祭を開催するほか、中学生の勉強会、市職員研修会、企業セミナーなど広く市民の皆様に男女共同参画社会の意識づくりを啓発する事業を行ってまいります。
 また、統計調査につきましては、経済センサスの実施年度となっているほか、学校基本調査、港湾調査についても実施いたします。 志摩市の交通体系につきましては、市民生活に不可欠な交通手段を維持確保するため、志島循環バスの運行委託、御座線における名田・畔名地区へのバス乗り入れ助成を実施し、磯部地域で磯部地域予約運行型バスについて引き続き事業を実施いたします。 生活交通計画に基づき、利便性が高く効率的で、今の子どもたちが大人になったときに持続可能な公共交通の実現をめざした施策を推進してまいります。
 企業立地及び誘致推進に関することとして、志摩市、伊勢市、鳥羽市、玉城町、度会町、南伊勢町の6市町及び関係機関と共同して、伊勢志摩地域産業活性化協議会を組織し策定しました「伊勢志摩地域産業活性化基本計画」が国からの同意を受けることができました。産業集積の形成、企業の新規立地や付加価値向上のための様々な取組みを全力でバックアップしてまいります。
 情報政策では、電算システムの安定したシステム稼働を維持するため適正な管理に努めてまいります。また、住民基本台帳法の改正に対応した総合住民情報システムの更新に向け作業を進めてまいります。また、内部情報系システム端末で、耐用年数が経過して機器性能が低下している機器については、業務の支障とならないよう順次、端末の入れ替えを行います。
 セキュリティ対策につきましては、引き続きセキュリティポリシーの徹底を図り、職員セキュリティ研修を通じて情報管理能力の維持向上に努めてまいります。また、志摩市ネットワーク回線のうち浜島地区ネットワーク回線について、経費削減となるよう見直し、整備を行ってまいります。 国の施策である地上デジタル放送への移行については、本年7月24日で完全移行となるため、総務省及びデジサポ三重と連携して混乱なく移行できるよう努めてまいります。
 続きまして、市民部門における主な施策の概要について申し上げます。
 戸籍住民基本台帳事務につきましては、住民基本台帳法の改正により、平成24年7月から外国人のかたも「住民基本台帳法」の適用を受けて住民票に記載されることになります。これに伴い住民記録システムの更改を平成23年度から24年度にかけて実施します。
 また、ワンストップサービスの一環として、課税課で発行している市税の証明書を新たに市民課においても発行します。
 税務関係では、平成23年度において課税資料デジタル化照会システムを導入し、紙ベースの家屋調査票をデータベース化することにより、各種問い合わせ対応に要する時間短縮を図り、住民サービスの向上に努めます。
 また、個人住民税の特別徴収については、特別徴収未加入の事業者に対し、加入促進の取り組みを引き続き行い、徴収率の向上と税収の確保に努めます。
 市税等の未収金につきましては、国税徴収法及び地方税法に基づく滞納整理に努め「税の公平性」を欠くことなく、「自主財源の確保」に努めているところです。納税相談の実施をはじめ電話催告やインターネット公売、不動産公売の充実をさらに図るとともに、法に基づく財産調査の実施や捜索及び差押の強化を行い滞納解消に引き続き努めてまいります。
 また、地方税法第48条の規定に基づき、三重県へ職員を派遣し、三重県と協働して市県民税の滞納解消に取り組んでいきます。
 次に、福祉医療費助成事業として、医療費負担がその家庭にとって過重になると考えられ、きめ細やかな配慮が必要とされる世帯の医療を受けられる環境を整えるため、障がい者、一人親家庭等、乳幼児及び就学児童の方々に対して医療費助成を実施します。障がい者については、身体障害者手帳3級以上保持者、療育手帳重度以上保持者、精神障害者手帳1級保持者などの方々を対象に助成を実施し、一人親家庭等については、18歳に達する年度末までの児童を扶養している一人親家庭の母又は父及びその児童と父母のいない18歳に達する年度末までの児童を対象に助成を実施します。
 次に、医療保険制度における取り組みについて申し上げます。 後期高齢者医療制度廃止後の新たな制度のあり方について検討を行うため、厚生労働大臣の主宰による高齢者医療制度改革会議が平成21年11月に設置され、昨年12月20日に最終のとりまとめが公表されました。その中では、後期高齢者医療制度の問題点を改めるとともに、現行制度の利点は維持し、これを契機として国保の広域化を実現するための改革の基本的な方向が示されるとともに、制度の基本的な枠組みや加入関係、費用負担や国保運営の在り方など、新たな制度の具体的な内容が示されました。 今後これを基に、法的な整備と財政的な整備が図られ、地方自治体等関係機関と協議を行いながら、具体的なシステム設計へとさらなる検討が行われる予定ですが、これらの準備には2年間の準備期間が必要とされています。それまでは、都道府県を単位とする後期高齢者医療広域連合が保険者となり、保険料の賦課や医療給付等の事務と財政運営を行い、市町村が保険料の徴収事務や窓口事務を行う現行制度の安定的な運営が必要と考えており、高齢者の方々には、引き続き制度の趣旨をご理解いただくよう努力してまいります。
  国民健康保険におきましては、国の国保の広域化と財政安定化を進める方針を受けて、三重県もこれに取り組むことを決定し、昨年12月に三重県国民健康保険広域化等支援方針が策定されました。全年齢での都道府県単位の広域化は、平成30年度を目標としており、県内各市町保険者が抱える状況が異なることから、実施までには様々な課題がございますが、三重県や各市町等と協議、連携を図りながら取り組んでまいりたいと存じますので、ご理解をお願い申し上げます。
 国保事業につきましては、特定健康診査・特定保健指導をはじめ、引き続き生活習慣病予防対策事業、市民健康診査補助事業を実施してまいります。その他各種保健事業を通じて、医療機関や関係団体と連携しながら、保健師・管理栄養士による事業を推進し、市民の健康の維持と、生活習慣病発症リスクの低減を図り、医療費の抑制につなげていきたいと考えます。
 続きまして、健康福祉部門における主な施策の概要について申し上げます。
 地域福祉の推進においては、「誰もが安心して暮らすことのできるまちづくり」のため地域福祉計画の策定内容を検証し、新たに地域で抱える福祉課題に対して、市民・関係者・行政が「参加と協働」の理念の基に取り組みを進めていくことができるよう、実効性のある地域福祉計画の策定に努めます。
 高齢者の支援では、一人ひとりの多様な状況に応じて個性を尊重し、住み慣れた地域で安心した生活が送れるよう、第5期介護保険事業計画と一体に高齢者福祉計画を策定し、在宅福祉サービスの充実を図り、高齢者の在宅での生活を支援していきます。  養護老人ホーム花園寮については、消防法施行令の改正により簡易型スプリンクラーの設置及び火災通報装置を設置し、入所者の安心安全な生活を保障し福祉の推進を図っていきます。
 障がい者の支援では、障害者自立支援法に基づき、自立した日常生活または社会生活が送れるよう、障がいのある人が利用できるサービスの一層の充実・推進を図るため、第3期障害福祉計画を策定します。また、障がいのある人が安心して生活していくためには、身近に相談できる場所が必要なことから、相談支援事業の充実を図り、重層的な相談支援体制を構築していきます。
 保護支援においては、従来の傾向として高齢者、傷病、障がい者世帯の増加は続いています。さらに雇用環境の悪化により失業率が高い水準で推移しており、要保護者の就労への支援体制を強化するため、就労支援員を配置し、自立に向けての取り組みを進めてまいります。健康で文化的な最低限度の生活を保障していくため、適正な生活保護決定に努め、自立の阻害要因を把握し、個々のケースに応じた指導援助ができるよう適正運営に努めていきます。
 子育て支援施策としては、志摩市次世代育成支援行動後期計画に基づき、児童館、放課後児童クラブ、子育て支援センター職員を対象に研修会の開催、外部団体主催の研修会への参加を行い、能力・資質の向上を図ります。 児童扶養手当については、平成22年8月分から父子家庭にも支給を拡大していますが、引き続き父子家庭も支給対象とし、父又は母と生計を同じくしていない児童が育成されるひとり親家庭に対して支給を行います。
 次に保育所事業としては、安心こども基金を利用して、AEDを設置していない保育所・児童館の中で近隣にAEDを設置する施設がない6保育所と1児童館にAEDを設置し、安心安全な保育の充実を図ります。
 また、「志摩市立保育所・幼稚園等再編計画」に基づき、志摩町内の保育所・幼稚園の統合を進めるため、幼保一体化施設として志摩支所の改修工事を実施します。さらに、大王町内・阿児町神明地区内についても候補地の選定をし、基本設計・造成設計等を実施し、多様化する保育ニーズに柔軟に対応できる適正規模・適正配置の幼保一体化施設の整備を進めていきます。
 保育所の運営については、大王第三保育所におきまして、平成22年度から満1歳児の受け入れを行ったところ延長保育利用児童が増加していることから、大王町地区においても本年4月から大王第三保育所で午後7時までの延長保育を実施していきます。また、日々の保育実践や研修会等を通じて人権保育を推進していく上での課題を研究し、その成果を広く他の保育所に伝えるなど、人権保育を推進していきます。
 本年4月に開園する私立保育所へは、法令に基づき保育所運営費を負担するとともに、低年齢児の受け入れや11時間を超える保育を実施するなど保護者のニーズに応じた特別保育に対し補助金を交付します。
 また、要保護児童への支援につきましては、引き続き「志摩市子ども家庭支援ネットワーク」により関係機関が情報や認識を共有し、的確な連携のもとで支援していきます。児童家庭相談支援及び母子自立支援業務につきましても、相談員を中心に子ども及び母子の状況を的確に捉え、家庭や関係機関に適切な相談支援活動を行います。
 発達障がい児支援につきましては、保育所、学校等からの支援依頼も増加傾向にありますので、今後も、より適切な支援につなげるため体制を充実させます。
 地域医療体制は、県立志摩病院の大幅な縮小等により、診療体制に厳しい状況が継続しています。県立志摩病院の指定管理者については昨年末、公益社団法人 地域医療振興協会に決定し、市におきましては、引き続き医療再生に向け、安心安全な医療サービスが提供できるよう三重県や関係機関に積極的に働きかけていきたいと考えています。
 特に救急医療につきましては、近隣市町や医療機関などとの連携を緊密にし、休日夜間応急診療所をはじめとする救急医療提供体制の充実に向けてさらに取り組んでまいります。
 健康推進分野におきましては、感染症や地震等による巨大災害に備えて関係機関と連携し、健康危機管理の観点から健康危機予防等に努めてまいります。また、健康づくり事業では「ゆめぴーサミット」のみなさんを中心に健康づくりに関する市民意識の向上のため、志摩市健康増進計画「健康志摩21」の内容、推進計画・実践活動を展開する予定です。
 母子保健事業におきましては、安心安全な子育ての支援として妊婦健康診査の検査項目を拡充し、健全な子どもの育成を図り、地域の育児力の強化をめざし赤ちゃん訪問や相談事業の充実などの取り組みを強化してまいります。
 昨年の国の緊急総合経済対策で始められた子宮頚がん・ヒブ・小児用肺炎球菌ワクチンの接種につきましては、疾病予防、経済的負担軽減等に効果があることから、引き続き公費負担で行ってまいります。
 また、自殺予防は社会的に解決しなければならない重要な課題であります。特に、志摩市におきましても自殺予防対策は人材育成、普及啓発、自殺対策強化モデル事業を実施し、市民の意識を高め、積極的にこころの健康の保持推進が図れるよう支援体制を強化してまいります。
 続いて、介護保険事業について申し上げます。 平成23年度は、第4期介護保険事業計画及び高齢者福祉計画の最終年度となるため、第5期介護保険事業計画及び高齢者福祉計画の策定に取り組んでまいります。
 介護保険制度につきましては、平成24年度の法改正に向け、国でも様々な議論が繰り広げられ、最近ではマスコミでも多く取り上げられてきております。志摩市におきましても、高齢化の進展に伴い、特に近年は75歳以上の人口の増加により要介護認定者が急激に増え、平成23年度の介護給付費の推計は合併前の平成15年度と比較して2倍を超える48億円程度となる見込みです。
 このため、第5期の計画策定においては、平成18年度から取り組んでおります地域包括ケアシステムをより効果的に進めるため、「日常生活圏ニーズ調査」を実施し、各地域の課題の把握を行い計画に反映させてまいります。
 地域支援事業につきましては、高齢者がいつまでも住み慣れた地域で暮らすことができる環境づくりをめざし、介護を必要とする高齢者を地域全体で支え、自らの選択により総合的なサービスを安心して受けられるよう、高齢者の自立支援と尊厳の保持を基本として事業を進めてまいります。
 主な施策としましては、これまでに引き続いて地域に出向き介護予防の必要性について周知を図るとともに、地域の中の介護予防リーダーとしての「お達者サポーター」の活動をさらに強化し、高齢者が地域の中で自立して暮らし続ける環境整備を具体的に進めてまいります。
 また、日常生活圏ニーズ調査により要支援・要介護状態に陥る可能性が高い生活機能低下が疑われる高齢者を把握し、運動機能や口腔機能の向上、低栄養の防止及び閉じこもりやうつ予防への取り組みを強化しながら、一方では虐待及び認知症の早期対応支援の推進を通して継続した支援体制の構築を図ってまいります。
 総合相談支援体制につきましては、ふくし総合支援室及び各支所に設置しております地域ふくし総合支援センターの相談件数が毎年増加傾向にあるため、さらに連携強化を図り、困りごとを抱える家庭の早期発見・支援を担う相談支援の窓口として充実を図るため、相談支援にかかわる職員の資質向上を図ってまいります。
 続きまして生活環境部門について申し上げます。
  平成22年度は、COP10・生物多様性条約第10回締約国会議が名古屋市で開催され、志摩市におきましても、交流フェアやサイドイベント等に積極的な参加を行いました。健全な地球環境にとっては、多くの生物が持続的に生息し、農業、森林、海洋等各生態系における生物多様性の保全が重要な役割をなしており、志摩市が総合計画後期基本計画の重要施策として明記した「新しい里海」に向けた取り組みは、「森・川・海」を一体としてとらえ、総合的な管理を行っていくことで、豊かな生物多様性を保っていこうとするものであり、たいへん意義のある施策と考えております。
 地球温暖化防止への取組みや環境保全への取組みにつきましては、市民の皆様の理解と協力が不可欠であるため、広報やケーブルテレビ等を通じ啓発活動に努めてまいります。 また、市役所における経常経費の削減、適正なエネルギーの使用や管理に努めるため、温室効果ガス削減に向けて、すべての施設や部門において職員一人ひとりがファシリテーターとなり、環境負荷の少ない組織づくりに向けて意識の向上に努めてまいります。
 水環境につきましては、市内の河川や排水路及び海域等の水質検査を継続して行い、英虞湾や的矢湾の閉鎖性海域への環境負荷を低減していくための施策の資料とするとともに、市民に向けての生活排水対策について啓発を行ってまいります。 また、水質汚濁防止を図るため、生活排水対策のひとつとして合併処理浄化槽設置者に対して185基分の補助金の交付を行い、平成23年度の新たな施策としては、合併処理浄化槽設置補助金の交付対象者で、既設の単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換に伴い単独処理浄化槽の撤去が必要となる場合について、その撤去に要する費用に対し20基分の補助金の交付を行います。
 地域周辺の水環境の向上と公共水域の保全を図っていくためには、浄化槽の適正な維持管理を行うことが重要であることを踏まえ、設置者に対して保守点検や清掃、法定検査の必要性を認識していただくための啓発活動にも努めてまいります。 また、浄化槽整備施策の円滑な推進と効果的な事業の実施を図るため、浄化槽の建物用途別水質許容限度について検討する委員会を設置し、近年の浄化槽に関する情勢や科学的知見等を踏まえ見直し等も含めた検討を行ってまいります。
 引き続き循環型社会を形成発展させごみゼロ社会を構築していくため、行政・市民・事業者が連携して3R運動を推進していくとともに、家庭系・事業系の生ごみ減量、ごみの再資源化を啓発推進し、排出物の総量抑制に努めます。
 並行して鳥羽志勢広域連合が建設を進めているごみ処理施設完成に向け、それまでに新たに統一されるごみ分別方式の周知・普及や、ごみ出しルール・マナーの啓発にも重点的に取り組んでまいります。
 次に、清掃センターの運営につきましては、ごみ処理経費の効率化を図るため、施設の統合や運用について検討するとともに適正な管理運営に努めます。
 火葬場につきましては、引き続き市民の皆様のご理解と地域の協力をいただきながら、造成並びに建築の設計等、事業の推進を図ってまいります。
 人権啓発の分野におきまして、21世紀は「人権の世紀」といわれ、既に10年余りが経過する中で、人権の尊重こそが平和の礎であることが世界の共通認識であり、国際社会全体で人権問題に取り組もうという機運は年々高まってきています。一方で、依然として出口の見えない経済不況により社会環境は非常に厳しく、物質面の豊かさのみの追求や、無縁社会という言葉で言い表されるような昨今の人間関係の希薄さは、他人の心身を傷つけたり、その生命をいとも簡単に奪ったりするといったような事象を頻繁に引き起こしています。
 人権とは、人間の尊厳に基づいて、誰もが享有する侵すことのできない権利であり、かつ、すべての人々が健やかで幸せに暮らすことのできる固有の権利であるといえます。
  市におきましても、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」に基づき策定した、「志摩市人権施策基本方針」にのっとり、「人権が尊重されるまちづくり」を実現していくための「人権を考える市民の集い」の開催や啓発物品の配布を行い啓発活動を展開するとともに、各種団体・関係機関で組織する「志摩市人権啓発推進ネットワーク協議会」との連携と組織強化を図りつつ、市民の皆様の参加と理解を得ながら「人権尊重のまちづくり」を進めてまいります。
 続きまして、産業振興部門について申し上げます。
 農林関係におきましては、農業従事者の高齢化や後継者不足等により増加している荒廃農地対策として、担い手農家等への農地のあっせんや集積、農業生産者の育成支援等を図っていき、農業の振興を引き続き行ってまいります。また、消費者は食の安心安全を求めていますので、地物は安心安全であることをPRし、地産地消の推進に繋げてまいります。
 主な事業内容としましては、志摩の特産品である「きんこ」の原料を増産するため、ウイルスフリー苗の生産を行い生産農家への配布や生産者の育成指導を図っていきます。
 また、鳥羽志摩農協が事業主体になり小学生を対象にしたアグリスクールを引き続き開催し「食・農」への理解を深めてもらい、地元食材を利用した料理講習会や栽培講習会等を通して地産地消産地化推進事業を行ってまいります。
 平成23年度から鳥羽志摩農業協議会で野菜の生産・出荷をサポートする農業塾を開催します。農業生産者団体では、自主的な活動による農業の活性化を図るため、団体育成補助事業として引き続き支援してまいります。また、平成23年度本格実施となります農業者戸別所得補償制度についても推進を図ってまいります。
 「獣害対策事業」では、被害対策として電気柵に対する助成を行うとともに、捕獲檻を各町猟友会へ貸し出して駆除の委託をしてまいります。また、自治会や猟友会、関係機関等と連携を図りながら地域が一体になって対策に取り組み、獣害に強い地域づくりを推進していきます。
 農業用施設では、排水機場の維持管理、整備についても進めてまいります。
 県営事業につきましては、平成23年度から新しい中山間地域総合整備事業計画を実施していく中で、南張地区農業集落排水整備を行い、他の地域についても実施に向けて地元や関係機関と協議しながら推進してまいります。
 林業振興事業としては、松くい虫三重県防除実施区域に指定されている阿児の松原、安乗岬園地において薬剤地上散布等の実施や、県から指定されている保存価値の高い松林の松に樹幹注入を行い松林の保全を図ってまいります。また、森林環境創造事業、常設造林事業等により、間伐・下刈作業等を委託して森林の適正管理を行ってまいります。
 続きまして水産関係の事業についてですが、志摩市の水産業は、漁場環境の変化をはじめ様々な問題により、就業者人口や生産額が急速に減少しています。「御食つ国」などの地域イメージの創出という意味で非常に重要な産業であり、今後もしっかりと継続していく体制を整備していかなければなりません。
 しかし、水産資源の減少が続いている中で、経済不況の影響により魚価が低迷し、燃油の高騰などによる生産コストの増大が追い打ちをかけるなど、あおさ養殖業などの一部の漁業種類を除いて漁業経営の存続が危ぶまれる状況が続いています。
 特に真珠養殖業は昭和40年代に経験した以上の危機に陥っており、水産業は生産から流通にいたる産業構造の大きな変革が求められている中で、将来の展望が見えない状況にあります。
 このような状況下において、短期的な取り組みとしては魚価の向上が急務です。トラフグ漁業者と市内宿泊施設との連携による「あのりふぐ」やイセエビ漁業者と宿泊施設との連携による「イセエビ一日オーナー制度」など、漁業協同組合を中心に、商工・観光関係者との連携による六次産業化により、生産者価格の向上や消費の拡大を図りながら、「志摩ブランド」の創出によるさらなる付加価値の向上といった取り組みを関係者の皆様と進めてまいります。
 また、的矢地区のカキ浄化管理出荷施設の老巧化に伴い施設を新設し、より安全な出荷体制を整えていきます。 長期的な取り組みとしては、生産の基盤となる漁場環境の保全を図っていく必要があります。漁業者だけでなく沿岸域の多様な関係者の連携を図り、利用と保全の両面から積極的に漁場環境と関わりながら、里海の概念に基づいた漁場環境の保全に向けた取り組みを進めます。
 具体的には、的矢湾、英虞湾といった内湾域においては漁場環境の把握に努め、その改善に向けた浚渫事業の実施や漁業者が実施する藻場の再生活動等に対し支援等を行ってまいります。
 漁場環境の悪化が進んでいる伊雑ノ浦につきましては、環境改善を図るためのデータ収集とカキ殻を活用した環境改善の取組みを進めます。また、外洋域においては投石による漁場の拡大と漁業者による磯焼け回復に向けた取り組みの支援等を行います。
 こうした漁場環境の再生と保全の取り組みを進めながら、三重県水産振興事業団や管内の漁協と連携した種苗放流事業や資源管理型漁業の推進による積極的な資源増大に向けた取り組みを推進し、水産資源の持続可能な利用を図ります。 また、漁港関係の事業につきましては、市営8漁港の適切な管理に努めてまいります。
 続きまして商工関係事業につきましては、稼げるまちづくり事業を商工会への事業補助の一環として組み入れ、長野県木祖村や岐阜県富加町の道の駅や、または都市部でのスーパー、デパート等で、志摩の物産展等を開催していき、同時に観光PRも行い志摩市への誘客を図ることによって市民の稼げるお手伝いを行っていきます。
 雇用対策につきましては、厳しい雇用情勢が続いていますので、引き続き県の「ふるさと雇用再生特別基金事業市町等補助金」を活用し、平成22年度から実施しております「産業振興・観光商品開発事業」や「特産物等販路開拓事業」等の7事業を商工会等に委託して実施し、23名程度の雇用を図っていきます。
 また、「緊急雇用創出基金事業市町等補助金」も引き続き活用して、「教育活動サポート員配置事業」や「学校図書館運営補助員巡回事業」等の継続事業を22事業、平成23年度からの新規事業として、「学校運営支援員配置事業」や「ごみ分別適正化推進員配置事業」等の9事業を計画し、合計で31事業を実施し、147名程度の雇用を図っていきます。
 消費者行政としては、平成22年度に引き続き「消費者行政活性化基金事業」を活用し、消費生活相談員を毎週水曜日に配置することにより、地方消費者行政の強化を図っていき悪質商法や新たな消費者トラブルに対応していきます。
 観光面では、志摩市総合計画後期基本計画の重点施策である「新しい里海」を観光振興にもしっかり位置付け、観光里海の視点で個々の事業展開を図っていきます。
 平成23年度は、この理念の普及と啓発に努めるとともに、教育旅行分野や企業のインセンティブツアー等に活かし、旅行商品化できるところから取り組んでまいります。 5月に第1回目の伊勢志摩ツーデーウオークを実施し、すでに定着している志摩ロードパーティ、平成23年度も開催が決まったミズノクラシック、サイクルトレインなどと共に、スポーツで誘客を推進し、スポーツ観光都市をめざします。
 また、平成25年の伊勢神宮の式年遷宮をひかえ、伊勢神宮の参拝客が昨年最高となりました。しかし、日帰りや名古屋で宿泊される観光客が増えており、志摩市への入込みにつながっておりません。そこで、「神宮に参拝したら宿泊は志摩市へ」を定番コースとしていただくために、伊勢おはらい町から観光客を直接志摩市へお迎えするチェックインバス事業を2月より実施しています。また、電車の旅による集客を図るため、近鉄電車との共同企画「志摩ってこーね列車」を毎月運行します。
 海ほおずき、ともやま公園、志摩自然学校並びにパークゴルフ場と横山ビジターセンターを連携した体験メニューで滞在型観光を進めてまいります。その中で、パークゴルフ場の大規模な芝の張替えを実施します。また、ともやま公園では、スポーツ観光による誘客の一環として、野球場のフェンス改修を実施し、硬式野球の練習場としての機能性を高め、合宿等の誘致に取り組みます。
 食と観光の分野では、御食つ国・志摩としての多彩な水産資源や加工品を活かした、「S-1グランプリ」などのご当地グルメの取り組みを支援し、志摩市への誘客につなげていくため「年末海族市」を引き続き開催していきます。
 また、大都市の有名百貨店やショッピングセンター等を舞台にした「志摩のグルメと観光」PR事業と連携してまいります。
 情報発信につきましては、FMラジオ局による志摩市番組「志摩ってこーね」を毎週放送し、県内・愛知を中心とした人々にきめ細かい志摩の魅力を発信すると共に、近隣観光客の掘り起こしを図っていきます。
 外国人観光客の誘致では、引き続き中国を主要マーケットにした富裕層の誘客を図るため、ゴルフやリゾートウエディング等をテーマにした旅行商品のPR、発信事業を推進していきます。
 続きまして、建設部門について申し上げます。 市道の主な新設改良事業としましては、志摩町・大王町と阿児町とを結ぶ幹線である市道鵜方立神線道路整備工事を行います。
 また、県道である主要地方道浜島阿児線を浜島小学校への通学路として整備するための測量設計業務を行い、児童・生徒や住民の安全対策を図ります。また、志摩町越賀地区より国道260号バイパスへのアクセス道路として市道中田線・横道線の道路改良工事に着手します。 道路維持事業として幹線の舗装工事、側溝改良工事、除草業務など住民生活に密着した道路維持工事を行います。
 県関係の工事につきましては、救急医療体制の整備、観光、防災対策として機能する広域幹線道路整備として、伊勢志摩連絡道路第二伊勢道路や国道167号鵜方磯部バイパスの早期完成のため三重県と共同してまいります。
 都市計画事業としては、景観法による「良好な景観の形成に関する計画」である「景観計画」の策定と「志摩市景観条例」の制定を、平成22年度から取り組んでおり、平成24年度までの3年計画で継続して進めます。併せて、志摩市都市計画マスタープランに基づき、磯部町の地区構想の策定と、阿児町国府地区の地区構想について策定を進め、まちづくりの実施プランを作成します。
 また、地震に強いまちづくりを推進するため、市内の木造住宅の無料耐震診断、耐震補強や耐震補強設計の補助を引き続き実施し、平成27年度までに住宅の耐震化率90%を目標に取り組んでまいります。 公園事業では、都市公園内の樹木の維持管理を行い、公共空間の景観及び緑地の保全に努め、公園利用者に利便性と快適さを提供するとともに、都市公園内の各遊具の保守点検を実施して安全性の確保も行っていきます。
 鵜方駅前駐車場としては、機器の老朽化に伴い、中央部の駐車場を改修します。 地籍調査事業としては、土地の保全管理や土地行政の円滑化のため、国土調査法に基づき立神地区、浜島地区の現況調査・準備調査・閲覧等を実施します。なお、地籍調査の成果は、土地に関する基礎的情報として重要であり、今後も長期展望のもと計画的に進めてまいります。
  市営住宅につきましては、住宅の維持管理修繕等を行い住環境の保全に努め、総合的な住宅の管理を行うことにより住宅行政を適切に進めてまいります。また、現状の住宅の状況を的確に把握し、コストの縮減を図るとともに、安全で快適な住まいを長期的に確保するため、「志摩市公営住宅等長寿命化計画」を策定します。この計画を策定することにより、それぞれの住宅について個々に今後の対応方針を決めて計画的な修繕等を施すよう努め、よりよい住宅施策の取り組みを行います。
 続きまして、教育部門について申し上げます。
 市の教育のあるべき姿を指し示す「志摩市教育振興ビジョン後期基本計画」に基づき、次の事業を推進していきます。
 志摩市奨学基金を有効活用し市内高校生、大学生等に奨学金の貸与を行います。 平成21年11月に策定した「志摩市立小中学校再編基本計画」に基づき、中学校の再編を推進するとともに、合併特例債が借り入れすることができる平成26年度までに再編後も使用する学校の整備を計画してまいります。
 平成23年度は、老朽化が著しい波切小学校の改築工事を2カ年計画で実施するほか、波切中学校校舎などの改修や改築に向けた実施設計業務を実施し、教育環境の整備を計画的に進めてまいります。
 また、「志摩市立保育所・幼稚園再編計画」に基づく施設整備としまして、浜島幼稚園を幼保一体化にするための施設改修を行ってまいります。
 学校教育分野では、小学校において新学習指導要領が平成23年度に本格実施されることに伴い、外国語活動が必修となるため、緊急雇用創出事業を活用した「小学校英語教育補助員」を配置し、授業内容の充実を図ってまいります。
 特別支援教育関係では、障がいのある園児、児童、生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育・支援を向上させるため、緊急雇用創出事業を活用した「教育活動サポート員」等を配置するとともに、教職員研修の充実を図ってまいります。
 研修分野では、教職員を対象とした情報教育研修会等を開催することにより、電子黒板等を活用した授業の拡大及び教職員の情報モラルの向上を図ります。また、教科の基礎的・基本的な知識や技能を定着させるため、授業研究校を引き続き指定し、教職員の教科における授業力を基礎・基本から見直し、市内の学校に向けて授業力向上にかかわる成果を発信してまいります。
 図書館教育の充実を図るため、緊急雇用創出事業を活用して市内すべての小中学校を対象に「学校図書館運営補助員」を巡回させることにより、学校図書館の活性化と児童生徒の読書活動の充実に努めてまいります。 児童生徒の安心安全の確保から、市内すべての幼稚園、小中学校を対象に導入したメール配信システムを有効活用し、保護者等に対してタイムリーな子どもの安全情報の提供に努めてまいります。
 社会教育につきましては、高度化する情報通信社会の中、心身ともに健やかな子どもを育成するうえで、家庭や学校、関係機関と連携を図りながら地域ぐるみで青少年の健全育成に取り組みます。
 また、各地域に設置されている5つの主要生涯学習施設を拠点に、一生涯を通じて様々なことを学び知識や能力を伸ばしたいという市民の要望や、高齢化社会に対応するため、市民講座や高齢者学級を開設して世代や性別を越えた生涯学習を推進していきます。
 文化財につきましては、その保存と活用を図るため、次の事業を実施します。 平成22年度からの継続事業として、県指定文化財『おじょか古墳』から出土した金属製品の保存処理を実施します。また、国指定重要無形民俗文化財『安乗の人形芝居』の人形かしら等修繕・新調事業の支援を行います。
 文化面では、「阿児アリーナ20周年記念事業」として、三重ジュニア管弦楽団のコンサートを行い、優れた芸術文化を鑑賞、体験する機会を提供します。
  文化施設の施設整備につきましては、市内に古くから受け継がれ、数多く残されている先人の知恵や伝承、文化的資料を収集・保存、併せて調査・研究、展示する施設として磯部支所を志摩市歴史民俗資料館として整備します。また、その収蔵庫として廃校となった学校施設を利用し、市内に点在している歴史的な文化資料等の整理・保管作業を引き続き行います。
 このほか、大地震等に備えて阿児アリーナオーシャンホールの吊天井の改修工事を行い、安全な施設運用に努めます。
 人権教育の推進にあたっては、「志摩市人権教育基本方針」に基づき、人権感覚あふれる学校と人権が尊重される地域づくりをめざし、ふれあい人権フォーラム、人権講座、人権感覚あふれる学校づくり事業を引き続き実施します。また、人権教育担当指導主事の専門性を活かし、子どもたちの学力保障と自尊感情の育成を基盤とした学校教育における人権教育を具体的かつ計画的に推進するとともに、社会教育における人権教育の充実を図っていきます。
 教育集会所事業につきましては、事業すべてが人権教育の視点に立ち実施されていることから、指導主事と連携を図りながら事業を推進し、集会所を拠点とした人権教育の広がりを図っていきます。
 生涯スポーツにつきましては、スポーツ振興計画に基づき、だれもが時間や場所を問わず、生涯スポーツに気軽に参加できるまちづくりをめざし、スポーツに親しむ場の提供やトップレベルの競技スポーツに親しむ機会の提供及びスポーツ団体・総合型スポーツクラブの育成支援など、地域スポーツの振興を図ってまいります。加えて、利用者のニーズに応じた効率的なサービスを提供するとともに、社会体育施設の維持管理コストの軽減を図るため、財政健全化アクションプログラムに基づいた施設の統廃合や指定管理者制度の導入を検討していきます。
 また、平成22年度に引き続き、中部ブロックB&G地域海洋センター連絡協議会及び三重県地域海洋センター・クラブ連絡協議会の事務局を担当することから、海洋センター・海洋クラブ等との連携・協力体制の強化を図ります。
  食育につきましては、引き続き食物アレルギー等を持つ子どもたちについて、学校給食における除去食・代替食などの適切な対応を推進し、安心安全でおいしい給食の提供を安定的に行うことができるよう、学校給食センターの運営についても検討しながら、学校給食の充実を図ります。
 また、平成23年度は「志摩市学校給食センター基本構想・基本計画」に基づき、新学校給食センター整備事業において実施設計を行い、平成25年度中の供用開始に向けて積極的に事業を推進していきます。
 続きまして、上下水道部門について申し上げます。
 上下水道は、市民生活や経済活動に必要不可欠なライフラインとして、その役割を担っておりますが、将来発生が予想される大規模地震等の自然災害に備え、また施設全体を効率的に維持するため、将来的に安定した上下水道の運営をめざし、諸事業の実施に向けて取り組んでまいります。
 下水道事業につきましては、生活環境の改善や公衆衛生の向上に加えて、河川・海洋等の公共用水域の水質保全のために重要な施設となっています。現在7処理区において下水道施設が稼働しており、施設の維持管理につきましては、引き続き安全で効率的・経済的な維持管理を行ってまいります。
 また、施設の老朽化に対応するため、計画的、効果的な更新事業を検討していきます。 さらに未接続世帯に対して重点的、積極的な普及啓発を図り、接続率の向上に取り組んでまいります。 磯部都市下水路整備事業につきましては、磯部駅周辺の迫間・穴川・恵利原地区の浸水防除のため、排水ポンプ施設の改築更新工事を平成22年度に着手し、3カ年の継続事業として平成23年度末に一部供用開始、平成24年度末の完全供用開始をめざし、磯部ポンプ場機械電気設備工事を進めてまいります。
 次に水道事業ですが、現在人口の減少、少子高齢化、景気の低迷等により給水収益が減少しておりますが、平成23年度に三重県企業庁から志摩水道施設の譲渡・移管を受け、志摩水道との一元化を行い、水源から家庭の蛇口までの水質を一元的に管理し、浄水コストの低減を図ってまいります。
 また、水道管路近代化推進事業として石綿セメント管の耐震管への更新を引き続き実施し、「志摩市水道事業基本計画及び志摩市水道ビジョン」に基づき、水道事業のあり方や将来計画について、優先順位や健全経営を考慮しながら計画・実施してまいります。  続きまして、病院事業部門について申し上げます。
 平成16年4月より、新医師臨床研修制度が実施され、若年医師の都会志向、大病院志向、専門医志向等により都会の大病院に医師が集中した結果、国の集約化・重点化政策とも相まって、都市部でない地域の中小病院は医師不足が深刻な状況となりました。さらに、平成18年には看護基準が見直されたことにより看護師不足も加わり、地域医療は危機的状況となっています。
 このような中、自治体病院は地域医療確保のために懸命な努力を続けていますが、現状は厳しい状況を迎えており、病院の廃止、統廃合、公設民営、独立行政法人化などの選択を迫られ、志摩市におきましても病院統合、指定管理者制度の導入などを行い経営の合理化を図っていますが、依然として病院を取り巻く環境の厳しいことに変わりはありません。
 そして、地域医療の中での課題として、今、最も重要と考えておりますのは、常勤医師の病院離れを防止するということであります。それには、常勤医師の確保ばかりでなく代務医師の確保によって労働環境の改善を図ることや、医療機器の整備も大切でありますので、機器の充実や関連大学の医局を訪問し、連携を強固にする中で医師の派遣も要請してまいります。
 そのような中、平成22年度に続き平成23年度も内科医1名を迎えることができたことは本当に喜ばしいことであり、病院経営の好転につながることに期待しております。
 全国的に地域医療を取り巻く環境は厳しさを増しており、志摩地域におきましても、県立志摩病院の指定管理者制度問題等含め地域医療の再構築が強く求められております。
 このような状況の中、市民の皆様の市民病院運営に対する期待は高まっており、その期待に応えるべく医師、看護師、医療スタッフの充実に努め、医療体制の強化を図るとともに経営の健全化をめざし安心してお越しいただける病院運営に取り組んでまいります。
 以上、市政運営における基本方針と平成23年度予算案の大綱について申し述べさせていただきました。
  中国の躍進など経済界における世界地図が大きく変わるなか、さらに地球温暖化や国際紛争など、地球規模の出来事に無関心ではいられないほど、今その影響は私たちの暮らしに直結しています。「着眼大局、着手小局」の姿勢で市政運営に臨み、平成23年度は市政運営の真価が問われる年度であると肝に銘じて、全力を挙げて手掛けた事業の完成と公約の実現に努めてまいります。
 私が小学校へ入学した時のことです。同級生たちはそれなりに自分の名前だとか少しくらいの読み書きはできていたのですが、私は自分の名前すら正確に書けなかったのを覚えています。それを見た担任の先生がこれはいかんということで、その日から授業終了後に1時間ほど、教室で居残り補習をしてくれました。
 半年間ぐらいの期間ですが、先生は怒りもせず、ばかにもせず、諭しながら忍耐強く、一字一字教えてくれました。そして本も毎日読まされました。今思えば本当に心ある先生でした。その先生のお陰で、私は本を読むことの大切さと楽しさを知り、その後学校の図書室の本を読破することになるのですが、その先生への感謝の念と読書する習慣は還暦を迎えた今も消えることなく、なお熱く胸に甦ります。
 このように、幼いころの感動や習慣というものは、いつまでもその人の胸の奥で息づき、人間形成にまで影響するものです。 今、子どもたちの知っている志摩市の自然は、確かにすばらしいものではありますが、私たちの年代が幼いころに見たそれとは少し違ってしまっています。
 過去を知るものの責任として今の自然を保護涵養し、また明るい志摩市を子どもたちの未来に向かって残すため、私たちは努力を尽くし「新しい里海の創生」を成し遂げなければなりません。 そのためには、教育においてこの大切な思想を涵養することが持続して里海を進めていく上で重要であり、やがて社会全体に浸透していくと考えます。
 里海教育の中で、子どもたちはいくつもの感動的体験に接し、そこで芽吹いた意識は本年の干支であります辛卯(かのとう)のごとく、新たに生まれた若葉が生い茂ることでしょう。その純粋な思いは周囲の大人も巻き込んで大きな力を生み、里海は世界の先駆けとして志摩市を代表するキーワードとなって、環境に、また産業の分野で雲蒸龍変となるものと信じております。
 今後とも、市民の皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げますとともに、議員の皆様方にさらなるご協力とご賛同を賜りますよう切にお願い申し上げ施政方針といたします。
                                   志摩市長 大口秀和
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