伊勢志摩国立公園 志摩市

平成22年施政方針

 平成22年第1回志摩市議会定例会の開催にあたり、市政運営に関する基本的な考え方と主要な施策の方針について申し述べ、議員の皆様をはじめ、市民の皆様にご理解とご協力をお願いしたいと存じます。
 皆様ご承知のとおり、平成20年秋の「リーマンショック」により、日本経済も大きな打撃を受け、未だその影響を色濃く残しています。
 この間、国政においても、昨年の秋に民主党による鳩山新政権が誕生し、『コンクリートから人へ』の大きな政策転換がなされ、国の平成22年度当初予算案では、新政権のマニフェストを実現すべく「子ども手当の創設」、「高校の実質無償化」、「農業の戸別所得補償」等、さまざまな政策が盛り込まれているものの、国家財政は依然として厳しく、子ども手当の財源の一部を地方に求めるなど、地方財政に与える影響は避けられない状況となっています。
 志摩市においても今後益々厳しい財政状況となることが予想されますが、今こそ市民の皆様のご理解とご協力を得ながら、昨年策定しました「志摩市財政健全化アクションプログラム」に沿った行財政改革に取り組み、財政健全化を図ってまいります。
 就任2年目となります平成22年度は、『志摩市再起動』に向けて私が掲げております次の7つの項目 「農林水産、商工、観光の振興と財政健全化」、 「子育て環境の充実」、 「質の高い防災の実現」、 「保健、福祉、医療の充実」、 「老後安心、子育て支援、青少年の育成」、 「介護の充実」、 「補助金の見直し」 これらの施策を本格実施する年度と捉え、公約実現のため予算編成において枠配分におりまぜて「志摩市再起動枠」を設定し、行財政改革と並行しながらも積極的な事業展開を図ってまいります。
 それでは、平成22年度財政状況及び当初予算の大綱とともに、主要な施策の概要について申し上げます。 経済情勢の悪化により国及び地方の税収は大きく落ち込み、平成22年度における国の「地方財政対策」においては、平成21年度に引き続き地方交付税の財源不足を生じ、18兆2,168億円の不足となります。その内、地方交付税における国と地方の折半対象財源不足額は10兆7,760億円となり、国はこれに対して、平成21年度に引き続いて1兆4,850億円の特例加算や臨時財政対策債による補てんを打ち出しています。
 その結果、地方交付税の特別会計出口ベースでは、前年度に比較し1兆733億円の大幅な増額予算を計上し、地方交付税の額は、16兆8,955億円となり、対前年度比6.8%の増額となっています。また、臨時財政対策債として、対前年度比49.7%増の7兆7,069億円を見込んでいます。
 このように、平成22年度における国の地方に対する財政対策は、国及び地方の財政が一層厳しさを増す中での発表となりましたが、志摩市においても平成22年度予算の編成にあたっての基本施策として『志摩市財政健全化アクションプログラム』を実行していくための初年度であると位置づけ、財政健全化をめざした予算編成となっております。そのため、平成21年度に引き続き、原則的には財政調整基金の繰り入れを行わない方針を打ち出し、より一層の歳出予算の削減に努める中で予算編成を行いました。
 歳入予算につきましては、主な増減額として市税で約4,700万円の減額、地方消費税交付金で約5,300万円の減額、自動車取得税交付金で約6,500万円の減額、国の地方財政計画に基づく地方交付税で3億円の増額、国庫支出金で約5億円の増額、県支出金で約4億1,100万円の増額、繰入金で約1億2,700万円の減額、繰越金で1億5千万円の増額、市債で約6億9,100万円の増額を見込みました。
 歳出予算につきましては、私の公約を実現すべく「志摩市再起動枠」予算を組み、事業総額で10億4千万円余りの事業費を盛り込みました。その内、一般財源としては1億円余りの予算措置を行いました。そのほか、主な増加要因としまして、国の政策である「子ども手当」が創設されたことにより、事務費を含み8億3,700万円余りの予算を盛り込みました。また、合併特例債を活用して施設の統廃合に伴う事業を31億2,100万円余り予定しており、約7億2,600万円の増額となります。その結果、平成22年度の当初予算における一般会計の歳入歳出予算額は、238億3,647万2千円となります。対前年度比は7.8%増で17億1,812万3千円の増額となります。
 また、一般会計に特別会計の140億9,686万1千円及び企業会計の41億3,459万8千円を加えた志摩市全体の予算規模は420億6,793万1千円となります。
 それでは次に、平成22年度の主な施策について、冒頭で申し上げました項目に沿って申し上げます。
 まず、「農林水産、商工、観光の振興と財政健全化」に関連する施策について申し上げます。 農林水産、商工、観光の振興としては、今年は、国連の定めた「国際生物多様性年」であり、10月には名古屋市においてCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が開催されます。1年間に約4万種の生物が絶滅しているといわれ、その原因のほとんどが人間の活動により生物に影響を与え、絶滅の危機を引き起こしているとされています。
 そのような中で、21世紀環境立国戦略では、藻場、干潟の保全・再生・創生、水質汚濁防止策、持続的な資源管理などを総合的に推進することによる、多様な魚介類等が生息する自然の恵み豊かな「里海」の創生が環境施策として明記されており、昔の生活に戻ることのできない今、現代にあった「望ましい沿岸海域の環境」を維持していかなければなりません。海の環境を保つためには、海だけのことを考えるのではなく、森・川・海は、水の循環によってつながっており、陸と海を含む沿岸域の全体を見渡しながら一体的に考えなくてはならないことや物質循環(食物連鎖)は非常に大事であり、このサイクルのバランスを保っていく必要があります。 地域の海の環境を保全しながら、水産業や観光業を通じて、その恵みを最大限かつ持続的に活用する「新しい里海」を作り上げる必要があることから、里海創生支援モデル事業や海の健康診断事業等の活用、沿岸域の総合的管理推進事業の実施により、「総合的な沿岸管理」の推進手法の確立をめざして基礎作りに努めてまいります。
 次に、少子高齢化の進行や人口減少社会の到来など、現在の社会を取り巻く環境の変化や地方分権の進行により、地方自治体の主体的な行政運営が強く求められている一方で、市民のニーズはますます多様化が進み、そのニーズに対し、行政が直接に対応する従来型のサービスだけでは補えない部分もでてきています。そこで、「参画・協働」の観点から行政と市民の協働のまちづくりを進めていくため、「協働事業提案制度」を実施します。この提案制度は、市民活動団体又は事業者の発想や手法を活かし、提案者と市が事業の企画から実施までを協力して行うことにより、多様化する市民ニーズや地域課題を的確に捉えた質の高い公共サービスの提供を目的とします。
 稼げるまちづくり事業につきましては、商工会への事業補助の一環として平成22年度に長野県の木祖村や岐阜県の富加町にオープンする「道の駅」や、名古屋市等で毎週土・日に開催される青空市で、志摩の特産物等をPRし、同時に観光PRも行い志摩市への誘客を図ることで市民の稼げるお手伝いを行います。
 また、関係団体との協働による志摩の食に関連した志摩の新たな産物を発掘し、地産地消並びに『食』をキーワードとした地域おこしの推進に努めるなど食の活性化事業を展開してまいります。
 観光面では、旧5町の特色や魅力を活かし、地域の関係者が主体となった、小径づくりの取り組みを支援する事業を立ち上げ、ソフト・セミハードが継続的に取り組まれるようサポートしていくことで、歩きたい観光地づくりを推進し、地域関係者が積極的に利活用することにより来訪客の満足度を高めると同時に、滞在時間の延長とそれによる経済効果の誘発を図っていきます。
 同時に、外国語表記を含む効果的な情報案内看板や誘導表示の整備を実施していくと共に、情報発信やPRに必要な観光資源画像のデータ収集とメディア等への発信提供を行ってまいります。
 次に、賢島活性化事業として賢島地区の既存の防犯灯を撤去し、環境にやさしいLEDの防犯灯を新たに設置することにより、夜でも観光客等が商店街で買い物や夕食後の時間を楽しみ、気軽に街並み散策ができるような「にぎわいの空間づくり」に取り組んでまいります。
 また、安乗埼灯台へのアクセスにつきまして、既存道路の拡幅と大型バスの駐車場の整備事業として、市道安乗灯台線の道路改良と待避場の整備を行い観光客の利便性の向上を図ります。
  また、昨年11月に策定しました「志摩市立小中学校再編基本計画」と「志摩市立保育所・幼稚園等再編計画」に基づき、小中学校の学校再編により使用する学校の施設整備事業として、波切小学校改築工事の実施設計を行うほか、浜島幼稚園を改修して浜島地区幼保一体化施設とするため、施設整備事業の実施設計を行います。
 幼保一体化推進事業としては、志摩町地区の統廃合を進めていくため、現在和具保育所がある志摩支所の改修工事に伴う設計業務委託を実施します。
 未収金対策としては、コンビニ収納を一部導入し、提携コンビニ各店で24時間、365日いつでも税金を納めていただけるよう納税者への収納窓口の拡充を図り、市税の納期内納付による財源の確保と現年度収納率の向上をめざします。
 次に、「子育て環境の充実」に関連する施策につきましては、市内への民間事業者の保育事業参入を受け、阿児町地区に創設する私立保育所の整備に対し補助を行い、ソフト面では、保育所・幼稚園で保育に携わる職員に対して保育の質の向上のための合同研修などを実施します。
 また、就学前の乳幼児を対象に医療費助成を行うことにより、子育てに対する経済的負担を軽減し、子育て環境整備の一助とするとともに、新たに小学生の入院に係る医療費についても、市単独で助成を行ってまいります。
 妊婦健康診査事業として、母子保健のしおりを母子健康手帳交付時に配付するほか、妊婦1名につき14回分の健康診査費を助成することにより、安心して妊娠・出産ができる体制づくりを行います。
 「質の高い防災の実現」に関連する施策につきましては、災害発生時の緊急情報伝達網の整備として、防災行政無線デジタル同報系の整備と併せて各世帯へ戸別受信機の整備を実施していきます。
 また、安心安全な暮らしの実現、災害からの安全確保の施策に基づき平成22年度から5か年計画で防火水槽の整備を進めてまいります。 防災及びまちづくり施策に活用するため、密集市街地における地震倒壊危険度マップの作成に着手し、平成22年度は波切地区の密集市街地区域について実施してまいります。
 児童・生徒を地震災害から守り、安心安全な学校環境を整備するため、「第3次地震防災緊急五箇年計画」に基づき、地震耐震化事業として片田小学校と国府小学校の屋内運動場の改築工事を行います。また、学校建物の耐力度調査事業として和具小学校の屋内運動場の耐力度調査や、大規模改造事業として鵜方小学校教育棟(北館)の教育環境改善を図るための基本設計を行います。
 次に、「保健、福祉、医療の充実」に関連する施策について申し上げます。 喫緊の課題になっております地域医療に関しましては、市民病院の医師確保に全力で取り組み、医師研究資金の貸与制度の創設や休日夜間応急診療所の整備、充実などに取り組んでまいりましたが、平成21年度も相次いで県立志摩病院の診療体制の変更があり、非常に厳しい状況が続いています。
 平成22年度は、三重県が、本格的に県立病院改革を推進すると考えられ、市におきましては、引き続き医療再生に向け、安心安全な医療サービスが提供できるよう三重県や関係機関に積極的に働きかけていきたいと考えています。
 特に救急医療につきましては、近隣市町や医療機関など、関係機関との連携を緊密にし、休日夜間応急診療所をはじめとする救急医療提供体制の整備、充実にさらに取り組んでまいります。
   また、地域医療を守るためには、市民の皆様のご協力や関係機関との連携が非常に重要であるため、情報共有や意見交換を積極的に行い、引き続き地域一体となってこの問題に取り組み、地域医療再生に向け尽力いたします。 浜島診療所につきましては、平成21年度に立ち上げた「浜島診療所移転検討委員会」で協議し、診療所の移設を行うことにより浜島町地区の医療を確保してまいります。
   次に、「老後安心、子育て支援、青少年の育成」についてですが、相談や支援など気軽に相談できる場としての総合相談支援体制の推進としまして、現在各支所に地域ふくし総合支援センターを設置し、身近な地域の相談窓口として「どこに相談したらいいかわからないふくしの相談」に対応しております。相談件数についても増加傾向にあり、困りごとを抱える家庭の早期発見・支援を担う相談支援の窓口として充実を図るため、相談支援にかかわる職員の資質の向上を図るとともに、社会福祉協議会と今まで以上に連携を強化していきます。また、専門的な知識が要求される困難事例や虐待・成年後見制度につきましては、ふくし総合支援室における支援体制を充実していきます。
 「介護の充実」に関する施策としては、学校施設バリアフリー対策事業により、障がい児等の学習環境を改善するため、神明小学校の障がい児等対策施設整備としてエレベーター設置工事を行います。
 それでは、その他の主な施策の概要について、各部門別に申し上げます。
 はじめに、総務部門から申し上げます。 1月12日に南米のハイチ共和国で起こった巨大地震では大きな被害が発生しました。その惨状を見るにつけ、今改めて大規模災害に対する安全対策の重要性を認識した次第です。
 この地域でも東海・東南海・南海地震の発生が危惧されておりますが、これらを想定した防災対策を一層強化するとともに防災力の強化、防犯・交通安全対策の強化など、市民の安全対策に積極的に取り組む必要があります。
 平成22年度は、地域防災計画の見直しを行い「地震・津波災害を想定した総合防災訓練」や「災害対策本部と各防災関係機関との連携を強化する災害対策本部運営図上訓練」などを実施し、防災意識、知識の普及・啓発を図っていきます。さらに、各種応急・復旧体制づくりのために災害協定の締結に努めます。 消防力の向上を図るため、志摩方面隊及び磯部方面隊の小型動力ポンプ付積載車の更新を行います。さらに、火災や震災等の災害時には消防団の果たす役割が大きいことから、平成20年度に整備した消防団用通信設備の拡充を図ります。救急救命整備として平成18年度より設置を進めておりますAED(自動体外式除細動器)のさらなる配備を行うとともに、志摩広域消防組合と連携して救命講習を実施することで、市民の安心安全対策を図ります。
 交通安全対策としては、志摩市交通安全会を中心に街頭指導を実施するほか、各支部単位で交通安全啓発活動を実施し、市民の交通安全意識の向上や児童生徒の交通安全教育の推進に努めます。また、自治会等からの要望に応じ交通安全施設の設置を関係機関に働きかけるほか、道路交通危険箇所にカーブミラーの設置を計画的に推進します。
 防犯対策としては、志摩市防犯委員会を中心に春休み、夏休み、冬休みの期間中に防犯パトロールを実施し、青少年を取り巻く犯罪の防止に努めるほか、関係団体と連携し地域ぐるみで自主防犯活動の推進に取り組みます。また、人通りの多い住宅地や通学路に計画的に防犯灯を設置するとともに、平成21年度に導入しました青色回転灯を活用し定期的に地域の見回りを行うなど犯罪の抑止に努めます。
 また、行政改革を推進していく中で、市有財産の適正かつ効率的な管理及び財産の有効活用等の総合的推進基礎データ作りのため、公有財産管理システムの導入を実施します。
 公用車の管理につきましては、庁舎が建設され分散していた組織が集約されたことで、より効率的な活用をし、コスト縮減を推進していくことが必要になることから、公用車の縮減を図りつつ、一定規模以上の車輌を集め、集中管理を行います。
 続きまして、企画部門における主な施策の概要について申し上げます。
 平成21年度からの継続事業であります総合計画後期基本計画を策定いたします。平成21年度は、市民アンケート調査、市民で組織する総合計画審議会やワークショップなどを開催し、平成22年度は、計画の素案を作成した後、それに基づきパブリックコメントなどを行い、市民との協働によるまちづくりを基本とした市政運営の最上位計画である総合計画後期基本計画を完成させます。
 行政改革につきましては、平成21年度に策定しました、今後5年間の指針である行政改革実施計画に基づき、施策の進捗状況管理や見直しを検討していきます。また、民間の委員で組織する行政改革推進委員会、内部組織である行政改革推進本部会議、専門部会及びプロジェクト会議で、行政改革に向けての具体的な検討を行うとともに、財政健全化アクションプログラムとも連動し行政改革の推進を図ってまいります。 「まちづくり基本条例」の運用では、基本原則である「情報共有」、「参画・協働」について具現化してまいります。「情報共有」では、審議会等の会議の公開に関する要綱を定め、審議会等の会議について例外を除き原則として公開するものとし、会議開催の事前公表、会議録の閲覧等を実施し、市民の皆様に積極的に情報を提供してまいります。
 志摩市応援倶楽部「志摩びとの会」につきましては、平成22年度は大阪での交流会を開催するほか、引き続き会報やメールマガジン、ホームページなどを活用した志摩市の情報発信や会員募集などを行うとともに、観光関連施設と連携し会員特典を充実させ、志摩市への集客を図ってまいります。
 行政への市民参画、NPOやボランティア団体との協働を推進していくため、引き続き市民活動支援センターを核として、参画しているグループや市民の方々を対象とした研修会、講演会など市民活動支援のための勉強会を開催し、市民主体のまちづくりを進めていくための環境整備を図ってまいります。
 その他、志摩市と三重大学との相互友好協力協定に基づく文化フォーラムの開催、間崎いきいきセンター10周年記念のNHK公開録画の実施、志摩ロードパーティへの支援、国際交流協会への補助、都市交流など官民連携による多様な交流活動を展開し地域の活性化に努めてまいります。
 男女共同参画の推進につきましては、「志摩市おもいやりプラン」の改訂と、三重県と市町が連携し男女共同参画を考えるための映画祭を開催するほか、中学生の勉強会、職員研修会、企業セミナーなど広く市民の皆様に男女共同参画社会の意識づくりを啓発する事業を行ってまいります。 また、統計調査につきましては、5年に一度の国勢調査の実施年度であるほか、工業統計調査、学校基本調査、港湾調査を実施いたします。
 市の交通体系につきましては、市民の生活に不可欠な交通手段を維持確保するため、志島循環バス及び浜島港線のバス運行委託、御座線における名田・畔名地区へのバス乗り入れ助成を引き続き実施します。また、磯部町地区で実施している磯部地域予約運行型バスについて、運行内容の見直しを行い実施していきます。なお、平成21年度には、時代の変化や地域の実情に合った、より効率的で効果的な公共交通を確保することにより、市民が安心して快適な生活を送っていただくことを目的として生活交通計画を策定しました。今の子どもたちが大人になったときに持続可能な公共交通の実現をめざし、今後は計画に沿った施策を推進してまいります。
 企業立地及び誘致推進に関することとして、地域経済の自律的発展の基盤強化を図るため、地域の主体的かつ計画的な産業集積形成等の取り組みに対し、国等が総合的な支援を行うため、「企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律」が平成19年6月に施行されたところであります。これを受け、産学官の広域的な枠組みの中で、産業集積及びその活性化に向けた一層の取り組みを推進するため、伊勢市、鳥羽市、玉城町、度会町、南伊勢町、志摩市の6市町及び関係機関と共同して、伊勢志摩地域産業活性化協議会を組織し、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成、並びに交流促進方策の推進により、地域経済の自立・活性化をめざしてまいります。
 情報政策では、合併時に導入した電算システムが更新時期を迎えているため、平成21年度に引き続き、内部情報系システム・ネットワーク機器等の更新を行い、電算システムの正常稼動、円滑な業務維持に努めます。また、内部情報系システムの端末で、耐用年数が経過し、機器本体の状態がよくないものや機器性能が低下したものについては、業務の支障とならないよう入れ替えを行います。
 セキュリティ対策では、市民の財産やプライバシー等を守る上からもセキュリティポリシーの徹底を図り、職員のセキュリティ研修を通じて情報管理能力の向上に努めます。
 続きまして、市民部門における主な施策の概要について申し上げます。 税務関係では、平成24年度固定資産税(土地)の評価替えで活用するための標準宅地及びゴルフ場用地の不動産鑑定評価を行い、公正適正な課税に努めます。
 地方税電子化業務につきましては、各種市税申告書等の電子化により、納税者の利便性の向上と税務事務の効率化を図ってまいりましたが、さらに平成22年度から国税庁と地方税とのデータ連携が行われるため、導入のための環境整備を行います。
 市税等の未収金につきましては、国税徴収法及び地方税法に基づく滞納整理に努め「税の公平性」を欠くことなく、「自主財源の確保」に努めているところです。納税者のご理解のもと、誠実な納税相談の実施をはじめ電話催告やインターネット公売の充実をさらに図るとともに、法に基づく財産調査の実施や捜索及び差押の強化に引き続き努めてまいります。
 次に、福祉医療費助成事業として、乳幼児・一人親家庭等・障がい者の方々に対して医療費助成を実施します。一人親家庭等につきましては、18歳に達した年度末までの児童を扶養している一人親家庭の母又は父及びその児童と父母のいない18歳に達した年度末までの児童を対象に、また、障がい者につきましては、身体障害者手帳3級以上保持者、療育手帳重度以上保持者、精神障害者手帳1級保持者などの方々を対象に助成を実施し、医療を受けられる環境を整え、福祉の向上と健康の保持増進を図ります。
 次に、医療保険制度における取り組みについて申し上げます。 わが国の医療費は、高齢化の進展や生活環境の変化とともに、毎年増加の一途をたどっており、志摩市も例外ではありません。国民健康保険被保険者についても、偏った食生活や運動不足などによる生活習慣から、生活習慣病有病者が増加しており、医療財政を圧迫する要因にもなっています。このことから、生活習慣病の発症原因とされるメタボリックシンドロームに着目した特定健康診査・特定保健指導の実施が医療保険者に義務づけられ、「志摩市国民健康保険特定健診等実施計画」に沿って平成20年度から実施しておりますが、受診率は伸び悩んでおります。そこで平成22年度は、新たに生活習慣病予防対策事業に取り組み、未受診となる原因を分析し、有効な対策を図るための方法を検討します。また、市民健康診査と同時実施を図り、相乗効果による受診率アップを図ります。受診していただいた結果、支援の必要な方々には保健指導を行い、健康の維持と発症リスクの低減を図ります。
 その他、歯科教室事業、健康づくり推進事業等の様々な保健事業を通じて、医療機関や関係団体と連携しながら、保健師・管理栄養士による事業を推進し、医療費の抑制につなげていきたいと考えております。 さて、増大する医療費の抑制と高齢者の健康と医療のあり方が見直される中、老人保健制度が廃止され、独立した保険制度としての後期高齢者医療制度が平成20年4月に始まりました。都道府県を単位とする後期高齢者医療広域連合が保険者となり、保険料の賦課や医療給付等の事務と財政運営を行い、市町村が保険料の徴収事務や窓口事務を行っております。昨年の政権交代により、新たな制度のあり方が検討されているところですが、それまでは制度の安定的な運営の努力が必要と考えております。高齢者の方々には、広報等を通じて周知を図りながら、引き続き制度の趣旨をご理解いただくよう努力してまいります。
 続きまして、健康福祉部門における主な施策の概要について申し上げます。
 地域福祉の推進においては、志摩市地域福祉推進計画に基づき、地域福祉の理念を広く市民に啓発していくとともに地域福祉の意識を醸成し、市全体で目標が達成できるよう関係機関と連携を深め、地域福祉フェスタの開催や災害時要援護者マップの作成などの事業に取り組んでまいります。 また、このような地域福祉推進事業の成果等につきましては、志摩市の地域福祉を総合的に推進していく観点から、計画の進捗状況等を把握し、関係部署又は関係機関等との連携のあり方等も含めて検討していきます。市民の皆様に対しましては、わかりやすく、住み慣れた地域で安心して暮らしていける福祉を進めていくため、効率的で無駄のないサービスが提供できるよう検討していきます。
 高齢者・障がい者等の支援では、高齢者・障がい者がその有する能力及び適性に応じ、自立して日常生活又は社会生活を営むことができるよう、地域の特性や状況に応じた効率的・効果的なサービス提供を実施し、住み慣れた地域・家庭において安心安全な暮らしができるまちづくりをめざして、さまざまな地域生活支援事業を展開してまいります。
 保護支援では、雇用環境が厳しく失業率が高い水準で推移していく中で高齢者や傷病・障がい者等の相談が増加していますが、生活保護法に基づき健康で文化的な生活水準が維持できるよう最低限度の生活を保障していくため、生活、教育、住宅、医療等の支援を実施するとともに、自立の阻害要因を把握し適切な指導・支援ができるよう努めてまいります。
 子育て支援施策としては、平成21年度に作成した志摩市次世代育成支援行動計画の後期計画に沿い、地域における子育て支援サービスの具体的な数値目標により順次整備してまいります。また、子育て支援センターの運営により、未就園児の子育て支援の充実を図っていきます。 次に、次世代の社会を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援する観点から、平成22年度から新たに子ども手当事業として、中学校修了までの児童を対象に、一人につき月額13,000円を支給します。
 母子福祉事業につきましては、母子家庭の母が経済的に自立するため、看護師や介護福祉士等の資格取得のために養成機関で2年以上修業する場合、生活の負担の軽減をはかり資格取得をしやすくするため、訓練促進費等を支給する「高等技能訓練促進費等事業」を新たに実施してまいります。
 また、要保護児童への支援につきましては、引き続き「志摩市子ども家庭支援ネットワーク」により、関係機関が情報や認識を共有し、的確な連携のもとで支援していきます。
 児童家庭相談支援及び母子自立支援業務につきましても、相談員を中心に、個々の子ども及び母子の状況を的確に捉え、子どもそれぞれに、また家庭や関係機関に適切な相談支援活動を行ってまいります。
 保育所における子育て支援施策としては、志摩市においても低年齢児の入所が増加する傾向にあることから、浜島・大王第三・鵜方保育所の3保育所で満1歳児の受け入れを実施します。保育所給食については、平成19年度に構造改革特別区域の認可を得ました「公立保育所における給食の外部搬入方式の容認事業」に基づき、新たに布施田保育所を加えることにより、19保育所中13保育所の給食を学校給食センターから外部搬入することとなります。
 また、緊急雇用創出事業を活用し、保育所では、特に支援が必要な児童や低年齢児童への保育士の配置、0歳児の受け入れを行っている和具保育所への看護補助員の配置、浜島学校給食センターへの保育所給食担当栄養士の配置、0歳及び1歳児受け入れ保育所への離乳食・アレルギー食対応調理員の配置など、入所児童への積極的な支援を図っていくとともに、児童館においても支援が必要な児童が、放課後も安心安全に過ごせるよう専任職員を配置します。さらに、保育所及び児童館に入所(館)する児童が健康で安全な生活ができるよう、同事業を利用して、各施設の環境保全対策を実施してまいります。 健康推進分野におきましては、昨年4月に発生いたしました新型インフルエンザについて、発生直後から情報収集や市民の皆様への情報提供及び新型インフルエンザワクチンの費用負担軽減事業など、実状に応じた対応を講じてきたところです。
 また、「志摩市感染症等健康危機管理ネットワーク会議」を正式に設置し、関係機関との緊密な連携、協力、市民の皆様への情報提供等を徹底し、感染症等健康危機管理事業を強化推進してまいります。
 また、健康づくり事業では、平成22年度までの2年間、健康志摩21推進会議「ゆめぴーサミット」の皆様とともに、志摩市健康増進計画「健康志摩21」周知活動を行ってまいりました。平成22年度からは分野ごとに、本格的な計画の実践活動を展開していきます。
 特に歯と口の健康づくりを重点課題として取り組み、健康志摩21に基づく具体的な実践計画である「歯科保健推進プラン」を歯科医師会等の関係機関や市民の皆様との協働により作成し、実践活動を推進してまいります。
 母子保健事業につきましては、安心安全な子育ての支援として妊婦健康診査の検査項目を拡充し、健全な子どもの育成を図るため、地域の育児力の強化をめざして赤ちゃん訪問や相談事業の充実などの取り組みを展開いたします。
 成人保健対策につきましては、引き続き各種がん検診等の受診率向上に向けた取り組みを展開してまいります。 また、近年、経済格差が健康に影響する「健康格差」の問題は、社会的に解決しなければならない重要な課題であると思われます。
 特に、志摩市におきましても自殺問題は早急に解決しなければならない課題であり、生きる支援として心の健康づくりの推進や相談支援体制の強化、啓発活動など自殺防止対策を推進していきます。
 続いて、介護保険事業について申し上げます。
 平成22年度は、第4期介護保険事業計画及び高齢者福祉計画の2年目となります。介護保険制度が施行されてから10年が経過しましたが、制度に対する理解は十分されていないように感じます。市の高齢化率が30%を超え、介護を必要とする高齢者は、年々増加しており、家庭だけでの介護がますます困難になる中で、市民、介護サービス事業者、行政が連携して介護を支えていくことが必要となってきておりますが、そのためには、それぞれが制度に対する正しい理解を持つことが重要です。このようなことから、平成22年度においては、介護サービスの充実を図る一方で、介護予防事業の実施に併せさらにきめ細やかな制度周知を行ってまいります。
 また、低所得者の施設入所が困難であるという多くの市民の皆様の声を受け、施設サービス利用者の一時的な経済負担を軽減するために、新たに高額介護サービス費受領委任払制度を実施いたします。
 地域支援事業においては、高齢者がいつまでも住み慣れた地域で暮らすことができる環境づくりをめざし、介護を必要とする高齢者を地域全体で支え、自らの選択により総合的なサービスを安心して受けられるよう、高齢者の自立支援と尊厳の保持を基本として事業を進めてまいります。
 介護予防事業につきましては、地域に出向き「介護予防の必要性について」周知を図っています。自治会との協働で平成19年度から進めてまいりました地域の中の介護予防リーダーとしての「お達者サポーター」の活動をさらに強化し、高齢者が地域の中で自立して暮らし続けられる環境整備を具体的に進めてまいります。 また、要支援・要介護状態に陥る可能性が高い特定高齢者を把握するため、生活機能評価の受診率向上をめざすとともに、特定高齢者の把握ルートの拡大を図ります。その結果を踏まえ運動器や口腔機能の向上、低栄養の防止及び閉じこもりやうつ予防にも積極的に取り組み、継続した支援体制の構築を図ってまいります。
 さらに、虐待及び認知症の早期対応支援の推進においては、予防劇等を通じて知識の普及啓発に取り組んでまいります。
 続きまして、生活環境部門について申し上げます。 日本は、COP15(国連気候変動枠組条約第15回締約国会議)において、「2020年までに1990年比で25%削減」という温室効果ガス削減目標を掲げました。地球温暖化問題は、啓発の時代が終わりその具体策が問われる時代に入っているといわれていますが、「これぞ温暖化対策」という具体策は明らかになっていません。しかし、我々一人ひとりの問題として捉え、少しでも環境負荷の少ない生活を心がけ、まずは自分から行動を始めていただくため、広報などを通じて身近にできる取り組みを紹介しながら市民の意識向上に努めるとともに、市においては、適正なエネルギーの使用や管理について、全ての施設・部門で職員が共通認識を持ち、環境負荷の少ない組織づくりに努めてまいります。
 水環境につきましては、継続して市内の河川や排水路及び海域等の水質検査を行い、それらの水質や底質の現状を把握し、英虞湾や的矢湾の閉鎖性海域への環境負荷を低減していくための施策の基礎資料とするとともに、市民に向けての生活排水対策について啓発を行ってまいります。
 また、水質汚濁の防止を図るため、生活排水対策のひとつとして合併処理浄化槽設置者に対して、年間200基の補助金の交付を行います。浄化槽は、適正な維持管理を行うことが重要であることを踏まえ、設置者に対して法定検査や保守点検の必要性を認識していただくための啓発活動にも努めてまいります。
 引き続き循環型社会を形成発展させごみゼロ社会を構築していくため、行政・市民・事業者が連携して3R運動を推進していくとともに、家庭系・事業系の生ごみ減量、ごみの再資源化を啓発推進し排出量の総量抑制に努めます。並行して鳥羽志勢広域連合が建設を進めている廃棄物処理施設においてごみを処理することとなる時期までに、新たに統一されるごみの分別方法の周知・普及や、ごみ出しルール・マナーの啓発にも取り組んでまいります。
 次に、清掃センターの運営につきましては、さらなる効率化を図るため、施設の統合を検討するとともに適正な管理運営に努めます。
 火葬場につきましては、引き続き市民の皆様のご理解と地域の協力をいただきながら、施設の早期建設に努めてまいります。
 人権啓発の分野におきましては、21世紀は「人権の世紀」といわれていますが、長引く経済不況のあおりを受け、私たちを取り巻く社会環境は非常に厳しく、人と人とのつながりが希薄になってきていることによって心身が傷ついたり、尊い命がいとも簡単に奪われたりする事象が起きています。人権は人間の尊厳に基づいて各人が持っている固有の権利であり、社会を構成している全ての人々が幸せに暮らせる権利であるといえます。
 市におきましても「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」に基づき策定した「志摩市人権施策基本方針」に沿い、「人権が尊重されるまちづくり」のための啓発事業として、「人権を考える市民の集い」の開催、啓発物品等の配布や各種団体・関係機関で組織している人権啓発推進ネットワーク協議会との連携をさらに強化し、市民の皆様一人ひとりの参加と理解を得ながら「人権のまちづくり」を進めてまいります。
 続きまして、産業振興部門について申し上げます。 農林関係におきましては、農家の高齢化や後継者不足により増加している荒廃農地対策として、担い手農家等への農地のあっせんや集積、農業生産者の育成などを図り、引き続き農業の振興を行ってまいります。また、消費者ニーズは食の安心安全であることを求めていますので、地物は安心安全であることをPRして、地産地消の推進につなげてまいります。
 主な事業内容としましては、志摩の特産品である「きんこ」の原料を増産するため、ウイルスフリー苗の生産を行い生産農家への配布や農地のあっせんを図ってまいります。
 また、鳥羽志摩農協が事業主体になり小学生を対象にしたアグリスクールを開催し農業に親しんでいただいたり、地元食材を利用した料理講習会や栽培講習会等を通して地産地消産地化推進事業を行ってまいります。そして「農業生産者団体育成補助事業」により、生産者団体の自主的な活動による農業の活性化を図るため引き続き支援してまいります。
 獣害対策事業では、被害対策として電気柵に対する助成を行うとともに、捕獲檻を各町猟友会へ貸し出し、駆除を委託してまいります。また、自治会や猟友会、関係機関等と連携しながら対応してまいります。
 県営事業につきましては、中山間地域総合整備事業の実施に向けて地元や関係機関と協議しながら、引き続き推進してまいります。
 林業振興事業として、松くい虫三重県防除実施区域に指定されている阿児の松原、安乗岬園地において薬剤の地上散布等を行い、県から指定されている保存価値の高い松林の松に樹幹注入を行い松林の保全を図ってまいります。また、森林環境創造事業、常設造林事業等により、間伐・枝打ち・草刈・下刈作業を委託して森林の適正管理を行ってまいります。
 水産関係の事業についてですが、近年の漁業は生産性の低下と魚価の低下により、あおさ養殖業など一部の業種を除いて漁業経営の存続が危ぶまれる状況となっています。伊勢志摩の経済を支えてきた真珠養殖業につきましては、養殖業だけでなく流通を含めた真珠産業そのものが未曾有の危機に陥っており、生産から流通にいたる産業構造の大きな変革が求められています。
 このような状況下において、水産業を維持していくための長期的な取り組みとして、生産の基盤である漁場環境の保全を図る必要があります。漁業者だけでなく沿岸域の多様な関係者の連携を図り、里海の概念に基づいて漁場環境の保全に向けた総合的な取り組みを進めます。内湾域では漁場環境調査や自動観測ブイシステムの運用に対する補助を行い、漁場環境の把握に努めるとともに、県営浚渫事業の実施や漁業者が実施する藻場の再生活動に対し支援等を行ってまいります。また、外洋域では投石による漁場の拡大と漁業者による磯焼け回復に向けた取り組みの支援等を行います。
 こうした漁場環境の再生・保全の取り組みを進めながら、従来から実施してきた三重県水産振興事業団や管内の漁協と連携した種苗放流事業や資源管理型漁業の推進による積極的な資源増大に向けた取り組みを推進します。
 また短期的には魚価の向上が急務となっていることから、三重県南部の漁協が合併して新たに設立された三重外湾漁業協同組合と連携し、ブランド化による付加価値の向上や水産業と商工業の連携による新たな水産物の流通について関係者の皆様と検討してまいります。
 次に漁港関係の事業についてですが、平成22年度は波切漁港におきましては、荒天時の避難船や釣りが目的の外来船の係留をしやすくするための係船環を中突堤に設置いたします。また名田漁港海岸におきましては、海岸の浸食を防ぐための消波ブロックの設置を昨年に引き続き実施いたします。さらに、市営8漁港におきましても、適切な管理に努めてまいります。
 続きまして雇用対策についてですが、厳しい雇用情勢が続いていることから、県の「ふるさと雇用再生特別基金事業市町等補助金」を活用し、平成21年度から実施しております「産業振興・観光商品開発事業」や「観光企画力推進事業」等の4事業を商工会等に委託して引き続き実施することにより、12名程度の雇用を図っていきます。
 また、「緊急雇用創出基金事業市町等補助金」も引き続き活用して、「教育活動サポート員配置事業」や「学校図書館運営補助員巡回事業」等の継続事業を17事業、新規事業として「公共施設等環境美化事業」等の13事業、合計で30事業を実施し、148名程度の雇用を図っていきます。
 消費者行政としては、引き続き「消費者行政活性化基金事業」を活用し、消費生活相談員を毎週水曜日に配置することにより、地方消費者行政の強化を図ってまいります。
 観光関係におきましては、引き続き「住んでよかった、訪れてよかった、また訪れたい」の観光地づくりをめざし、観光協会や旅館組合、商工会、伊勢志摩観光コンベンション機構などの観光関係団体・事業者をはじめ、水産・農業関係の団体・事業者、国・県との連携・協働を図り、滞在型観光の推進と外国人観光客の誘致促進を軸とした施策を展開してまいりたいと考えています。
 国においては、観光立国の実現に向けた政策の推進をさらに強化することとしており、昨年12月に策定された「新成長戦略」では観光は6つの成長戦略分野の一つとして位置づけられ、平成22年度の観光予算も前年の2倍強の予算が組まれております。その大きな柱は「訪日外国人旅行者」の誘致促進と「観光圏整備事業」による滞在型の観光地づくりの整備促進となっております。
 市としましては、平成22年度も観光協会を実施主体とした観光圏整備事業計画による旅行商品の開発と情報発信及び流通促進、食と観光をテーマにした食材や地域産品の発信・宣伝と各種食の集客イベントの開催支援、スポーツをテーマにした大規模イベント開催による総合スポーツリゾートとしての展開、海女文化を活かした交流事業の開催や観光商品の開発、市の観光施設であるともやま公園、海ほおずき等の施設整備の充実や各種体験プログラムの開発と指導者の育成、志摩自然学校や横山ビジターセンター等が連携したエコツアー商品の造成販売等、訪れたい観光地としての知名度向上及び誘客の取り組みを推進していきます。
 また、志摩市を訪れるための多様で利便性や快適性の高いバス・タクシー・電車等を活用したアクセス手段(二次交通)の研究や実証実験、旅行商品づくりを展開していきます。
 広域連携事業としては、「伊勢志摩キャンペーン」や「伊勢志摩学生団体誘致委員会」「美し国誘客事業」との積極的な連携や、魅力ある商品づくりにより伊勢志摩地域の観光資源を活用しながら、伊勢・鳥羽を含む広域の地域から、志摩市への誘導・誘客を展開してまいります。
 また、将来縮小する国内旅行マーケットをカバーする上で重要な戦略である外国人観光客の誘致促進では、訪日外国人旅行者2016年度目標2,000万人に向けた国の政策と併行した取り組みに力を入れ、受け入れ体制の充実を図ると共に、主に中国からの富裕層や冬季のゴルフ客の誘致に向けたプロモーション活動を伊勢・鳥羽そして県と連携し進めていきます。
 続きまして、建設部門について申し上げます。
 まず、市道の新設改良事業につきましては、国道167号線鵜方磯部バイパスと県立志摩病院とを結ぶアクセス道路として、引き続き市道堂岡岩出線道路改良工事を行い、早期の完成をめざします。また、浜島町桧山路集落内から県道磯部浜島線へ抜ける市道桧山路17号線の改良工事に着手するなど、住民交通の利便性を高める工事を市内各地区で進めてまいります。
 道路維持補修事業としましては、安心安全な道路整備のため主要幹線の舗装工事、側溝改良工事、除草業務など市民生活に密着した工事を行います。さらに、河川整備事業として磯部町地区の準用河川座頭川・普通河川黒岩川の改良工事のための測量設計業務を行ってまいります。
 県関係の事業につきましては、救急医療体制、観光・防災対策として機能する広域幹線道路整備としまして、伊勢志摩連絡道路第2伊勢道路、国道167号鵜方磯部バイパスの早期完成のため、県と共同して推進してまいります。
 都市計画事業としては、平成22年度から平成24年度までの3か年で「志摩市景観計画」の策定と「志摩市景観条例」の制定を行います。併せて、志摩市都市計画マスタープランに基づき、磯部町の地区構想を策定し、景観等のまちづくりの実施プランを作成します。また、地震に強いまちづくりを推進するため、市内の木造住宅の無料耐震診断、耐震補強や耐震補強設計の補助を引き続き実施し、平成27年度までに住宅の耐震化率90%を目標に取り組んでまいります。
 公園事業では、平成22年度から阿児文化公園の駐車場整備に着工し、市民の利便性の向上に配慮したまちづくりを推進します。
 地籍調査事業としては、土地の保全管理や土地行政の円滑化のため、国土調査法に基づき立神地区、浜島地区、塩屋地区の現況調査・準備調査・閲覧等を実施します。なお、地籍調査の成果は、土地に関する基礎的情報として重要であり、今後も長期的展望のもと計画的に進めてまいります。
 市営住宅につきましては、住宅の維持修繕等を行い、住環境の保全に努め、また、総合的な住宅の管理を行うことにより住宅行政を適正に進めてまいります。
 続きまして、教育部門について申し上げます。
 市の教育のあるべき姿を指し示す「志摩市教育振興ビジョン」に基づき、次の事業を推進していきます。
 まず、教育環境整備についてですが、平成17年度から5か年の歳月をかけた浜島小学校の施設整備が完了し、浜島小学校と迫塩小学校が統合した新しい「浜島小学校」が平成22年4月から開校します。この学校に通学するため平成21年度に購入したスクールバスにより迫子・塩屋・桧山路・南張地区児童の登下校時の送迎を実施します。
  特別支援教育関係では、障がいのある園児、児童、生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育・支援を向上させるため、緊急雇用創出事業を活用しながら教育活動サポート員を配置するとともに、教職員研修の充実を図ってまいります。
 情報教育関係につきましては、学校間ネットワークシステムの活用をさらに推進するために教職員一人一台パソコンを整備し、校務の情報化の充実に努めてまいります。また、教職員を対象とした情報教育研修会等を開催することにより、教職員の情報モラルやICTの活用能力の向上を図ります。
 研修分野におきましては、教師の教科における授業力の向上を図るため、授業研究校の指定校を拡大します。小学校では4校から6校に、中学校では3校から4校に指定校を増やし、当該学校の学力向上を図るとともに、市内の学校に向けて授業力向上にかかわる成果を発信してまいります。
 図書教育の充実を図るため、緊急雇用創出事業を活用して市内すべての小中学校を対象に図書補助員を配置し、学校における図書の整備充実や読書活動の充実に努めてまいります。
 児童生徒の安心安全の確保から、市内すべての幼稚園、小中学校を対象にして、メール配信システムを導入し、保護者等に対してタイムリーな子どもの安全情報の提供に努めてまいります。なお、「志摩市教育振興ビジョン」の前期基本計画期間が平成22年度で終了することから、後期基本計画を策定してまいります。
 社会教育につきましては、核家族化やインターネットメディアの発達が進む中、心身ともに健やかな子どもを育成するうえで、家庭や学校、関係機関と連携しながら地域ぐるみで青少年の健全育成に取り組みます。
 また、各地域に設置されている5つの生涯学習施設を拠点に、一生涯を通じて様々なことを学び知識や能力を伸ばしたいという市民の要望や、高齢化社会に対応するため、市民講座や高齢者学級を開設して世代や性別を越えた生涯学習を推進してまいります。
 文化財につきましては、その保存と活用を図るため、次の事業を実施します。
 伊勢志摩地域を代表する県指定文化財『おじょか古墳』から出土した金属製品の保存処理を実施するとともに、国指定重要無形民俗文化財『安乗の人形芝居』の人形かしら等修繕、新調事業の支援を行います。同時に、文化財への理解と愛着を図るため、「安乗人形芝居保存会」などが実施する文化財活用事業に協力します。なお、現在も地域の演芸会などで利用され、地域の財産として欠かすことができない県指定文化財『越賀の舞台』の屋根改修事業も行います。
 次に、市内各所に点在している歴史民俗文化資料等の整備を行い、保存・伝承への基盤整備を図るとともに、国府小学校屋内運動場改築工事における埋蔵文化財発掘調査の報告書を今後の研究や郷土の歴史を理解するための資料として発刊します。なお、磯部支所の空きスペースを志摩市歴史民俗資料館として活用するため、実施設計書の作成を行います。
 文化面では、答礼人形『ミス三重』志摩地区実行委員会が実施する『人形大使 ミス三重と青い目の人形展』志摩地区展示会に対する支援を行い、『ミス三重』や『青い目の人形』達から「友情と平和」の大切さを再認識いただき、次世代にもその心をつなげていきます。
 人権教育の推進にあたっては、「志摩市人権教育基本方針」に基づき、人権感覚あふれる学校と人権が尊重される地域づくりをめざし、ふれあい人権フォーラム、人権講座、人権感覚あふれる学校づくり事業を引き続き実施し、鳥羽志摩実践交流会を文岡中学校区で実施します。また、人権教育担当の指導主事を配置し、子どもたちの学力保障と自尊感情の育成を基盤とした学校教育における人権教育を具体的かつ計画的に推進するとともに、社会教育における人権教育の充実を図ってまいります。
 教育集会所事業につきましては、人権教育の視点に立った事業を推進し、集会所を拠点として人権教育を広げてまいります。
 学校体育施設の利用につきましては、これまで無料で利用していただいておりましたが、受益者負担の原則の観点から有料化を実施し、効率的かつ有効な運用に努めます。
 また、各種のスポーツ大会、レクリエーション・イベントの開催やトップレベルの競技スポーツに親しむ機会の提供に努め、市民のだれもが生涯を通じて、スポーツ、レクリエーションに親しむとともに、地域での活動に参加することができる環境づくりに努めます。
 生涯スポーツにつきましては、多様化する市民のスポーツ需要に対応し、だれもがいつでも気軽に楽しめるスポーツ振興を図るための「第一次志摩市スポーツ振興計画」に基づき、計画全体の推進を図ってまいります。
 次に、平成22年度から2年間、中部ブロックB&G地域海洋センター連絡協議会及び三重県地域海洋センター・クラブ連絡協議会の事務局を担当することから、海洋センター・海洋クラブ等との連携・協力体制の強化を図ります。
 食育につきましては、安心安全でおいしい給食の提供を安定的に行うとともに、食育の観点から利用者が求めるサービスを提供できるよう、適正な学校給食センターの整備を行うための「基本構想」の策定及び具体的な導入機能、整備方法、施設の規模などを調査、検討し、志摩市の新学校給食センターの「基本計画」の策定をしてまいります。また、食物アレルギー等を持つ子どもたちについて、他の子どもたちと一緒に給食を食べることができるよう、学校給食における除去食・代替食などの適切な対応を推進していきます。
 続きまして、上下水道部門について申し上げます。
 上下水道は、市民生活や経済活動に必要不可欠なライフラインとして、その役割を担っていますが、事故災害や将来発生が予想される大規模地震等の自然災害に対しての備えが急務であります。
 市といたしましては、安心、安全、安定、持続を基本理念とし、施設全体を効率的に維持するため、将来的に安定した上下水道の運営をめざし、諸事業の実施に向けて取り組んでまいります。 また、合併以来各町不均一であった上下水道料金につきまして、平成22年度から全市の統一を行います。
 下水道事業につきましては、生活環境の改善や公衆衛生の向上に加えて、河川・海洋等の公共用水域の水質保全のために重要な施設となっています。現在7処理区において下水道施設の整備がなされ稼働しておりますが、施設の維持管理につきましては、引き続き安全で効率的・経済的な維持管理を行ってまいります。また、対象地区の未接続世帯に対して重点的、積極的な普及啓発を図り、接続率の向上に取り組んでまいります。
 磯部都市下水路整備事業につきましては、迫間・穴川地区(磯部駅周辺)の浸水防除のため、排水ポンプ施設等の新設(1基)及び老朽化した既設排水ポンプ施設の改築(2基)を行う施設整備事業により、平成22年度から平成24年度にかけて新設ポンプ場及び既設ポンプ場の機械電気工事に着手してまいります。
 次に水道事業ですが、現在人口の減少、少子高齢化、景気の低迷等により給水収益が減少しておりますが、志摩水道との一元化を進めることにより、浄水コストが受水費よりも低く見込めることや、水源から家庭の蛇口までの水質を一元的に管理できることから、平成23年4月1日の三重県企業庁からの志摩水道施設の譲渡・移管に向けて準備を進めてまいります。
 また、水道管路近代化推進事業として石綿セメント管の耐震管への更新を引き続き実施し、「水道事業基本計画及び水道ビジョン」による水道事業のあり方や将来計画について、優先順位や健全経営を考慮しながら計画・実施してまいります。
 続きまして、病院事業部門について申し上げます。
 全国各地で医師不足を訴える声は日増しに大きくなり、地域に必要な医師を確保していくことが急務となっています。政府は医師確保対策の拡充を図るとともに、誰もが地域で必要な医療を受けられ、地域の医療に従事する方々が働きがいのある医療現場を築いていけるよう新たな対策を進めています。
 しかしながら現状の地域医療の確保につきましては、今までにない厳しい状況を迎えており、なお一層の努力が求められております。日本各地において、公立病院の廃止、合併・統廃合、公設民営、独立行政法人化の実施等、公設での地域医療の確保が困難を極めております。
 このような状況の中、市においても病院統合、指定管理者制度の導入などを行い経営の合理化を進めてまいりましたが、依然として病院を取り巻く環境は厳しい状況に変わりありません。
 近年、地域医療の中での最も大きな課題として、勤務医師の過重労働があげられております。「地域医療の確保」について今まで以上に努力をする必要があると考え、第一に現在の常勤医師の病院離れ防止に努めてまいります。そのためには、常勤医師の確保ばかりでなく代務医師の確保が最も現実的な手法であることから、関連大学の医局を訪問し、連携を強固にする中で代務医師の派遣を要請してまいります。
 市民の皆様からは、志摩市民病院の運営に対する期待がますます高まっており、その期待に応えるべく先に申し上げたとおり医師、看護師等医療スタッフの確保・充実に努め、医療提供体制の強化を図るとともに経営の健全化をめざし、持続可能な病院運営に取り組んでまいります。
 以上、市政運営における基本方針と平成22年度予算案の大綱について申し述べさせていただきました。
 一昨年の9月に新庁舎が完成し1年余りが経過いたしました。
 本庁と支所との業務分担についても安定し、行政運営の効率化、市民の利便性の向上が図られたものと思います。今後はさらに施設の統廃合、事務事業の見直しを推進し財政の健全化を図りながら、これからの厳しい時代を生き抜くために最優先に考えなければならない施策、志摩市にとって最も必要なことは何であるかを長期的展望に立ちしっかりと見極め、その実現に邁進してまいります。
 今からちょうど20年前のことになりますが、私が当時理事長を務めておりました創設間もない志摩青年会議所の基本理念として「地域深学そして創造」のスローガンを掲げ、活動してまいりました。まず自分たちの地域をよく知り理解せずしては、活動の目的が定まらず持続的活性化が図れないことを示したものです。このテーマは地域の活性化はもとより問題解決の方法の一つとして、もう一度現在を分析しなおし過去をじっくり見つめなおすことで、現在の障害とその原因がはっきりと見え、そこから何をなすべきかの方向性を見出すことにつながることから、その後私の生き方、政治姿勢として定着することとなりました。
 私は今日もまちを歩き、志摩市の今日を捉えていきます。市民の皆様と同じ目線に立ち、小さな変化を見落とすことなく市民に優しく快い行政を心がけ、笑顔のあふれる志摩市を未来に残すため精進してまいります。
 どうか市民の皆様、そして議員の皆様方のさらなるご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、施政方針といたします。
                                   志摩市長 大口秀和

 平成21年施政方針
 平成20年施政方針