伊勢志摩国立公園 志摩市

施政方針

平成20年第1回志摩市議会定例会の開会にあたり、市政運営に関する基本的な考え方と主要な施策の方針について申し述べ、議員各位をはじめ、市民の皆さまにご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

平成20年度の地方財政計画によれば、極めて厳しい地方財政の現状を踏まえ、国の取り組みと歩調をあわせて、歳出全般にわたり見直しを行う事により計画的な抑制を図る一方、喫緊の課題である地方の再生に向け、地方の知恵と工夫を活かした産業振興や地域活性化、生活の安全安心の確保等の施策の推進に財源の重点的配分を図ることとしています。また、歳入面においては、地方税負担の公平適正化の推進と安定的な財政運営に必要な地方税、地方交付税などの一般財源の確保を図ることを基本とするとともに、引き続き生ずることとなった大幅な財源不足について、地方財政の運営上支障が生じないよう適切な補てん措置を講じることとし、地方交付税及び臨時財政対策債の増額、さらに別枠で地方再生対策費が計上される事になっています。
志摩市におきましては、厳しい財政状況と言わざるを得ませんが、行政改革大綱の趣旨にのっとり、市民の皆さまとの協働を図りながら、簡素で効率的な行政経営が展開できるまちづくりを目指して、行財政改革を推進してまいります。
以下、平成20年度財政状況及び当初予算の大綱とともに、主要な施策の概要について申し上げます。

はじめに、本市の財政状況及び平成20年度の当初予算について申し上げます。
基幹産業である漁業・観光産業のなかで、観光産業にやや回復が見られるものの、依然として景気回復は遅れている状況にあり、市税等の自主財源の増は見込めない状況です。さらに依存財源である地方交付税につきましては、合併特例債の元利償還に対する事業費補正が別枠で加算されると考えていたものが、枠内で算定されていることから増加を見込めない厳しい状況となっておりますが、一方先に述べました「地域再生対策費」のような救済措置も講じられています。また、合併による財政支援措置も平成25年度までの県の合併支援交付金と、平成26年度までの合併特例債のみとなりました。
平成20年度予算の編成に当たりましては、このような厳しい財政状況を踏まえ、昨年に引き続き枠配分方式による予算編成を行った結果、歳出では、経常経費のうち人件費・物件費・補助費等におきましては減額となりましたが、公債費や高齢者対策、医療費助成などの扶助費さらには特別会計や企業会計、広域連合等への繰出金は増加しています。また、投資的経費につきましては、浜島町小学校建設事業等による増はありますが、庁舎建設事業等の減により全体では前年度と比べ減となりました。
その結果、一般会計における予算総額は232億5,951万3千円で、前年度当初予算と比較して6.2%の減となりました。当初予算における目的別分類は、お手元に配布しました予算書及び資料のとおりであります。一般会計に特別会計の140億3,785万6千円、企業会計の46億3,575万4千円を加えた志摩市全体の予算規模は、419億3,312万3千円となっています。
なお、合併協議会において協議され、新市において優先的に実施すべきとされていた事業について、平成20年度の着手を含めて全て着手、また完了いたしました。主な優先実施事業は、浜島町小学校建設事業、船越保育所建設事業、御座小学校改築工事、堂岡岩出線道路改良事業、御神田周辺整備事業などです。

それでは次に、平成20年度における主な施策の概要につきまして、各部門別に申し上げます。

はじめに、総務部門から申し上げます。
近年、能登半島地震、三重県中部を震源とする地震、新潟県中越沖地震をはじめ各地で自然災害が発生し、改めて自然災害の怖さを認識させられました。志摩市といたしましても、大規模地震や津波災害などの自然災害をはじめとする防災対策に努め災害に強いまちづくりを進めるとともに、被害を最小限に抑えるため消防力の強化を行います。また、安全・安心なまちをめざした防犯交通施策に取り組んでいきます。
三重県が公表いたしました「三重県地域防災計画被害想定結果報告」の中で防災意識が高い場合と低い場合では、人的被害に大きな差が生じています。
昨年度の総合防災訓練には市民の方々約9,700人の参加をいただき、皆さまの意識の高さをうかがうことができました。今年度も「地震・津波災害を想定した総合防災訓練」や「災害対策本部と各防災関係機関との連携を強化する災害対策本部運営図上訓練」などを実施していきます。
また、昨年度は地域の被害情報を迅速かつ的確に収集することを目的として志摩アマチュア無線防災支援ネットワークと情報伝達に関する協定を締結いたしました。今年度も各種協定の締結に努めます。
さらに、災害発生時の緊急情報伝達網の整備として防災行政無線施設整備に取り組みます。 消防につきましては、消防力の向上を目指し、志摩方面隊、阿児方面隊および浜島方面隊の小型動力ポンプ付積載車の更新を行ないます。また、火災や震災時には消防団の果たす役割が大きいことから、各方面隊に消防団無線を配備して、消防団の通信手段の確保、連携強化を図ります。
救急救命の整備としては、平成18年度より設置を進めておりますAED(自動体外式除細動器)の更なる配備を行ないます。また、高齢化の進む離島の救急救命を、志摩広域消防組合との連携を図りながら体制整備に努めます。
防犯交通安全対策につきましては、市内各所に交通安全施設を整備し、交通事故防止を図るとともに、志摩市交通安全会などによる街頭指導の実施により、市民の交通安全意識の向上や児童生徒への交通安全教育の徹底に努めます。また、志摩市防犯委員会を中心とした防犯パトロールによる犯罪の防止に努めるほか、特に、子供の見守りに十分気を配るため、各自主防犯団体との連携強化を図り、地域ぐるみでの自主防犯活動の推進を行っていきます。
また、防災、防犯面を始め、市民生活において各自治会の力はこれまで以上に重要になってきています。平成20年度には、新たに市民集会システムを立ち上げ、地域内分権を推進していきます。
広報広聴事業につきましては、市民の皆さまへの行政情報提供媒体としての広報紙、ケーブルテレビ行政放送、ホームページ等を有効活用し、内容を検討するなど、さらに親しみがあり、わかりやすい広報を目指して取り組んでまいります。
税務関係では、平成21年度の固定資産評価替えに向けて、旧町来の評価方法及び評価システムを見直し、固定資産評価管理システムを構築し、市全域に統一された評価を行うことにより、適正公正な課税に努めます。
税等の未収金につきましては、その要因の一つとも言われ近年大きな社会問題となっている「多重債務者問題」について、地域司法書士会との連携による相談窓口の整備を行ったところです。しかし、その他にも様々な要因が考えられることから、国税徴収法及び地方税法に基づく滞納事務に努め「税の公平性」を欠くこと無く、「自主財源の確保」に努めなければならないと考えています。
これらのことから、滞納者については、法に基づく財産調査の実施や捜索および差し押さえの強化に努めるとともに、差し押さえによる動産及び不動産の換価手段としてインターネット公売に着手します。

続きまして、企画部門における主な施策の概要について申し上げます。
新庁舎の建設につきましては、平成19年度・20年度の継続事業として平成19年6月に着工し、平成20年8月末の完成を目指し、現在工事を進めているところです。新庁舎への引越しにつきましては、住民サービスに直結する住民情報系システムなどの移設もあり、また旧庁舎でのサービスを継続しながらの移設となるため、ある程度の期間と慎重な作業が求められますが、新庁舎は市民サービスおよび行政運営や防災拠点となることから、完成後なるべく早期に引越しを行い、新庁舎での市民サービスに努めてまいりたいと考えています。
行政改革につきましては、行政改革大綱、行政改革実施計画および集中改革プランに基づき、財政的な観点も踏まえ積極的な行政改革に取り組んでまいります。新年度は、行政改革の一環として政策の評価や進行管理及び事務事業の適正化を図るため、行政評価システムを導入していきます。
組織・機構改革につきましては、8月末には新しい庁舎が完成することから、19年度から組織・機構改革プロジェクトチームを立ち上げ、検討を進めてきましたが、新庁舎が完成するまでは基本的に現行体制で、新庁舎が完成後新体制で臨みたいと考えています。
まちづくり基本条例の策定につきましては、平成19年度にまちづくり基本条例策定委員会において精力的に協議・検討を重ねてまいりましたが、平成20年度も継続し策定委員会において精査・調整し、平成20年度内早期に条例制定について提案をさせていただきたいと考えています。
また、平成19年度に開始した活性化プロジェクト事業は、プロジェクト間の交流連携も生まれるなど、成果を収めています。平成20年度においても、活性化プロジェクト事業により、市民自らが行う具体的な取り組みに対して補助金を交付し、支援していきます。 なお、平成19年度は、市民活動が早期にひとり立ちし、積極的に活動していただきたいという観点から、原則初年度のみの助成という形で実施しましたが、活動内容により2年目も助成する必要があるものにつきましては、平成20年度も引き続き助成を行っていきます。
平成20年度の新規事業として、あおさプロジェクト事業を立ち上げ、志摩市が全国の生産量の3割を占めるあおさのブランド化による漁業者への支援を行います。あおさ養殖による二酸化炭素の固定を通じて、環境保全にも貢献できるものと考えています。 また、「てこね寿司」のように地域に伝わる郷土料理を通した地域間交流と、志摩の食文化の情報発信を目的として郷土寿司交流事業を実施します。
設立して2年が経過しました志摩市応援倶楽部「志摩びとの会」につきましては、会員と志摩市民との交流を目的とするシンポジウムや、会員相互の自主的な交流活動を活性化していくため、会員自らが運営していく「エリア別支部づくり」についての検討を行い、活動内容の充実を図ります。
行政への市民参画、また、NPOやボランティア団体との協働を推進していくことを目的とした志摩市市民活動センターを設置するための補助金や三重大学との相互友好協力協定に基づき、志摩地域に密着したテーマで毎年好評をいただいています文化フォーラムの開催、大王健康管理センター10周年記念のNHKテレビの公開録画、毎年参加者が増加し地域イベントとして定着しました志摩ロードパーティへの支援、国際交流協会への補助など市民の皆さまと一体となった多様な交流推進事業を展開し、地域の活性化に努めてまいります。
男女共同参画の推進につきましては、広く市民の皆さまにご理解いただくための研修会や啓発活動を行っていきます。また、企業や市民を対象としたPR活動や学校への働きかけも行っていきます。
市の公共交通体系につきましては、市民の生活に不可欠な交通手段を維持確保するため、市として志島循環バス、磯部市民バスおよび浜島港線の運行委託、御座線における畔名・名田地区への乗り入れ助成、磯部的矢線を維持するための継続補助を行います。また、平成19年度に市内のバス路線を構築する上で必要となる志摩市地域公共交通会議を設置し、磯部地域の交通不便地区に必要な交通体系を協議し、平成20年度は、その解消と既存路線の志摩市民バスや磯部的矢線を含み、磯部地域すべてのバス運行について見直した公共交通体制の構築を予定しています。

続きまして、健康福祉部門における主な施策の概要について申し上げます。
国の社会福祉政策の方向は、措置から契約へと個々のニーズに沿った福祉サービスを提供するよう大きく転換され、介護保険法、障害者自立支援法、そして医療保険制度においては、高齢者や障がい者等ができる限り住み慣れた地域や家庭で生活を送れること、すなわち「地域生活への移行」がキーワードとなっています。
そうしたことから、志摩市においても高齢者や障がい者等のみなさんが安全・安心に暮らせるようなまちづくりが今まさに求められており、制度のみでは対応できない課題に対し弾力的に対応できる地域の構築が必要です。
市民同士の助けあいや、行政と市民の協働、福祉・医療・保健等の関係機関のネットワークなどが必要であり、そのための推進方法を市民との協働によって定めた志摩市地域福祉計画(志摩・ふくし夢まちづくり)に基づき、平成19年度から計画の実践段階に入りました。
市民との協働、例えば、多くの市民のご参加を得ました「しま市民活動フェスタ」では、事業実施に向けての準備段階から市民委員会である「志摩・ふくし夢まちづくり委員会」の皆さまに参画いただきました。また地域活性化プロジェクト事業、あるいは中学・高校生向けホームヘルパー養成研修等々、そして自治会連合会等、地域への計画の周知と意見交換を進めてまいりました。
平成20年度は、計画実践の2年目ということで、引き続き周知・実践活動はもちろんのこと、よりよい行政サービスのために、さらに健康福祉部の機構改革を進め、より積極的に地域福祉を推進する地域福祉型行政への移行を目指します。
ご承知のとおり、平成18年度には、地域福祉計画実践の前倒しということで、志摩市の地域包括ケアの拠点として「ふくし総合支援センター」を福祉事務所に設置いたしました。ここでは、高齢者、障がい者、児童、生活困窮者などの各種分野にとらわれることなく、「いつでも、何でも」という形で、相談を受けるとともに適切な支援を行うための体制づくりをおこないました。
今後も、ふくし総合支援センターを核としながら、それぞれの地域において身近な相談支援の窓口としての機能をさらに充実させ、全市的な総合相談支援システムの構築を進めてまいります。
また、引き続き地域福祉推進の担い手となる人材を育成し、大人も子どもも学びあうことで、地域の福祉力を高めていきます。そして、自治会をはじめとして地域住民・事業者・行政等が協働して、身近な地域で見守りや支えあいの仕組みを充実させ、誰もが安心して暮らしていける志摩市を目指した取り組みを展開していきます。 
次に、母子福祉事業については、母子家庭の母の自立支援を図るため、指定教育訓練講座の受講や資格取得のために養成機関等で受講する場合に、給付金や訓練促進費を支給する「自立支援教育訓練給付金事業」を行うほか、保護施設等の退所後の子どもや女性等の自立支援を図る観点から、就職やアパート等を賃借する際の身元保証人対策として「身元保証人確保対策事業」を実施します。
子育て支援策としては、子育て機能の低下が問題となっている中で、育児支援が必要でありながら積極的に自ら支援を求めていくことが困難な状況にある家庭等に対して、ヘルパー等を派遣し、育児や家事の援助、または育児に関する相談支援を行う「育児支援家庭訪問事業」を実施します。また、子育て支援の施策や目標を定めた「志摩市次世代育成支援行動計画」については、平成21年度の見直しに向け、住民のニーズ調査を実施します。 保育所における子育て支援としては、11時間を超える延長保育について、既に実施している、ひまわり・立神・和具保育所のほか、浜島・下之郷保育所の2か所を加え計5か所で実施します。また、通所児童が急に病気等になった場合に対応する「病児保育事業」を業務委託により実施いたします。施設整備につきましては、和具保育所の緊急避難先である志摩分庁舎について、保育所としての機能充実と児童の安全性を図るため「和具保育所整備事業」を行います。
また、平成19年度に構造改革特別区域の認可を得ました「公立保育所における給食の外部搬入方式の容認事業」に基づき、御座・越賀・浜島保育所の給食を学校給食センターからの外部搬入とします。
次に、高齢者福祉についてですが、生きがい活動支援通所事業をはじめ、高齢者の生きがい対策と在宅福祉サービスのための各種事業を推進します。
皆様もすでにご承知のとおり、平成20年度に国民健康保険をはじめとする医療制度が大きな変化を迎えます。
後期高齢者医療制度につきましては、いよいよ4月からスタートすることになります。これまで三重県後期高齢者医療広域連合が中心となって準備を進めてきており、広報や住民説明会などで制度の周知を図ってまいりました。高齢者の方々には、独立した保険制度として新たな保険料負担をいただくことになるわけですが、暫定措置等の複雑な部分も多くあることから、引き続き制度の趣旨をご理解いただくよう努力してまいります。
また、国民健康保険関係では、メタボリックシンドロームに着目した特定健康診査・特定保健指導を行います。現在40歳以上の日本人男性の2分の1、女性の5分の1がメタボリックシンドロームの該当者といわれており、このことが糖尿病や高血圧症、高脂血症などの生活習慣病を引き起こし、医療費高騰の大きな要因になっています。医療費がこのまま伸び続けますと、保険税負担が益々増え続けることになり、医療保険制度そのものの維持が困難になってまいります。今年度「志摩市国民健康保険特定健診等実施計画」を策定し、国の参酌標準に基づき、5年後の平成24年度に特定健康診査の受診率が65%、特定保健指導の実施率が45%、メタボリックシンドロームの減少率が10%以上となるよう目標値を定めました。平成20年度からは、実施計画に沿って目標達成を目指して事業を進め、医療費の抑制に努めてまいりたいと考えています。
介護保険事業につきましては、平成20年度は平成17年度に策定しました介護保険事業計画及び高齢者保健福祉計画を見直し、平成21年度から平成23年度までの3年間の第4期計画を策定することになります。見直しにあたっては、介護保険事業における保険給付の円滑な実施が確保されるように、国の定めた基本方針に沿って、住民の皆さまの声を反映しつつ、策定を進めてまいります。
また、地域支援事業における介護予防事業につきましては、平成19年度に自治会からの推薦をいただき地域の介護予防リーダーとして養成をしました「お達者サポーター」を引き続き養成することにより更なる充実を図るとともに、地域における支援体制についても整備を行ってまいります。また、生活機能評価を特定健診と同時実施することにより受診率の向上をめざし、特定高齢者の更なる把握に努めるとともに、その結果を踏まえ運動器や口腔機能の向上、低栄養の防止などを目的とした各種事業への参加を呼びかけ介護予防の推進を図ってまいります。
施設整備につきましては、平成17年度から準備を進めておりました介護老人保健施設「志摩の里」が昨年8月末に完成し、本年4月から前島診療所と合わせて社団法人地域医療振興協会が運営を開始します。同協会は、自治医科大学の卒業生を中心に、昭和61年に設立された協会です。医学生の研修活動の支援や、医療情報の提供、地域保健医療の調査研究、医師の斡旋など、地域医療の振興に大きく寄与しており、自治体からの委託等による医療施設の管理運営において実績があります。「志摩の里」は三重県で初めて公設民営で運営される介護老人保健施設となります。
また、地域密着型サービスにおきましても、4月から5事業所が開設されます。志摩市の医療の確保と地域住民の福祉の増進を図り、安定的な保健・医療・福祉サービスの充実に努めてまいります。
最後に、健康づくりの推進についてですが、1946年、ニューヨークにおける世界会議で採択されたWHO憲章において、健康とは、「身体的、精神的、社会的に完全に安寧を保っている状態であり、単に病気や虚弱でないことを意味するものではない。」と定義されており、この「健康」の概念は、現在も世界共通のものとなっています。 また健康づくりとは、1986年のWHO《ヘルスプロモーションに関するオタワ憲章》で、「ヘルスプロモーションとは、人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセスである。」と定義されており、「健康づくり」は、この「ヘルスプロモーション」に対応するものです。
そこで、志摩市においても本格的な少子・高齢社会を健康で活力あるものとし、医療費等の社会保障負担を適正な水準に保っていくために、発病してからの早期発見や治療ではなく、発病以前の対策に力を注ぐ予防や適切な生活の質の維持をめざした施策に取り組んでいきます。
平成20年度からは、子どもから高齢者まですべての市民が、生涯を通じた健康づくりと健康寿命の延伸をめざし、「健康づくり」に主体的に取り組めるよう、志摩市健康増進計画「健康志摩21」の実践事業を展開していきます。
具体的には、計画の基本理念である「人が元気、まちが元気。いつまでも健やかで、元気に暮らせるまち」の実現に向けて、「栄養・食生活」「身体活動・運動」「こころの健康」「歯とお口の健康」「たばこ」「健診」の6分野にわたり、市民をはじめ、医療機関、行政等が一体となって事業推進に取り組むこととしています。

続きまして生活環境部門について申し上げます。窓口サービスの向上として、10月1日より市民課窓口において旅券コーナーを開設します。志摩市で旅券の申請、交付等の取扱いをすることにより、津市や伊勢市まで出向くことなく近くで手続きが出来るため、住民サービスに大きく貢献できるものと考えています。21世紀は「人権の世紀」といわれ数年が経過しましたが、今なお私たちを取り巻く社会環境は、核家族化等により人と人とのつながりが希薄化し、心身が傷ついたり尊い命がいとも簡単に奪われたりする事象が起こっています。人権は、人間の尊厳に基づいて各人が持っている固有の権利であり、社会を構成しているすべての人々が幸せに暮らせる権利であるといえます。
本市におきましても、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律に基づき策定した「志摩市人権施策基本方針」にのっとり、各種関係団体から組織されている人権啓発推進ネットワーク協議会との協働・連携のもと、人権講演会等の啓発事業を実施し、市民一人ひとりの参加と理解を得ながら「人権のまちづくり」に努めていきたいと考えています。
環境面におきましては、今年は7月に洞爺湖で主要国首脳会議が開催されます。そのメインテーマの1つが環境問題、地球温暖化対策といわれています。
本市でも、広く環境問題に対し、行政と市民が問題意識を共有し、協働で問題に取り組むために、「英虞湾自然再生協議会」を設立し、英虞湾の自然再生に向けて取り組んでまいります。
温暖化防止のためのCO2排出削減のための取り組みにつきましては、庁内全ての部門において、より一層省エネに努め、庁舎、施設への太陽光発電などの新エネルギーの導入や、公用車へは低燃費車の導入などを積極的に検討し、CO2を排出しない組織づくりに努めます。
また、今年度も家庭及び地域住民の環境・エネルギー・意識の向上と実行対策として、家庭用新エネルギー(住宅用太陽光発電設備等)の設置者に補助をしてまいります。 水質環境におきましては、河川や閉鎖性海域である英虞湾、的矢湾の水質を守って行くため、本年度も引続き河川・海域の水質検査を実施し、英虞湾・的矢湾・外洋へ流れ込む水質の改善策として、昨年に引続き家庭でできる生活排水対策について啓発を行います。 合併浄化槽設置者に対しては、年間220基の予定で補助を行うとともに、設置者への維持管理の重要性を認識していただくための啓発活動にも努めてまいります。
また本年度は、新たに、合併浄化槽の面的整備推進として浄化槽PFI事業導入可能性調査及び浄化槽現地調査を行います。
循環型社会を形成する上で、行政・住民・事業者の役割分担を明確にし、各種リサイクル法の取り組み、3R運動、集団回収や買い物袋(マイバッグ)持参運動の推進をし、また、生ごみ処理機等を活用して、家庭内での堆肥化等に努めるとともに事業系ごみの減量化、レジ袋の削減や過剰包装の自粛など、ごみの減量化に対し、積極的な取り組みをしていきます。
各清掃センターについては、分別方法の統一とごみ処理経費の効率化を図るため、既存施設の適正管理や、施設の統合に努めていきます。
火葬場につきましては、地域住民の理解を得ながら、人生の終焉の場に相応しい施設を目指し早期実現に努めてまいります。

続きまして、産業振興部門について申し上げます。
農林関係におきましては、地産地消や食の安全安心の推進、農家の高齢化や後継者不足により増加している荒廃農地対策、農業生産者の育成など、三重県農業改良普及センターや鳥羽志摩農協と連携して農業農村の活性化事業を引き続き行ってまいります。
主な事業内容としましては、志摩の地域ブランドであります「きんこ」の原料を増産するため、隼人芋のウイルスフリー苗生産を行うとともに、団塊の世代を対象とした「農業を始めませんか」事業による新規生産者の育成、また、鳥羽志摩農協を事業主体に教育委員会と連携したアグリスクールを開設し地元食材を利用した地産地消産地化推進事業を行い、「農業生産者団体育成補助事業」では、生産者団体の自主的な活動による農業の活性化を図るため引き続き支援してまいります。
「獣害対策事業」では、イノシシ等による農産物への被害対策として、電気柵に対する助成を行うとともに、鳥羽志摩農業協議会では、獣害対策現地研修会を開催します。
平成19年度から南張地区で実施しています、営農組合と地区会が協働で農地や農業用水等の環境保全活動を行う「農地・水・環境保全向上対策事業」につきましても、5年間の予定で実施していきます。
県営事業につきましては、中山間地域総合整備事業により船越集落道路、大王排水路、南張集落排水路等の工事を引き続き推進していきます。
林業振興事業として、松くい虫防除事業により主要な松林の保全や、森林環境創造事業、常設造林事業等により森林の保全に努め、緑化事業では、引き続き近鉄沿線の水田を活用したコスモス等の植栽を実施し、花のまちづくりを推進してまいります。
次に水産関係でございますが、志摩市は豊かな水産資源と優れた漁場環境に 恵まれ、沿岸を中心とした漁業と内湾域での真珠、かき、青さなどの養殖業が盛んにおこなわれ基幹産業として栄えてきましたが、近年、沿岸域においては磯焼けなどによる漁場環境の悪化が、また内湾域においては有機物の堆積による貧酸素・赤潮の発生といった水質の悪化が顕著となり、真珠の生産性や品質の低下が特に深刻な状況となっています。さらに燃油の高騰、資材費等の経費の増大など様々な問題が顕在化し、近年の漁業経営は大変厳しい状態となっています。
このような状況下で持続的な水産業の経営を実現するため、今後も漁業協同組合や漁業者とともに継続した種苗の放流事業を実施し、水産資源の適切な管理によって安定した漁獲量を維持し、商業、観光業との連携を図った地産地消の推進、更には「真珠」、「あのりふぐ」といったように地域の生産物をブランド化することにより付加価値を高め、価格の向上を図り、競争力のある経営体づくりにむけた取り組みをおこないます。
また、深刻な問題である後継者不足については、漁業者をめざす若者の受け入れや海外からの漁業研修生の受け入れ事業を継続し、担い手育成の支援に努めます。
漁場整備につきましては、沿岸域への投石事業や内湾域におけるヘドロ等の浚渫の推進、底質改良剤の散布、更には地域結集型共同研究事業により得た研究結果を基に自然再生協議会と協働で英虞湾の再生に向けた取り組みを行い、漁場環境の改善、生産性の向上を図っていきます。
漁港関係事業ですが、市内4か所にある県営漁港のうち、安乗漁港につきましては、広域漁港整備事業において浮桟橋等、漁港施設の安全整備をすることにより、漁業者の労働負担や危険性が軽減される等労働環境の改善を図る施設整備を推進するとともに、漁船の係留時に支障をきたす港内の浚渫事業を行い安全な港づくりをおこないます。
和具漁港につきましては、近年地元鰹船をはじめ県外からの大型漁船の利用が多くなってきています。志摩の国漁協による外来船誘致事業の成果により、今年に入ってからも宮崎県や高知県からの船が入港し大量の水揚げがされています。今後も外来船の入港を促し、航行の安全を確保するために湾口に設置されている消波ブロックの移動をおこない、より入港を容易にすることにより、利用漁船の増加を図っていくとともに、荒天時でも安心して係留できるよう一部堤防高の低い箇所の嵩上げ工事を計画しています。
また、他の県営漁港につきましてもそれぞれ要望に応じて県単事業で対応してまいります。
 市営漁港事業でありますが、名田漁港海岸が長年の波浪の影響により天然護岸の侵食が著しく、背後集落に影響を及ぼしかねない状態から平成19年度海岸保全施設整備事業として国に採択されましたが、基本設計・測量等も終えましたので、平成20年度から本工事に着手してまいります。
商工関係におきましては、志摩市商工会等と連携を密にしながら、雇用の促進、地域の特性を生かした特産品宣伝事業・空き店舗対策事業等の展開、中小企業の安定と振興を図るように努めます。具体的には、商工会の経営安定のための商工会運営費補助金、地域活性化に資する各種事業に対する事業費補助金、地域において起業を志す方への支援の一環として新起業家支援事業補助金等を予算計上し、地域の商工業の振興を図ります。
消費者行政としましては、全国的に多発しています悪質商法による被害防止のため、消費者啓発事業として、市内各地区(町単位)で研修会を開催するとともにリーフレットを全戸配布し、被害防止に努めてまいります。
観光関係におきましては、志摩市総合計画に掲げる「住んでよし、訪れてよし」の基本理念に基づき、観光協会や観光関係団体との連携を密にしながら、引き続き滞在型の観光地域づくりを目指して、自然体験やスポーツコンベンションを通して集客に重点を置いた施策を展開してまいりたいと考えています。
具体的には、志摩自然学校などの観光施設を活用した体験メニューの充実をはじめ、市内ウォーキングコースの設定等、更なるエコツーリズムの推進を図ってまいります。また、広域連携事業である「伊勢志摩キャンペーン」や「学生団体等の誘客キャラバン」への積極的な参加により市の観光振興に高い相乗効果が期待できるようなPRに努め、質の高いおもてなしを目指して取り組んでまいります。
平成20年度には、英虞湾をフィールドとした体験メニューの開発や、船舶を活用した二次交通の整備等を目的として「英虞湾自然体験観光推進会議」を立ち上げ、県および民間企業にも参加いただきながら、自然学校やともやま公園、海ほおずきと連携を図りながら、学生団体等の誘客増大に努めるとともに、「安心・安全 志摩の海(海水浴場)」を活用し、ビーチバレー等のビーチ文化の普及推進を図ってまいります。
パークゴルフ場においてはコースの増設をはかり、団体利用や各種コンペ等の開催誘致をはじめ、国際パークゴルフ協会公認コースとして全国にアピールしていきたいと考えています。
次に、スポーツコンベンション事業として、平成20年度におきましても「志摩ロードパーティハーフマラソン2008」、「第14回全国シニアソフトボール古希大会」や「ミズノクラシック~伊勢志摩~」の大型集客イベントの開催誘致が決定しています。昨年のミズノクラシックでは、上田桃子選手がアルバトロスという偉業を達成して優勝しました。その耳に真珠のイアリングが光っていたことから、全国的に真珠のPRをすることができ、ゴルフ客の増加と、志摩市のPR、地域のイメージの向上につながりました。これらのイベントは大きな経済波及効果が期待できるものと考えられることから、市民の皆さんのご理解とご協力を得ながら全庁体制で支援していきます。
また、観光資源である、三重ブランド認定を受けた真珠の需要拡大に繋がるPRや、伊勢えび・的矢かき・あわび・あのりふぐの賞味拡大、志摩ならではのメニューの確立を図り、観光客への質の高いおもてなしと心優しい親切なまちづくりを目指してまいります。 さらに、新たな取り組みとして、「志摩の観光プロデュース業務」を民間企業等に委託し、地域の観光を総合的にプロデュースする機能の「観光プロデューサー」を配置します。専門的な知識とノウハウを身に付けた地域観光振興のプロフェッショナルが当地に密着して観光振興に関する課題や問題点を探り、地域全体での観光まちづくりを目指すとともに、地域の観光資源の特性や受け入れ体制に合わせたプランの立案、遂行、商品化等も視野に入れて誘客の増加を図ります。

続きまして建設部門について申し上げます。
まず、道路新設改良事業につきましては、国道167号バイパス阿児工区と県立志摩病院とを結ぶアクセス道路として、堂岡岩出線道路改良工事の継続工事を行い、早期完成に努めてまいります。また、広域し尿処理場線道路改良工事や主要幹線市道舗装工事をはじめ市民生活の根幹を担っている生活道路の整備に努めてまいります。さらに、道路維持事業につきましても、主要幹線道路の除草業務や道路補修、道路維持工事により安全で安心な快適な道づくりに努めてまいります。
広域幹線道路の整備につきましては、伊勢志摩連絡道路(第2伊勢道路)、国道167号(鵜方磯部バイパス)、県道浜島阿児線(浜島バイパス)の早期完成に向けて働きかけるとともに、地域間を結ぶ国道、県道の整備促進に努めます。
都市計画事業では、平成18年度から3年計画で策定を進めております、都市計画法に基づく都市計画に関する基本方針である「志摩市都市計画マスタープラン」につきまして、平成20年度で本市のまちづくりの将来像を考えた総合的な指針を策定していきます。また、平成19年度から2年計画で進めています、市の緑地保全及び緑化の推進に関する基本計画である「志摩市緑の基本計画」につきましても平成20年度で策定をしていきます。 都市再生整備事業としましては、まちづくり交付金事業により、志摩町和具地区の美珠通り周辺の住環境の改善と災害に強い防災のまちづくりを目指し、平成17年度から平成21年度までの5年計画で取り組んでおり、平成20年度におきましても継続して事業を実施していきます。
公園事業では、都市公園内の樹木等の維持管理を行い、公共空間の景観及び緑地の保全に努めて、公園利用者に利便性と快適さを提供するとともに、都市公園内の各遊具の保守点検を実施し安全性の確保も行っていきます。
市営住宅につきましては、住宅の維持修繕等の住環境の保全に努め、総合的な住宅の管理を行うとともに住宅行政を適正に進めてまいります。
地籍調査事業では、土地の保全管理や土地行政の円滑化のため、国土調査法に基づき、阿児町立神地区・浜島町塩屋地区の現地調査及び準備調査等を実施していきます。なお、地籍調査の成果は、土地に関する基礎的情報として重要であり、今後も長期的展望のもと計画的に進めてまいります。
また、地震に強いまちづくりを推進するため、市内の木造住宅の耐震診断100棟と耐震補強13棟に対して支援を行い、平成27年度までに住宅の耐震化率90%達成を目標に努めてまいります。

続きまして、教育部門について申し上げます。
本市の教育のあるべき姿を指し示す「志摩市教育振興ビジョン」に基づき、次の事業を推進していきます。
まず、教育環境整備についてですが、平成17年度から用地造成工事等整備してきました浜島町小学校の建設につきまして、本年度から2か年継続事業として取り組んでまいります。
また併せて、児童・生徒を地震災害から守り、安全・安心な学校環境を整備するため、「第3次地震防災緊急五箇年計画」に基づき平成20年度は小学校3校、中学校2校の耐震補強計画の策定及び、幼稚園1園の耐力度調査を実施し、学校施設等の安全対策を講じていきます。
次に、昨年度設置した「幼保等のあり方検討会」並びに「学校再編検討委員会」につきましては、市民の意見などを参考に議論の集約を行い、学校などの適正な将来像についてお示しすることができるよう取り組んでまいりたいと考えています。
教材関係では、平成20年度完成を目指して引き続き小学校社会科副読本の作成事業に取り組んでいきます。
特別支援教育関係では、障がいのある幼児児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育・支援を向上させるため、介助員・学習支援教員の配置及び、教職員研修の充実を図っていきます。
情報教育関係につきましては、今年度、新たに教師用の情報基盤整備を行ない、学校間ネットワークシステムの活用をさらに推進させるとともに、教師等を対象とした情報教育研修会等を開催することにより情報教育の向上を図っていきます。 研修分野におきましては、教科の基礎的・基本的な知識や技能を定着させるため、授業研究校(小学校2校・中学校1校)を指定し、教師の教科における授業力の基礎・基本からの見直しを図ってまいります。
子どもたちの安全・安心対策として、県事業による小学校スクールガードリーダーの配置に加え、市単独での学校安全相談員を引き続き配置し、学校等の巡回や安全相談業務の拡充を図ってまいります。
社会教育については、心身ともに健やかな子どもを育てるうえで家庭での学習を成人教育の一環と考えて、学習の援助、促進に努めるとともに、高齢化社会に対応した成人、高齢者の学習活動や男女共同参画社会を形成するため積極的に学習活動に取り組んでいきます。 また、行政運営の効率化や自立促進を図るため、各種団体ならびに各種委員会の運営体制等についても見直しを行い指導等に努めていきます。
人権教育の推進にあたっては、志摩市人権教育基本方針に基づいた事業として、「人権感覚あふれる学校づくり事業」と「人権尊重の地域づくり事業」を昨年度に引き続いて実施し、学校教育及び社会教育両面での人権教育を積極的に展開していきます。 次に平成17年度より着工しています御神田周辺整備事業は平成19年度までに御料田の移設ならびに多目的広場が整備され、新たな御料田での祭事が盛大に執り行われました。本事業は平成20年度に御神田周辺道路(参道)の舗装整備を行い、事業は完了することになります。
今後は新たな施設を中心に、歴史的遺産・文化財などを活用した地域づくりを推進していきます。
生涯スポーツにつきましては、市民の皆さま誰もが、気軽に、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しんでいただけるようスポーツ振興計画を作成し、スポーツ活動を通じて生涯にわたり、健康づくり、体力づくり、交流の場づくりとして活動していくことを期待しています。
昨年に引き続き、「志摩ロードパーティハーフマラソン」、「ミズノクラシック」などの大会が開催されるほかVリーグ岡山シーガルズによる「バレーボール教室」、平成21年に三重県で開催される世界新体操選手権の普及啓発に向けた「新体操教室」などの教室も予定されております。又、2月には東海四県体育指導委員研究大会の分科会会場として県内外より約2,000人の体育指導委員の皆さまが本市を訪れます。
トップレベルの競技者が参加するスポーツイベントは市民に「みる」スポーツの楽しさと「支える」スポーツの楽しさや充実感を得る場を提供しスポーツ人口の拡大につながります。
「体育協会」、「スポーツ少年団」、「地域スポーツクラブ」などの各種団体と連携を図り、市民向けのスポーツ、レクリエーションイベントを開催し「自ら行う」スポーツの場を提供していきます。
食育につきましては、学校給食を通じ、児童生徒が生涯を通じて健康に過ごすための望ましい食生活のあり方を、地域の特性を生かしながら学校、家庭、地域が食に関する知識や能力を身につけるための連携推進事業を実施していきます。また、地元の食材を利用した「ふるさと給食」を学期毎に実施し地域の皆さまとともに地産地消について学んでいきます。

続きまして、上下水道部門について申し上げます。
上下水道は、まちづくりの基本目標である良質な資源としての水を、安全な水道水として安定的に供給していくことを実現するために、「住んでよし」、「訪れてよし」に加えて「水もよし」とし、快適で衛生的な市民生活や経済活動に必要なライフラインとしての重要な役割を担っておりますが、近年の大地震等自然災害による危機感が高まる中、緊急時における施設維持、飲料水の確保等の備えが急務となってきています。
志摩市としましても、少子高齢化等の原因により給水収益の減少する傾向の中、整備拡張の時代を終え、水道施設や管路の更新が必要な維持管理の時代を迎えています。 安心、安全、安定、持続を基本理念とし、施設全体を効率的に維持するための、将来的に安定した上下水道の運営を目指し、諸事業の実施に向けて取り組んでまいりたいと考えています。
まず、磯部都市下水路整備事業につきましては、磯部迫間・穴川地区(磯部駅周辺)の浸水防除のため、配水ポンプ等の新設(1基)及び改築(2基)を行う施設整備事業で、平成20年度におきましては、平成19年度からの継続事業として実施する新設ポンプ場建築工事にあわせ、附帯する建屋の機械・電気工事を実施していきます。この事業は平成16年度から実施され、事業完成年度は平成23年度となっています。 次に下水道事業でございますが、公共用水域の水質保全を図るため、現在7処理区において下水道施設の整備がなされ、現在稼動中です。
平成20年度には、さらに効率的な運営と維持管理、排出汚泥の資源化と再利用を促進するとともに、対象地区の未接続世帯を中心に積極的な普及・啓発を図りながら、接続率の向上に取り組んでまいります。
次に水道事業でございますが、収益面におきましては人口の減少、景気回復の伸び悩み等により、給水収益が年々減少の傾向にあり、厳しい経営環境にありますが、収納事務等の業務面につきましては、平成19年9月からの「水道検針業務及び料金徴収等委託業務」の民間委託によりまして、検針業務の体制整備や未収金の回収業務を集中的に強化するとともに、新たな未収金の発生を防いでいきます。
平成20年度事業の主なものといたしましては、「緊急時給水拠点確保等事業」として渡鹿野島内に貯留施設を整備し、飲料水の確保を図ります。
 また、水道管路近代化推進事業として、石綿セメント管を耐震管へと更新していきます。事業等におきましては、平成19年度に策定されました「水道事業基本計画及び水道ビジョン」により、水道事業のあり方や将来計画について、優先順位や健全経営を考慮しながら、計画・実施していきます。

続きまして、病院事業部門について申し上げます。
自治体病院は、地域における基幹的な公的医療機関として、地域医療の確保のため重要な役割を果たしてきましたが、国の医療制度改革の影響を受け、多くの自治体病院において、経営状況が悪化するとともに、平成16年の新医師臨床研修制度の導入により、地域や診療科における医師の偏在が進み、医師不足による診療科目の縮小など、その経営環境や医療提供体制の維持が極めて困難な状況となっています。
志摩市においても例外ではなく、旧町時代にこのような状況となりましたが、合併後に当初からの懸案事項でありました2市立病院の統合について取り組み、志摩市立国民健康保険前島病院は、本年4月1日から志摩市立前島診療所として、地域医療振興協会が指定管理者として運営を開始します。
また、大王病院は、本年10月31日の完成を目指し、人工透析・リハビリ施設を含む医療型療養病床40床の増築工事に取り組んでいます。
 医療を取り巻く環境は、厳しいものがありますが、今後とも地域において、必要な医療を安定的かつ継続的に提供していくために、県立志摩病院、地元医師会及び地域医療振興協会とさらに連携を深めるとともに、医師・看護師等医療スタッフの充実に努め、医療提供体制を確立し、経営の効率化を図り、持続可能な病院運営を目指し取り組んでまいります。

以上、市政運営における基本方針と平成20年度予算案の大綱について申し述べさせていただきました。

結びにあたり、本年は本庁舎も完成し、第2ステージというべき市政運営の真価が幅広く求められてくるものと深く認識し、持続発展が可能なまちづくりを市民の皆さまとともにさらに取り組んでまいります。
17年度就任後初めて述べさせていただいた志摩への想いはいささかもかわらず、その思いを再度述べます。
志摩市がそのバトンを引き継いできた、志摩郡の歴史を紐解いて見ると多くの困難に立ち向かい先人が努力をし、今日のふるさと志摩があることを認識させられます。 敗戦直後の我が郷土は、食糧不足など村民生活は窮乏し、そのどん底から村の再建を目指して各種の運動が展開されました。磯部村では、昭和21年に青壮年の32人が発起人となって「磯部村新建設同志会」が結成され規約を定めて村内の官公署、団体、及び村民に広く参加を呼びかけました。「本会は会員の燃える愛郷心と逞しき実践力と強固なる団結とにより、生活の厚生、生産の開発増強、文化育成を図り、以って平和的理想的自治体の建設を期す」敗戦で目標を見失っていた村民の心を強く打ちました。
川崎市立日本民家園には大王町船越の旧舞台が移築されています。(重要有形民俗文化財安政4年1857)その舞台の鬼瓦や軒のいずれも「若」の字をあらわし、この舞台の建築、運営に「若者組」という組織が担当したそうです。明治の時代、波切の石工は北海道から九州まで進出し、最盛期には500人の石工が護岸工事や港の建設にあたりました。 浜島町南張では大正7年、当時4名の農業青年が新しい農業の途を求めて「園芸同志会」を結成しました。南張メロンの誕生です。
志摩町の石原円吉翁は、かつお節工場の設置など水産業は言うに及ばず、伊勢志摩国立公園の指定など八面六臂の活躍をし、今日までつながる地域の発展に大きな貢献をしました。 阿児町鵜方では大正8年、セイロン紅茶に対抗して、鵜方村協同製茶組合を175人の組合員で設立し、日の丸紅茶として名声を得ています。
そして今日、志摩びとによる多くのチャレンジが高い志をもって続けられています。 困難な状況は、とかく他人に責任を転嫁したり、愚痴をこぼしがちになります。過去と他人は変えられないけれど、自分と未来は変えることができます。志摩郡から志摩市へと私たちは自らの形を変えることを決意し、今、動き出しています。愚痴から自治へ。偉大な先人たちに習い、「志摩の力」を大いに発揮し、「志摩の地から」より良い未来を創造すべく頑張ろうではありませんか。市民と行政が互いにふるさとを想う気持ちを共有しつつ、英知を出し合い、協働していけば、必ず志摩の未来に明るい展望が開けてくると確信しております。つきましては、市民の皆さまのご理解、ご協力をお願い申し上げますとともに、議員の皆さま方にさらなるご協力とご賛同を賜りますよう切にお願いをし施政方針といたします。
 
 平成23年施政方針
 平成22年施政方針
 平成21年施政方針