伊勢志摩国立公園 志摩市

平成21年施政方針

 平成21年第1回志摩市議会定例会の開催にあたり、市政運営に関する基本的な考え方と主要な施策の方針について申し述べ、議員の皆様をはじめ、市民の皆様にご理解とご協力をお願いしたいと存じます。
 我が国の経済は、サブプライム住宅ローン問題に端を発した世界的な金融危機や、金融資本市場の変動、原油・原材料価格の高騰、生命保険会社の経営破綻など、厳しい状況におかれています。
 政府は「経済財政改革の基本方針2008」において日本経済の成長力を強化するとともに、豊かで安心できる国民生活を実現するための経済財政改革の道筋を示しました。
 その中で、国民本位の行財政改革として財政健全化に向け、安定した成長を図るとともに「基本方針2006」及び「基本方針2007」を堅持し、歳出・歳入一体改革を徹底して進め、中期的な財政健全化の目標を確実に達成するとしていますが、今後の動向により地方財政に与える影響は不透明で予断を許さない状況です。
 志摩市においても厳しい財政状況が続いておりますが、今こそ市民の理解と協力を得ながら『志摩市を再起動』するための、行財政改革に取り組んでまいります。
 以下、平成21年度財政状況及び当初予算の大綱とともに、主要な施策の概要について申し上げます。 平成21年度の国の地方財政の見込みについては、景気後退等に伴い地方税収や地方交付税の原資となる国税収入が急激に落ち込む中で、社会保障関係経費の自然増や公債費が高い水準で推移すること等により、財源不足が大幅に拡大するものと見込まれます。
 このため、国の地方財政対策としては、安定的な財政運営に必要な地方交付税及び一般財源の総額を確保することを基本として、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」等に沿って、国の歳出予算と歩調を合わせ、定員の純減・給与構造改革等による給与関係経費の抑制や地方単独事業費の抑制を図ることとしています。
 その一方で、極めて厳しい財政運営を強いられている地方の切実な声を踏まえた地方交付税の増額と、地方六団体の要望を踏まえた地方財政計画の歳入歳出の適切な積み上げに取り組むこととしています。
 さらに、未曾有の世界金融危機による経済情勢の悪化から国民の生活を守るため、「生活防衛のための緊急対策」を打ち出し、雇用創出等のため地方交付税を1兆円増額するとともに地方財政計画の歳出増額を図っております。
 このような国の政策が出される中、志摩市の財政状況は、基幹産業である水産業の長期の衰退や主力の観光産業が伸び悩み、市税の増収がいまひとつ見込まれない状況です。 市の予算編成においても従来、財政調整基金の繰り入れによって調整を行ってきましたが、財政調整基金残高の減少により財源確保が非常に厳しい状態であり、平成21年度当初予算の編成に当たりましては、原則として財政調整基金の繰り入れを行わない方針を打ち出し、より一層の歳出予算の削減に努め、予算編成を行いました。
  歳入予算における、主な増減としては市税で固定資産税の評価替えに伴う約2億9千万円の減、国の地方財政対策に基づく普通地方交付税1億円の増、財政調整基金繰入金約6億3千万円の減、繰越金5千万円の減、市債約3億円の減(内、主な増減として臨時財政対策債約4億円の増、防災行政無線設備事業費で合併特例債約2億2千万円の増、地域振興基金積立金の増に伴う合併特例債1億9,500万円の増、庁舎建設完成による合併特例債約10億1千万円の減)となります。
 歳出予算については、職員の定員適正化計画に基づく人件費の削減、補助金の見直しや旅費規程の見直しによる補助費、物件費の削減、支所機能の見直しによる経常経費の削減を行い、歳入予算に見合った予算編成を行いました。
 その結果、平成21年度の一般会計の当初予算における歳入歳出予算額は221億1,834万9千円となり、前年度対比では、11億4,116万4千円の減で前年度対比率は△4.9%となります。また、一般会計に特別会計の135億1,364万2千円、企業会計の47億7,194万1千円を加えた志摩市全体の予算規模は404億393万2千円となります。
 なお、国の二次補正にかかる地域活性化・生活対策臨時交付金事業については、20年度補正予算で追加上程し、繰越事業として事業実施を図るもので、総額は6億770万5千円であります。これから述べる施策概要の中で一部の事業について説明申し上げます。 それでは次に、平成21年度の主な施策について申し上げます。
 私は、『志摩市を再起動』するために重点的に取り組むべき施策としまして、次の7つの項目を掲げております。 「農林水産、商工、観光の振興と財政健全化」、 「子育て環境の充実」、 「質の高い防災の実現」、 「保健、福祉、医療の充実」、 「老後安心、子育て支援、青少年の育成」、 「介護の充実」、 「補助金の見直し」の7つでございます。
 これらの施策を実施することにより「市民一人ひとりが心豊かで安心できるまちづくり」、「稼げるまち、稼ぐお手伝いができるまち」を目指してまいります。
  まず、地場産業の振興や、地域経済の活性化に繋げるために、新鮮で安心安全な市内の農林水産物等を供給する朝市事業を展開してまいります。将来的には観光バス等も立ち寄れるような賑わいのある朝市を目指します。
 また、新たな特産品の開発や地場産業の育成を図るため、ブルーベリーの栽培促進事業や、地元産の牛乳、イチゴ、あおさ、梅などを原材料にしたアイスクリームの開発・販売促進事業を実施してまいります。
  観光面では、平成20年度に観光立国に向けた国の本格的な施策である観光圏整備法に基づく「観光圏整備事業」がスタートし、伊勢志摩地域が「観光圏」に認定されたことにより、地域が一体となった取り組みを進めています。観光圏事業の趣旨は、「国際競争力の高い魅力ある観光地の形成」による地域の活性化を狙ったものであり、その目的は、国内及び国外からの観光旅客の来訪・滞在を促進することによる地域経済の活性化、観光業と他業種の連携、官民の連携、地域間連携を促進した広域観光圏の形成、滞在促進に重点的に取り組む地区(滞在促進地区)の整備を含む総合的な取り組みにより、2泊3日以上の滞在型観光を目指すものです。
 志摩市では、平成21年度に「御食つ国・志摩」誘客推進・観光情報提供事業を展開してまいります。
 具体的には、志摩市の観光資源の複合的な利用促進、船や陸上交通等の移動の快適化、漁業・農業体験交流メニューの充実、観光案内・情報提供の充実、多様な宿泊の魅力向上、そぞろ歩きできる環境づくり等の地域の創意工夫を活かした取組みを推進していこうというものです。また、市の観光施設である自然学校やともやま公園、海ほおずきやパークゴルフ場、あるいは海女文化と連動した海女小屋等における体験プログラムやメニューの充実を図ってまいります。
 同時に効果的な情報発信の仕組みづくりや観光商品の販売流通システムの構築を図っていきます。また、広域連携事業である「伊勢志摩キャンペーン」や「伊勢志摩学生団体誘致委員会」への積極的な参加により、面としての活動を展開し、相乗効果の高い誘客事業の推進と質の高いおもてなしを目指して取り組んでまいります。
 また、志摩市を訪れていただいた多くの観光客の皆様に、心地よく滞在、安心してお過ごしいただくための観光拠点の整備を進めます。
 まず、鉄道をご利用の皆様には磯部・鵜方・賢島の各駅が志摩市の玄関口となります。
 鵜方駅前の整備につきましては、市民の皆様のご参加を得て検討をいただいておりますので、具体的な整備方針を考えてまいります。
 賢島につきましても平成15年から検討いただきマスタープランも策定されており、これらを参考にしながら、磯部駅前とともに駅前の活性化も含めて、取り組みを検討していきます。
 また観光拠点の整備につきましても、市民の皆様、お客様から多くの要望、意見、提案をいただいております。具体的な整備計画につきましては、検討会を設置して、市民の皆様からご意見をいただきながら検討してまいります。  
 また、行政改革を推進する中で、市が所有する未利用地等で売払い希望等のある物件を再整理し、土地の有効活用を検討してまいります。
 質の高い防災の実現をめざして、住民の防災意識の向上を図るため、三重県の津波浸水シミュレーションを基に、見直しをかけた避難所データを反映させたハザードマップを作成します。
 また住民の安心安全を確保するため、国府小学校避難経路設置及び甲賀地内避難地整備を行います。
 地域医療に関しましては、全国的な医師不足等の影響により、県立志摩病院の医療体制が変更され、市民の皆様の医療への不安、危機感が増大しています。
 この問題は、命に直結する問題であり、最重要課題として位置づけ、病院間の連携や病診連携を強化して、市民が安心できる地域医療体制の整備を図り、医師研究資金の貸与制度の創設や地元出身医師への協力要請、関連大学への働きかけなど、積極的に医師の確保に努めます。
 救急医療体制につきましても、関係機関との連携を密にしながら休日夜間応急診療所の運営を充実し、救急医療体制の再構築を図ります。
 さらに志摩市内の関係団体によって組織化されました「志摩地域医療を考える会」が推進する地域医療を守る活動を支援するなど、市民の皆様とともに地域全体でこの問題に取り組んで、地域医療再生に向け尽力いたします。
 浜島診療所につきましては、市民が安心して治療の受けられる診療体制を維持するとともに、老朽化した建物についても、安全な場所への改築(新築)移転も含めた素案づくりをしてまいります。
  7つの重点施策すべてを一度に着手することはかないませんが、この1年は、実現に向けての下地づくりの期間として、十分に事業内容等の精査を行ってまいりたいと考えております。
 それでは、その他の平成21年度における主な施策の概要につきまして、各部門別に申し上げます。
 はじめに、総務部門から申し上げます。 大規模地震や津波災害などの自然災害をはじめとする各種災害の防災対策に努め、災害に強いまちづくりを進めるとともに、被害を最小限に抑えるため消防力の強化を行います。
 また、安心・安全なまちをめざした防犯交通施策に取り組んでまいります。 地域の防災力向上のために、今年度も「地震・津波災害を想定した総合防災訓練」や「災害対策本部と各防災関係機関との連携による災害対策本部運営図上訓練」などを実施し、防災意識、知識の普及・啓発を図るとともに関係機関の連携強化に努めます。
 また、災害発生時の緊急情報伝達網の整備として、防災行政無線設備を平成20年度から3か年で整備をしております。昨年度は、設備の中枢となる親局と中継局を整備し、今年度からエリア別に屋外拡声子局を整備していきます。さらに、各種応急・復旧体制づくりのために今年度も各種協定の締結に努めます。
 消防につきましては、消防力の向上を図るため、阿児方面隊及び浜島方面隊の小型動力ポンプ付積載車の更新を行います。また、火災や震災時には消防団の果たす役割が大きいことから、平成20年度に整備した消防団用通信設備を活用した広域の消防団活動を目指します。救急救命整備として平成18年度より設置を進めておりますAED(自動体外式除細動器)の更なる配備を行うとともに、志摩広域消防組合と連携して救命講習を実施することで、市民の安心・安全対策を図ります。
 交通安全対策としましては、市内道路の危険個所に交通安全施設を整備し、交通事故防止を図るとともに、志摩市交通安全会を中心に街頭指導を実施するほか、各支部単位で交通安全啓発活動を実施し、市民の交通安全意識の向上や児童生徒の交通安全教育の徹底に努めます。また、防犯対策としましては住宅地や通学路に防犯灯を設置し、市民や児童生徒の安全に努めるほか、志摩市防犯委員会が中心となって、春休み、夏休み、冬休みの期間中に防犯パトロールを実施し、児童生徒の犯罪の防止に努めるほか、各自主防犯団体と連携強化を図りながら地域ぐるみでの自主防犯活動の推進を行っていきます。
 広報広聴事業につきましては、市民の皆様への行政情報提供媒体としての広報紙、ケーブルテレビ行政放送、ホームページ等を有効活用し、内容を検討するなど、さらに親しみがあり、わかりやすい広報を目指して取り組んでまいります。
 続きまして、企画部門における主な施策の概要について申し上げます。 平成18年3月に策定しました総合計画の前期基本計画が平成22年度までの5年間であるため、後期計画の策定に向け、平成21、22年度の2年間をかけて計画策定の基礎データの洗い出しや、市民アンケートを実施し、市民からなる総合計画審議会、ワークショップを開催しながら、後期基本計画の策定作業を進めます。
 行政改革につきましては、行政改革実施計画の計画期間が平成21年度で終了するため、平成22年度からの計画を新たに策定し、今後5年間の行政改革の指針とします。また、民間の委員からなる行政改革推進委員会、内部組織である行政改革推進本部及び専門部会、プロジェクト会議で、行政改革に向けての具体的な検討を行い、行政改革の推進を図ってまいります。
 平成20年度に制定しました「まちづくり基本条例」の運用状況を把握し、適切な運用が図られるよう、その周知や啓発を実施するため、まちづくり基本条例推進委員会を設置し、引き続き条例の運用状況の把握や見直しについて検討、協議を行い、条例の実効性を確保します。
 志摩市応援倶楽部「志摩びとの会」につきましては、平成21年度は近鉄沿線にある名古屋での交流会を開催するほか、平成20年度に引き続き、会報やメールマガジン、ホームページなどを活用した志摩市の情報発信や会員募集などを行い、会の充実を図ってまいります。
  行政への市民参画、NPO団体やボランティア団体との協働を推進していくために、平成21年度は市民活動センターに参画しているグループの活動を広報紙で紹介するほか、中間支援のための勉強会を開催し、組織強化を図るための補助や志摩市と三重大学との相互友好協力協定に基づく文化フォーラムの開催、志摩市合併5周年記念のNHKラジオの公開録音の実施、志摩ロードパーティへの支援、国際交流協会への補助など官民連携による多様な交流活動を展開し、地域の活性化に努めてまいります。
 男女共同参画の推進につきましては、三重県内男女共同参画センター3館と県内の5市が連携して、男女共同参画を考える映画祭を開催するほか、広く市民に男女共同参画社会の意識づくりを啓発する事業を行ってまいります。
 市の交通体系につきましては、市民の生活路線及び交通弱者の移動手段を維持確保するため、市として志島循環バスおよび浜島港線のバス運行委託、御座線における名田・畔名地区へのバス乗り入れ助成を実施しております。
 また、本年1月7日から試行運行を実施している磯部地域予約運行型バスについては利用状況等の検証と運行内容の見直し等の検討を行います。また、市内における生活交通に関して、地域の特性や実情に応じた交通体系の今後のあり方について調査し、計画策定を行います。
 情報部門では、平成16年10月合併時に統合された電算システムや、住民サービスに直結する住民情報システムの一部サーバの保守期限が切れることから、電算システムの正常稼動を維持するための更新作業を進めます。
 また、内部情報系システムの端末においても、耐用年数が経過し、状態の悪いものや機器性能が低いものについて入れ替えを行います。 セキュリティ対策では、年々増加する情報量によりサーバの空き容量がわずかとなっていることから、ファイルサーバの拡張を行います。また、セキュリティ対策の徹底を図る上からも、職員のセキュリティ研修を実施します。
 続きまして、市民部門における主な施策の概要について申し上げます。 税務関係では、平成21年度は固定資産評価替え年度でありますが、平成20年度に導入した固定資産評価管理システムを活用し、公正適正な課税に努めます。また、引き続き次回評価替えに向けてデジタル地番図の追加整備を行います。
 地方税電子化業務の推進については、公的年金の特別徴収を契機として、全国的、飛躍的に電子化が推進されたことにより、平成21年度においては各種申告書、法定調書の収受にエルタックスを導入し、納税者の利便性の向上と税務事務の効率化を図ります。 市税等の未収金につきましては、国税徴収法及び地方税法に基づく滞納整理に努め「税の公平性」を欠くこと無く、「自主財源の確保」に努めているところです。
 納税者のご協力と誠実な納税相談の実施をはじめ「ウッカリ忘れ」などの対応としての電話催告やインターネット公売の充実を図るとともに、法に基づく財産調査の実施や捜索及び差押の強化に引続き努めてまいります。
  戸籍住民基本台帳事務については、戸籍業務全てのシステムの円滑な運用を行い、住民サービスの向上を図るため、機器の更改を実施します。
 次に、福祉医療費助成事業として、乳幼児・一人親家庭等・障がい者に対して医療費助成を実施します。乳幼児については、子育てに対する経済的負担を軽減し、子育て環境を整備するため、就学前の乳幼児を対象に医療費助成を行います。一人親家庭等については、18歳年度末までの児童を扶養している一人親家庭の母又は父及びその児童と、父母のいない18歳年度末までの児童を対象に医療費助成を行います。障がい者については、身体障害者手帳3級以上保持者、療育手帳重度以上保持者、精神障害者手帳1級(通院のみ)保持者などの方々を対象に医療費助成を行い、医療を受けられる環境を整え、福祉の向上と健康の保持増進を図ります。
 次に、医療保険制度における取り組みについて申し上げます。 国民健康保険関係では、「志摩市国民健康保険特定健診等実施計画」に沿って、特定健康診査・特定保健指導を実施します。40歳以上の日本人男性の約50%、女性の約20%がメタボリック症候群の該当者と云われており、放置すれば、いわゆる生活習慣病を引き起こし、それが医療費増加の大きな要因になっています。このことから、糖尿病等に着目した特定健診、特定保健指導の実施が医療保険者に義務づけられました。受診していただいた結果、支援の必要な方々には運動習慣の定着や食生活改善の指導を行い、健康の維持と、発症リスクの低減を図ります。その他、食育推進事業、運動地区組織活動支援事業等の様々な保健事業を通じて、保健師や管理栄養士、医療機関、関係団体と連携をとりながら事業を推進し、医療費の抑制につなげてまいりたいと考えています。 高齢化の進展や生活様式の変化とともに、わが国の医療費は毎年増加の一途をたどっており、当市も例外ではございません。増大する医療費の抑制と高齢者の健康と医療のあり方が見直される中、老人保健制度が廃止され、独立した保険制度としての後期高齢者医療制度が平成20年4月にスタートしました。都道府県を単位とする後期高齢者医療広域連合が保険者となり、保険料の賦課や医療給付等の事務と財政運営を行い、市町村が保険料の徴収事務や窓口事務を行っておりますが、制度が開始された後、保険料負担の暫定措置等改正された部分も多くあることから、高齢者の方々には、広報等を通じて周知を図りながら、引き続き制度の趣旨をご理解いただくよう努力してまいります。
  続きまして、健康福祉部門における主な施策の概要について申し上げます。 住み慣れた地域で誰もが安心して暮らしていけるように、「共に生き共に支えあう社会」の実現に向けて事業の展開を行ってまいります。 市民同士の助け合いや行政と市民の協働・福祉・医療・保健等の関係機関のネットワークづくりのために市民の皆様と協働して定めた志摩市地域福祉計画に基づき、周知・実践に関する各種福祉事業を実施しています。
 平成20年度には、志摩市地域福祉推進条例及び同審議会規則が施行されました。この審議会は、地域福祉推進に関する重要事項や保健福祉に関する諸計画の策定・変更について調査審議し必要な提言をする総合的な付属機関として位置付けています。平成21年度においても引き続き周知・実践活動はもちろんのこと、積極的に地域福祉の推進に努めてまいります。
 高齢者・障がい者等の支援では、社会福祉に関する施策が、措置から契約へと個々のニーズにより選択・決定していく制度に転換されてきた中で、サービス利用者が飛躍的に増加するなど生活を支える制度として定着してきました。一方、急激な利用伸展に伴う費用の増加や地域間格差等の制度上の課題もあります。こうした課題の解決を図るとともに、サービスを充実させ一層の推進を図ることにより、高齢者や障がい者の皆様が住みなれた地域・家庭で安全で安心な生活が送れるようなまちづくりを目指し、各種の福祉サービス事業を進めてまいります。
 保護支援では、生活保護法に基づき要保護世帯が健康で文化的な生活水準を維持できるよう最低限度の生活を保障していくために、生活・教育・住宅・医療等の扶助を実施してまいります。景気の低迷により雇用環境が厳しく、失業率が高い水準で推移している中で、当市においても高齢者や傷病・障がい者等の新規相談が増加しています。生活保護制度を適正に実施するため、自立の阻害要因を的確に把握し個々のケースに応じた指導援助ができるよう適正運営の確保に努めてまいります。
 続きまして、母子福祉事業については、母子家庭の母の自立支援を図るため、指定教育訓練講座の受講や資格取得のために養成機関等で受講する場合に、給付金や訓練促進費を支給する「自立支援教育訓練給付金事業」を行うほか、保護施設等の退所後の子どもや女性等の自立支援を図る観点から、就職やアパート等を賃借する際の身元保証人対策として「身元保証人確保対策事業」を実施します。
 子育て支援策としては、子育て機能の低下が問題となっている中で、育児支援が必要でありながら積極的に自ら支援を求めていくことが困難な状況にある家庭等に対して、ヘルパー等を派遣し、育児や家事の援助、または育児に関する相談支援を行う「育児支援家庭訪問事業」を実施します。また、子育て支援の施策や目標を定めた「志摩市次世代育成支援行動計画」については、昨年実施した住民ニーズ調査を基に、計画書の見直しを実施します。 保育所における子育て支援としては、11時間を超える「延長保育」を、ひまわり・立神・和具・浜島・下之郷保育所の5か所で実施するほか、「0歳児保育」を、ひまわり保育所に続き、整備後の和具保育所においても実施します。また、児童が急に病気等になった場合に対応する「病児保育事業」は、昨年に引き続き業務委託により実施いたします。
 また、保育所給食については、平成19年度に構造改革特別区域の認可を得ました「公立保育所における給食の外部搬入方式の容認事業」に基づき、和具・御座・越賀・浜島保育所に加えて、片田保育所の給食を学校給食センターからの外部搬入とします。
 次に、虐待を受けている、又は受けているおそれのある要保護児童への支援につきましては、昨年度に引き続き、「志摩市子ども家庭支援ネットワーク」により、関係機関が情報や認識を共有し、的確な連携のもとで支援してまいります。  
  家庭児童相談支援業務につきましては、引き続き相談員を中心に、子どもの状況を的確に捉え、個々の子どもや家庭に適切な相談支援活動を行ってまいります。
 続きまして、介護保険事業につきましては、「みんなが支え合い、安心のあふれるまち」をテーマとし、明るく豊かで活力に満ち、誰もがいきいきと暮らすことができ、長寿を喜べる社会の実現に向けて、事業運営に努めています。市民、事業者、行政がそれぞれの役割を分担し、支え合いながら活動を行うことを基本として、すべての市民に「安心」を提供することを主な目標としています。 平成20年度に策定した、第4次介護保険事業計画及び高齢者健康福祉計画により、平成21年度から平成23年度までの3か年は上記計画に基づき各種事業を行い、特に今年度からは介護従事者の確保の観点から介護従事者報酬の見直しが行われたため、今後3年間の介護保険料の改定を行いました。
 また、地域支援事業としましては、介護を必要とする高齢者を地域全体で支え、自らの選択に基づき保健、医療、福祉との連携を十分考慮して、総合的なサービスを安心して受けられるよう、高齢者の自立支援と尊厳の保持を基本として、住み慣れた地域で暮らすことができる環境づくりを目指しています。 現在、地域密着型施設も順次整備されてきていますが、特に「介護予防」と「地域福祉」の向上に努め、今後とも増加する高齢者に対応すべく、介護予防により一層取り組むとともに介護サービスの量、質の確保を推進し、住み慣れた地域で高齢者が暮らし続けるための環境整備を進めてまいります。 具体的に介護予防事業につきましては、地域の介護予防における各種取組みを推進していくため、不可欠である地域との協働を重視し自治会からの推薦をいただき、介護予防リーダーとして養成してきた「お達者サポーター」を引き続き養成すると共に、地域における介護予防活動の支援体制の推進強化を図ってまいります。
 また、要支援・要介護状態に陥る可能性が高い特定高齢者を把握するため、生活機能評価の受診率向上をめざすとともに、特定高齢者の把握ルートの拡大を図ります。その結果を踏まえ運動器や口腔機能の向上、低栄養の防止及び閉じこもりやうつ予防にも積極的に取り組み、継続した支援体制の構築を図ってまいります。
 包括的支援事業につきましては、虐待及び認知症の早期対応支援を推進するため、予防劇等を通じて知識の普及啓発に取り組んでまいります。
 また、困りごとを抱える家庭の早期発見を目指すため各支所に設置しました地域ふくし総合支援センターが身近な相談支援窓口を担い、二次機能を担うふくし総合支援室と連携しながら、総合相談体制を充実させていきます。
 今後も適切な介護サービス及び地域支援事業を提供するとともに高齢者が可能な限り健康で自立した生活を送ることができるよう、地域の実情に応じた高齢者福祉、介護保険事業を推進してまいります。
 続きまして、健康推進事業についてですが、当市では、保健事業の原点である一次予防活動、すなわち、疾病の発生そのものを予防する健康づくり事業を重視した施策に取り組んでいます。特に(1)健康寿命の延伸を目指した健康づくりの推進(2)市民との協働による健康づくりの推進(3)市民や地域の主体的な健康づくりを支援する環境づくりを基本理念としており、ヘルスプロモーションによる健康なまちづくりの実現をめざしています。 本年度は、平成19年度に市民参画によって策定した「健康志摩21」計画をさらに積極的に推進し、市民主体の推進組織である健康志摩21推進会議「ゆめぴーサミット」とともに、計画の周知・啓発・実践活動を進めていきます。また、地域保健と事業所による職域保健との連携を深め、健康なまちづくりの基盤を整備して総合的な生活習慣病予防対策の構築を図っていきます。
  健康推進分野におきましては、メタボリック症候群をはじめとする生活習慣病予防対策や、新型インフルエンザなどの健康危機管理対策、安全安心な子育てを支援し健全な子どもの育成を図るための母子保健対策の強化など、様々な健康課題が累積し市民の健康ニーズがますます多様化しています。 このような状況において、住民の健やかな暮らしを守るためには、地域全体で推進する体制、すなわち関係機関の連携と市民との協働体制を確立することが重要であると考えています。 また、新型インフルエンザや自然災害等、市民の生命、健康を脅かす事態に対応するため、健康危機管理事業を創設し、横断的な組織の協力体制を整備して必要なリスクに関する情報の提供・共有、いわゆるリスクコミュニケーションを強化しながら必要な対策を講じ、健康危機の発生予防や拡大防止に努めてまいります。
 母子保健分野におきましては、赤ちゃん訪問の対象者を全出生児に拡大し、妊婦健康診査の公費負担を拡充するなど施策の充実を図るとともに、高校生を対象とした健康教育や妊産婦等のセミナーの実施により、思春期保健の強化と健やか親子の育成支援を講じていきます。
 続きまして生活環境部門について申し上げます。 地球温暖化防止のため、環境負荷の少ない低炭素社会の実現は、個人の取り組みなくしてありえません。かっこ悪い、面倒くさい、他人がやっていないから自分もしなくても良いというものではなく、温暖化は個人の問題であることを市民の皆様一人ひとりに自覚していただき、まずは自分から行動を始めていただくため、広報などを通じて個人でできる取り組みを紹介していくなど、市民の問題意識向上に努めます。
 また、市の機関としても自らが行う事務事業が、大きな温室効果ガスを排出していることを認識し、全ての施設・部門において、適正なエネルギー使用・管理に努め、環境負荷の少ないコンパクトな組織づくりに努めます。 他にも、広く環境問題に対し、行政と市民が問題意識を共有し、協同で問題に取り組むため、「英虞湾自然再生協議会」が昨年3月に設立されました。平成21年度は英虞湾の生物調査や海の健康診断事業を計画しており、英虞湾の自然再生に向けて市民と協働で環境保全に取り組んでまいります。
 水質環境におきましては、河川や閉鎖性海域である英虞湾、的矢湾の水質を守っていくため、平成21年度も引き続き河川・海域の水質検査を実施し、英虞湾、的矢湾、外洋へ流れ込む水質の改善策として、昨年に引き続き家庭でできる生活排水対策について啓発を行います。 また、合併浄化槽設置者に対しては、年間220基の予定で本年度も継続して補助を行うとともに、設置者への維持管理の重要性を認識していただくための啓発活動にも努めてまいります。 さらに、引き続き循環型社会を形成発展させていくため、行政・市民・事業者の役割を明確にし、3R運動を基調として、資源物の集団回収や買い物袋(マイバッグ) 持参運動の推進を強化するとともに家庭系・事業系の生ごみ減量化を啓発・推進し、廃棄物の総量抑制に努めます。
 次に、清掃センターの運営につきましては、分別方法の統一とごみ処理経費の効率化を図るため、施設の統合と併せて、よりいっそう適正な管理・運営に努めます。 火葬場につきましては、市民の皆様の理解を得ながら、人生終焉の場にふさわしい施設建設の早期実現に努めてまいります。
 人権啓発分野におきましては、あらゆる人権侵害事案が惹起される現下の状況に鑑み、人間が生まれながらに持っている「人権」という固有の権利に、もっと気付き、考え、全ての人が幸せに暮らせることを願って策定した「志摩市人権施策基本方針」を推進していきます。現在活動中の「志摩市人権啓発推進ネットワーク協議会」との連携のもと、市民の参加意欲を喚起し、人権講演会や啓発行事・事業を行なうなど、地域をはじめ、学校、各種団体などの理解と協力を得ながら、更なる「人権のまちづくり」に取り組んでまいります。
  続きまして、産業振興部門について申し上げます。  農林関係におきましては、地産地消や食の安全安心を推進、農家の高齢化や後継者不足により増加している荒廃農地対策、農業生産者の育成など、三重県農業改良普及センターや鳥羽志摩農協と連携して農業の活性化事業を引き続き行ってまいります。
 また、地物は安心・安全であることをPRして、地物農産物の紹介や販売店等の紹介をして地産地消の推進に繋げてまいります。主な事業内容としましては、志摩の地域ブランドである「きんこ」の原料を増産するため、隼人芋のウイルスフリー苗の生産を行うとともに、新規生産者の育成、また、地域の小学生を対象にアグリスクールを開催し、地元食材を利用した地産地消産地化推進事業を行い、「農業生産者団体育成補助事業」では、生産者団体の自主的な活動による農業の活性化を図るため引き続き支援してまいります。
 「獣害対策事業」では、イノシシ等による農産物への被害対策として、電気柵購入に対する助成を行うとともに、捕獲檻を製作して各町猟友会へ駆除を委託してまいります。   県営事業につきましては、中山間地域総合整備事業により浜島集落道路工事や平成22年度からの事業実施に伴う基本計画を策定し、引き続き推進してまいります。
 林業振興事業につきましては、松くい虫防除事業により主要な松林の保全や、森林環境創造事業、常設造林事業等により森林の保全に努めます。また、条件不利森林公的整備緊急特別対策事業で間伐を実施し、森林の適正管理を図り、里山の整備を推進してまいります。さらに緑化事業では、引き続き近鉄沿線の水田を活用したコスモスの植栽等を実施し、花のまちづくりを推進してまいります。
 続きまして、水産関係の事業についてですが、志摩市だけに限らず、日本の水産業は水産資源の減少による漁獲量の低迷や輸入水産物との競合や国民の魚離れによる魚価の低迷により厳しい漁業経営を強いられております。
 あおさ養殖業はこの数年は単価の上昇により好況を呈しておりますが、今年度の生産状況については思わしい状況ではなく、志摩で100年以上続いてきた真珠養殖業につきましては世界的な経済不況のあおりを受け、価格暴落といった未曾有の危機に陥っています。
 そのような状況の中にあって、産業としての水産業を維持するためには、まず地域が一体となって生産の基盤である漁場環境の保全を図る必要があります。内湾域である英虞湾や的矢湾における漁場環境調査や自動観測ブイシステムの運用に対する補助を行い、関係者が連携して漁場環境の把握に努めるとともに、英虞湾では県営浚渫事業の実施、的矢湾では漁業者が実施する藻場の再生活動に対し支援等を行ってまいります。また、外洋域では投石による漁場の拡大と漁業者による磯焼け回復に向けた取り組みの支援等を行います。
 また、積極的な資源増殖を図るため、三重県水産振興事業団や管内の漁協と連携した各種の種苗放流事業を推進するとともに、効率的な事業実施のため、アワビの放流効果の調査なども引き続き実施してまいります。 こうした漁獲量増大に向けた取り組みを行う一方、魚価の向上が急務となっております。
 ブランド化による付加価値の向上だけでなく、水産業と商工業の連携による新たな水産物の流通について関係者の皆様と検討をしてまいりたいと思います。
 また、現在検討が進められている三重県外湾地域の漁協合併につきましても、引き続き関係市町や三重県と連携を図りながら、注視してまいりたいと思います。
 次に漁港関係事業ですが、生産・流通の拠点となる漁港整備事業として、安乗漁港につきましては、平成18年度から広域漁港整備事業を実施いたしておりますが、21年度は荷捌所付近の岸壁に浮桟橋の整備を実施し、陸揚げ・準備作業に伴う漁業者の労働負担軽減と安全性の向上等、就労環境改善のための施設整備を図るとともに、19年度供用開始の漁港関連道や、現在実施中の畜養岸壁整備と合わせ、水産物の流通機能強化を図ってまいります。 和具漁港につきましては、漁港東側護岸の天端が低くなっており、荒天時には越波の影響により背後地の船揚場の利用が困難となるため、21年度は護岸の嵩上げを実施し、荒天時でも利用を可能にする等、20年度実施の漁港西側臨港道路の排水路改修と合わせ、安全で快適な漁業地域の形成を図ってまいります。
  商工関係におきましては、志摩市商工会等と連携を密にしながら、雇用の促進、地域の特性を生かした特産品宣伝事業等を展開し、中小企業の安定振興を図るように努めます。具体的には、商工会の経営安定のための商工会運営補助金、地域活性化に資する各種事業に対する事業費補助金を予算計上し、地域の商工業の振興を図ります。さらに朝市事業、地域のまつり事業を展開し地域の活性化を図ります。
 消費者行政としましては、全国的に多発しています悪質商法・振込め詐欺等による被害防止のため、消費者啓発事業として、市内各地区で啓発講座の開催、啓発リーフレットを配布するとともに、消費者相談・多重債務者相談も随時受け付け、被害防止に努めてまいります。
 観光関係におきましては、「住んでよかった、また訪れたい」の観光地づくりを目指し、観光協会や旅館組合、商工会、伊勢志摩観光コンベンション機構などの観光関係団体・事業者を始め、水産関係や農業関係の団体・事業者、国・県との連携・協働を図り、冒頭で述べました「御食つ国・志摩」誘客推進・観光情報提供事業等、滞在型観光の推進と外国人観光客の誘致促進を軸とした施策を展開してまいりたいと考えています。 スポーツコンベンション事業として、平成21年度におきましても「志摩ロードパーティハーフマラソン2009」、「第10回伊勢志摩ササユリカップシニアソフトボール大会」や「第4回ミズノクラシック~伊勢志摩~」、「第2回ビルフィッシュトーナメント」また、新規の事業として「全日本サーフィン選手権大会」「パークゴルフ西日本大会」等の大型集客イベントの開催誘致が決定しています。また、食と観光をテーマに三重ブランドである「伊勢えび・的矢かき・あわび・あのりふぐ」のPRはもちろん、志摩ならではのローカルグルメ食材を活かした商品や名物の確立を図り、観光客に多彩な食の提案をしてまいります。
 外国人観光客の誘致促進では、国のビジットジャパンキャンペーンを活用し、冬季の中国人ゴルフ客の誘致に向けた取り組みを伊勢・鳥羽と連携し進めていきます。
 こうした事業を総合的に着実に推進していくには、戦略的な観光施策が必要ですが、これまで多くの皆様からご提言やご提案をいただいておりますので、これらを生かしながら志摩市としての観光の将来像と目標を明確にする観光基本計画の策定を進めていきたいと考えています。
 続きまして建設部門について申し上げます。  まず、道路新設改良事業につきましては、国道167号鵜方磯部バイパス阿児工区と県立志摩病院とを結ぶアクセス道路として、堂岡岩出線道路改良工事の継続工事を行い、早期完成に努めてまいります。
 また、今坂島茶屋線道路改良工事や主要幹線市道舗装工事をはじめ市民生活の根幹を担っている生活道路の整備に努めてまいります。
 さらに、道路維持事業につきましても、主要幹線道路の除草業務や道路補修、道路維持工事により安全で安心な快適な道づくりに努めてまいります。
 このほか、道路台帳整備業務や市内主要橋梁の点検業務にも着手します。
 また、県営事業でもある広域幹線道路の整備につきましては、伊勢志摩連絡道路(第2伊勢道路)、国道167号(鵜方磯部バイパス)、県道浜島阿児線(浜島バイパス)の早期完成に向けて働きかけるとともに、地域間を結ぶ国道、県道の整備促進に努めます。
 都市計画事業では、志摩市都市計画マスタープランの方針に沿い、市内の3つの都市計画区域を1つに再編・拡大の案を作成します。
また、志摩市都市計画マスタープラン地域構想に基づき、各町の「街中居住地」等で地区構想を策定し、市民と協働で防災・景観等のまちづくりの実施プランを本年度より作成していきます。
 都市再生整備事業としましては、まちづくり交付金事業により、県道東浦田線の冠水被害を解消し、志摩町美珠通り周辺の住環境の改善と防災公園等を整備することにより災害に強い防災のまちづくりを目指して平成17年度から5年計画で取り組んでおり、平成21年度は、最終年度として事業を実施していきます。
 公園事業では、都市公園内の樹木等の維持管理を行い、公共空間の景観及び緑地の保全に努め公園利用者に利便性と快適さを提供するとともに、都市公園内の各遊具の保守点検を実施し安全性の確保を行っていきます。また、市の基幹公園である阿児文化公園の未整備箇所について整備を図っていきます。
 市営住宅につきましては、住宅の維持修繕等を行い住環境の保全に努め、また、総合的な住宅の管理を行うことにより住宅行政を適正に進めてまいります。
 地籍調査事業では、土地の保全管理や土地行政の円滑化のため、国土調査法に基づき、阿児町立神地区・浜島町塩屋地区の現地調査・測量・閲覧等を実施していきます。なお、地籍調査の成果は、土地に関する基礎的情報として重要であり、今後も長期的展望のもと計画的に進めてまいります。
 地震に強いまちづくりを推進するため、市内の木造住宅の無料耐震診断や耐震補強補助を引き続き実施し、平成27年度までに住宅の耐震化率90%を達成すべく取り組んでいきます。
  続きまして、教育部門について申し上げます。 本市の教育のあるべき姿を指し示す「志摩市教育振興ビジョン」に基づき、次の事業を推進していきます。 まず、教育環境整備についてですが、平成17年度から用地造成工事等整備してきました浜島小学校の建設につきましては、平成22年4月の開校に向けて、平成20・21年度継続事業として21年度中の完成を目指して取り組んでまいります。 併せて、児童・生徒を地震災害から守り、安全・安心な学校環境を整備するため、「第3次地震防災緊急事業五箇年計画」に基づき、平成21年度は小学校1校、中学校1校の耐震補強工事の実施設計を行い、小学校1校の耐震補強計画の策定をし、学校施設等の安全対策を講じていきます。
 次に、一昨年設置しました「保育所・幼稚園等のあり方検討会」並びに「学校再編検討委員会」におきましては、市民の意見などを参考に多方面から検討を行っていただき、将来像等についての提言書を作成していただきました。これを受け実施計画の策定を行い、統合等に向け取り組んでいきます。
 教材関係では、平成20年度末をもって完成します小学校社会科副読本(わたしたちの志摩市)を21年度から積極的に活用し、改善点等を集約しながら、次回の改訂作業に活かしていきます。
  特別支援教育関係では、障がいのある園児児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育・支援を向上させるため、介助員・学習支援教員の配置及び、教職員研修の充実を図っていきます。 情報教育関係につきましては、学校間ネットワークシステムの活用をさらに推進させるとともに、教職員を対象とした情報教育研修会等を開催することにより情報モラルやICTの活用能力の向上を図ってきました。しかし、市内小学校において個人情報を紛失する事案が発生したことから、「個人情報の保護」についても、関係課と連携して研修の具体化を図る必要があります。
 研修分野におきましては、教師の教科における授業力の向上を図るため、授業研究校の指定校を拡大します。小学校4校・中学校3校を授業研究校に指定し、当該学校の学力向上を図るとともに、市内の学校に向けて、授業力向上にかかわる成果を発信していきます。
 子どもの安全・安心対策として、県事業による小学校スクールガード・リーダーの配置に加え、市単独での学校安全相談員を引き続き配置し、園・学校等の巡回や安全相談業務の拡充を図っていきます。
 社会教育につきましては、心身ともに健やかな子どもを育てるうえで家庭での学習を成人教育の一環と考えて、学習の援助、促進に努めるとともに、高齢化社会に対応した成人、高齢者の学習活動や男女共同参画社会を形成するため積極的に学習活動に取り組んでいきます。 また、行政運営の効率化や自立促進を図るため、各種団体ならびに各種委員会の運営体制等についても見直しを行い指導等に努めていきます。
 公民館講座の運営についても、公平性の確保と適正な受益者負担の観点から受講料の徴収を行います。
 文化財につきましては、磯部の御神田とともに志摩市を代表する国指定重要無形民俗文化財『安乗の人形芝居』の人形かしら等修繕事業及び活用事業に対して支援を行います。
 また、志摩市誕生5周年を記念して『志摩のあけぼの展(仮称)~考古資料から見た志摩の歴史』を開催し、古代から連綿と受け継がれてきた先人の息吹を紹介するなど、文化財の保存と活用を通じて、歴史に根ざした地域づくりを推進していきます。
 同じく文化面においても、志摩市誕生5周年事業として『宝くじ文化公演事業』を実施し、普段接することのできない優れた音楽に触れる機会を提供し、音楽文化のすばらしさを体感するとともに文化意識の高揚を図ります。
 人権教育の推進にあたっては、志摩市人権教育基本方針に基づき、「人権感覚あふれる学校づくり事業」を引き続き実施し、特に本年度は鳥羽志摩実践交流会を的矢中学校区で実施します。人権講座、ふれあい人権フォーラムも引き続き実施し、学校教育と社会教育両面で人権教育を積極的に展開していきます。
 生涯スポーツにつきましては、多様化する市民のスポーツ需要に対応し、だれもがいつでも気軽に楽しめるスポーツ振興を図るための基本指針となる「第一次志摩市スポーツ振興計画」を策定しました。この計画は、「現状と課題」「基本理念」「基本施策」で構成されております。平成21年度はこの計画の進捗状況などを確認しながら、計画全体の推進を図っていきます。
 9月には三重県営サンアリーナ(伊勢市)で第29回世界新体操選手権が開催されます。この大会は約50の国と地域から約1,000名の選手らが集い、世界最高峰の演技を繰り広げます。本大会の開催により世界各国のメディアから情報が発信され、国内外から多くの人々が三重県を訪れ、これを契機に、地元が選手や観客をもてなし、大会を盛り上げていくことは、本市にとっても元気や活力を高めていくことにつながると考えています。この大会の普及啓発に向けた「新体操教室」も予定しています。
 また、各種のスポーツ大会、レクリエーション・イベントの開催やトップレベルの競技スポーツに親しむ機会の提供に努め、市民のだれもが生涯を通じて、スポーツ、レクリエーションに親しむとともに、地域での活動に参加することができる環境づくりに努めます。
 食育につきましては、学校給食法の一部改正により、学校給食の目的が食育の観点から見直しされ、「学校給食を活用した食に関する指導」の実施が、学校給食法に規定されたことから、学校給食を通して「食育」の推進を図るため、食材に地場産物を取り入れるなど、地域の皆様とともに、学校給食の充実を図っていきます。
  続きまして上下水道部門について申し上げます。
 上下水道は、市民生活や経済活動に必要不可欠なライフラインとして、その役割を担っていますが、事故災害や将来発生が予想される大規模地震等の自然災害に対しての備えが急務であります。
 市といたしましては、安心、安全、安定、持続を基本理念とし、施設全体を効率的に維持するため、将来的に安定した上下水道の運営を目指し、諸事業の実施に向けて取り組んでまいります。
 まず、磯部都市下水路整備事業につきましては、磯部迫間・穴川地区(磯部駅周辺)の浸水防除のため、排水ポンプ施設等の新設(1基)および老朽化した既設排水ポンプ施設の改築(2基)を行う施設整備事業で、平成21年度におきましては、平成19、20年度の継続事業で新設されたポンプ場への流入施設や既設ポンプ場との連絡通路等の附帯施設工事を実施していきます。
 次に下水道事業でございますが、生活環境の改善さらには公共水域の水質を図るため、現在7処理区において下水道施設の整備がなされ稼働しております。 施設の維持管理につきましては、平成20年度より、関連法の趣旨に基づき、市内三業者による部分的な民間委託を実施し、円滑な維持管理を行っております。
 平成21年度には、さらに効率的な運営と維持管理を目指すとともに、現在行っている排出汚泥の資源化と再利用についても維持、促進に努めてまいります。また、対象地区の未接続世帯を重点的に積極的な普及啓発を図り、接続率の向上に取り組んでまいります。
 次に水道事業でございますが、人口の減少、少子高齢化、景気の低迷等により給水収益が減少しておりますが、志摩水道の一元化を進めることにより、浄水コストが受水費よりも低減できることが見込めることから、三重県企業庁からの譲渡について前向きに検討を行います。
 また、平成20年度に着手いたしました、石綿セメント管の耐震管への更新(水道管路近代化推進事業)につきましては、引き続き実施してまいります。さらに「水道事業基本計画及び水道ビジョン」によります、水道事業のあり方や将来計画について、優先順位や健全経営を考慮しながら、計画・実施してまいります。
 続きまして、病院事業部門について申し上げます。
 自治体病院は、地域医療の確保のために懸命な努力を続けていますが、現状は今までにない厳しい状況を迎えており、なお一層の経営努力が求められております。 状況如何によっては、廃止、合併・統廃合、公設民営、独立行政法人化などの選択を迫られる時代となってきています。
 志摩市においては、平成20年4月に市立前島病院と市立大王病院を志摩市民病院1施設に統合したこと、また、前島病院を診療所として、運営を地域医療振興協会に管理委託したことにより病院経営の合理化を行いました。
 平成20年10月からは薬の院外処方への切り替えを行い、経費の削減と利用者の利便性の向上に努め、平成20年10月末には、市民病院増築棟が完成し、人工透析・リハビリ施設及び医療療養型病床40床の運営を開始したことにより、病院機能を最大限活用できる状況を作り上げました。
 また、懸案でありました内科医師1名の招聘も実現することができ、今後の病院経営の好転に期待がもてる状況になりつつあります。
 平成21年度においては、年間を通じて人工透析、療養病床について安定した経営が期待できる事、内科医師1名の増員により、これまで市外の医療施設を利用していた患者を受け入れることが可能になり、入院・外来の患者数の増加を見込むことにより経営の健全化を目指します。
 また、志摩病院との連携の下、昨年の7月から実施しております火曜日の救急受入体制について、更に木曜日を加えて地域医療の安全確保に努めてまいります。
 全国的に医療を取り巻く環境は、厳しさが増しており志摩地域においても例外ではなく、平成21年度からは県立志摩病院の内科医師数の減少による地域の医療サービスの低下が懸念されております。
 このような状況の中、市民からは、志摩市民病院の運営に対する期待がますます高まっており、その期待に応えるべく医師、看護師等医療スタッフの充実に努め、医療提供体制の強化を図るとともに経営の健全化を目指し、持続可能な病院運営に取り組んでまいります。
 以上、市政運営における基本方針と平成21年度予算案の大綱について申し述べさせていただきました。
 平成16年10月1日に、6万2千市民の期待を受けて志摩市が誕生し、今年、市制施行5周年という記念すべき年を迎えました。合併以後旧町単位の分庁舎に各部局を設置しておりましたが、行政運営の効率化、市民の利便性の向上、また防災面の必要性などから新庁舎を建設し、昨年9月に完成の運びとなりました。市政への市民の期待も一層高まっており、その期待に副えるよう懸命に努めてまいります。
 冒頭にも申し上げたように、世界的にも国内においても金融危機などからの深刻な経済状況にあり、社会全体が不安で満ちております。
 志摩市をとりまく状況も非常に厳しいものであると言わざるを得ません。 こんなときだからこそ、今志摩市にとって何がもっとも重要なのか、まずやらなければならないことは何なのか、将来をしっかりと見据え、市民と行政が一つになって、元気で強い志摩市を築いていかなければなりません。
「今かわらなければ!今かえなければ!そして志摩市再起動」
  元気な志摩市、市民の笑顔の絶えない住みよい志摩市を未来の子どもたちに残していけるよう、私は「一粒の麦」となる覚悟で、この志摩市のために力の限りをつくしてまいる所存ですので、どうか市民の皆様、そして議員の皆様方のさらなるご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、施政方針といたします。
                                   志摩市長 大口秀和
 平成23年施政方針
 平成22年施政方針
 平成20年施政方針