祝・日本遺産認定!「海女(Ama)に出逢えるまち 鳥羽・志摩 ~素潜り漁に生きる女性たち」

鳥羽市と志摩市合同で申請を行っていた「海女(Ama)に出逢えるまち鳥羽・志摩 ~素潜り漁に生きる女性たち」が、令和元年5月20日、日本遺産に認定されました。

日本遺産とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定するものです。

海女漁に関するストーリーを語る上で欠かせない様々な文化財群を、国内だけでなく海外へ戦略的に発信することにより、地域の活性化を図ることを目的としています。

 

海女(日本遺産)01

認定を受けた日本遺産の概要

タイトル

「海女(Ama)に出逢えるまち鳥羽・志摩 ~素潜り漁に生きる女性たち」

ストーリーの概要

豊かな海産物に囲まれた鳥羽・志摩は、全国の約半数の海女が活躍する日本一の「海女に出逢えるまち」である。この地域で、女性が素潜りでアワビ、サザエや海藻を獲る海女漁の始まりは約2,000年前まで遡り、世界でも日本と韓国のみの希少な漁法である。海女が獲った海産物は伊勢神宮に「神饌(神様に捧げる供物)」として奉納され続けており、海女が中心となる祭りも継承されているなど、海女ならではの風習や信仰などの「海女文化」が今も色濃く息づいている。鳥羽・志摩をめぐれば、海女文化を「五感」で体感でき、元気な海女からパワーをもらえるに違いない。

 

ストーリーの詳細

 

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■海女に出逢えるまち 鳥羽・志摩

 鳥羽・志摩の沿岸部は、複雑に入り組むリアス海岸からなり、恵まれた地形と豊かな藻場(もば)が形成された生態系を背景に、女性が素潜りでアワビなどを獲る「海女漁」が持続的に営まれている。自身の呼吸を限界までこらえ、そのわずかな間に、岩礁にいるアワビやサザエなどの獲物を獲る「50秒の勝負」にかけている。

 海女漁は、日本と韓国の一部にしかみられず、国内でも総数の約半分にあたる750名ほどが活躍する日本一の「海女に出逢えるまち」である。この地域の海女は、海女が獲ったアワビを伊勢神宮へ奉納する伝統や、海女が中心的な役割を果たす祭行事や呪符などの信仰が現在でも継承されている点で、他の海女のいる地域とは異なる特徴がある。また、三島由紀夫の小説「潮騒」には、神島の海女の初江が主人公として描かれており、昔から鳥羽・志摩が海女のまちとして、認識されてきたことがわかる。

 「海女」という、素潜り漁に生きる彼女たちに出逢えるまち、鳥羽・志摩を訪ねてみよう。

 

 

海女(日本遺産)02
■神々が愛したアワビ ~伝説の海女「おべん」

鳥羽・志摩の海女漁の歴史は約2,000年前の弥生時代に遡り、鳥羽市の白浜(しらはま)遺跡では大量のアワビの貝殻やアワビオコシが出土している。平安時代の「延喜式」には「志摩の潜女(かづきめ)(海女)」の記事があり、潜女が獲ったアワビや海藻類が都に納められていたことが分かる。また、鳥羽市国崎(くざき)で海女が獲ったアワビは毎年、「熨斗鰒(のしあわび)」という干物に加工され伊勢神宮に奉納され続けている。熨斗鰒の奉納の由来は、鎌倉時代の成立とされる「倭姫命世記(やまとひめのみことせいき)」に記されており、伊勢神宮に天照大神を祀った倭姫命が、神様の食べ物を求めて国崎を訪れたところ、「おべん」という海女からアワビをもらい、大変美味であったことから、この地をアワビ奉納の地と定めたとされる。

 海女が獲ったアワビや伊勢エビなどの海産物は神饌(しんせん)として伊勢神宮に奉納されており、神々を魅了した「特別」な価値をもつものである。海女小屋体験施設などで現役の海女と触れ合いながらそれを食することは最高の贅沢といえる。

■海女に受け継がれる信仰とまつり

 海女漁は、命の危険と隣り合わせであるため、鳥羽・志摩には、海女をはじめとして海と共に生活する海の民の信仰を集める神社や仏閣などが数多くあり、これらの聖地を訪ねることで海女文化の一端に触れることができる。代表的なものには鳥羽市の青峯山正福寺(あおみねさんしょうふくじ)や伊勢神宮の別宮である志摩市の伊雑宮(いざわのみや)がある。

 特に青峯山正福寺は、鳥羽・志摩のみならず、伊勢湾周辺の漁業に携わる人々の厚い信仰を集める「海上安全祈願の聖地」である。正福寺の大門には海に関する寺らしく、龍などの彫刻に混じり「海老」や「魚」が隠れて彫刻されているほか、本堂の回廊には遭難者が奉納した嵐の中で祈る船乗たちの姿を描いた絵馬なども掛けられており、探してみるのも面白い。

海女が使う磯テヌグイや磯ノミをみると、貝紫(かいむらさき)染めや黒糸の刺繍で星形の印(セーマン)と格子状の印(ドーマン)がみられるが、これも魔除けのためで、漁の安全を祈る信仰が今も生き続けている一例である。地中海沿岸で3,600年ほど前から使用されている貝から紫を取る貝紫染めの技術は、現在は、鳥羽市の海の博物館で体験することができる。

 また、鳥羽・志摩では、全国的にも珍しい豊漁や海上安全を祈る海女の祭りが各地で受け継がれている。鳥羽市菅島町で7月に行われる「しろんご祭り」は、昔ながらの白い磯着を着た海女たちが一斉に潜り、つがい(雄・雌一対)のアワビを獲って白髭(しらひげ)神社に奉納し、大漁と海上安全を祈願する祭であり、海女漁と祭の様子を間近で見ることができる。

 

■「五感」で感じる海女

 鳥羽・志摩地域の沿岸部や離島の漁村を訪ねると、海女を「五感」で感じることができる。港周辺を歩くと、漁の前後に体を温め、憩う「海女小屋」が立ち並ぶ風景や、船に乗って漁場に向かう姿、獲った獲物を仕分けする姿、漁港で出荷する姿など、様々な海女の姿を目にする。海女が暮らす鳥羽市答志島の路地裏では、豊漁と海上安全のまじないである地元神社の「まる八」印が墨で各家に書かれている。そして、細い路地裏を抜けて海岸に出ると、海女が潜る美しい海岸が広がる。眺望を求めて灯台に登れば、眼下には、顔を出してはまた沈む、海女たちの姿を見ることができる。また、秋冬には、海女のおやつである「きんこいも」を干す風景が楽しめる。海の博物館では約6万点にも及ぶ膨大な収蔵資料で海女の道具や、漁村の歴史・民俗資料を展示・紹介している。

 先に触れた景観(視覚)だけでなく、海藻などを干す匂い(嗅覚)も感じられる。志摩市の麦埼灯台では、海底から浮き上がった海女が呼吸を整るために息を吐き出す「ヒュー、ヒュッ」という「磯笛(いそぶえ)」がよく聞こえる。また、海女小屋や路地から聞こえる海女たちの大きな声も胸を高鳴らせてくれる(聴覚)。市場で活きたアワビや伊勢エビに触れ(触覚)、海女小屋体験施設では、海女から海女漁や海女文化についての話を聞きながら、海女が獲ったアワビなどの海産物や海女自家製のあられを堪能できる(味覚)。海女とともに潜る、海女漁体験では五感全体で海女の世界を感じることも可能だ。

 鳥羽・志摩の海女漁村は他の漁村に比べて総じて明るい。それは女性が生き生きと暮らしているからである。この地域をめぐれば、古くから自然を敬い、海とともに生活してきた海女の生活と信仰が「海女文化」として、今も息づいていることが体感でき、元気な海女に出逢えば、彼女たちからパワーをもらえることに違いない。

海女(日本遺産)13

 

ストーリーの詳細はこちらからもダウンロードできます。

また、ストーリーの構成文化財一覧や位置図についてはこちらをご参照ください。

ストーリーの詳細(PDF:619.8KB)

ストーリーの構成文化財一覧表(PDF:398.2KB)

構成文化財の写真一覧(PDF:3.9MB)

位置図(鳥羽市)(PDF:1.9MB)

位置図(志摩市)(PDF:1.6MB)

関連リンク

日本遺産について(Japan Heritage)」について(文化庁HP)

お問い合わせ先

教育委員会事務局 生涯学習スポーツ課
〒517-0592 三重県志摩市阿児町鵜方3098番地22
電話番号:0599-44-0339
ファクス:0599-44-5263
お問い合わせはこちらから

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