市政運営の基本方針と所信表明

 平成28年第4回定例会の開会にあたり、私の市政運営に関する基本方針と所信の一端を申し上げ、皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 この度の市長選挙で、市民の皆さまをはじめ多くの方々からの温かいご支援とお力添えにより、8年ぶりに志摩市長として市政の舵取りをさせていただくことになりました。
 選挙戦で訴えた「市民と語り 市民と創る」をモットーに市政を力強く担っていきたいと思っております。
 海の向こうアメリカでは、大統領選挙の結果、ドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領となることが決定しました。
 TPPからの撤退や安全保障政策など、今後の日米関係に及ぼす影響も予測されるところであり、世界経済にも少なからず影響を及ぼすことになると思われます。日本政府の政策や戦略の動向も注視していかなければなりません。
 一方、我が国の経済状況について、株式会社 日本総合研究所が11月に発表した「日本経済展望」では、企業の生産活動は持ち直しが見られますが、家計消費部門では低迷が続いており、また外需動向をみると、昨年後半以降から訪日外国人旅行消費額の減少を受け、インバウンド需要にも頭打ちが見られるとしています。企業の老朽化設備の維持・更新投資、都心部での再開発や宿泊施設の建設、人手不足などを背景とした雇用所得環境の改善が景気下支えに作用するなか、緩やかな景気持ち直しが続く見込みで、8月に閣議決定された経済対策に伴う公共インフラなどの投資の増加などを背景に、景気回復基調が続くと見込まれておりますが、景気回復ペースは緩やかにとどまると見通されています。
 このような中、本市では平成26年9月に策定された「第2次財政健全化アクションプログラム」に基づき、「施設の統廃合等」、「事務事業の見直し」、「補助金の見直し」、「歳入の見直し」などが進められておりますが、市民生活への影響を再考し、私なりの視点も加えた形でのさらなる行財政の健全化に努めてまいりたいと思っております。
 それでは、今後4年間の私の市政運営において、特に選挙戦で訴えました、重点施策の方針について申し述べます。
 まず「生活と暮らしを楽に」の施策であります。
 志摩市民の平均所得は2年連続で県下最低レベルを記録し、市民の暮らしは大変厳しくなっております。このため、少しでも市民の生活コストを下げることを目的に、ごみ袋の値下げを行いたいと思います。また、高齢者世帯が多くなり、その負担が大きくなっている現状を勘案し、ごみの分別を簡素化するとともに、粗大ごみの回収方法につきましては、軒先回収などを検討いたします。
 2点目に「獣害対策」です。
 近年、志摩市のみならず日本中で問題になっている農作物などへの被害ばかりでなく、里の中にまで姿を現し、私たちを脅かす存在となっているイノシシやシカによる獣害対策としましては、専門の組織を立ち上げ、その中でベテラン猟師が若者を育成しながら実際に駆除を行い、それをジビエ化、6次産業化することで働く場を作るとともに、森林や農地と市民を守っていきます。
 3点目は「ポストサミットと観光振興、産業振興」の施策です。
 伊勢志摩国立公園指定70周年を迎えた今年、賢島で「G7伊勢志摩サミット」が開催されてから、早いもので半年が経過しました。サミット開催により、志摩市の素晴らしい自然環境、豊かな食、歴史・伝統文化などの多くの魅力を世界に発信し、私たちもまたその価値を改めて認識することができました。市民や関係者の皆さんの努力が伊勢志摩サミットの成功につながりました。このサミット開催で得たものを、志摩市の今後のまちづくり、また、地域経済の発展につなげていかなくてはならないと考えています。
 各メディアを通じて、日本のみならず世界中に志摩市が発信された効果は絶大であります。そのおかげで連日、賢島地域や横山展望台には、全国から多くの皆さまに訪れていただいております。特に、横山展望台の駐車場は、自家用車や観光バスで常に、満車状態であります。全国の国立公園の内、8箇所指定された「国立公園満喫プロジェクト」なども活用しながら、現状の駐車場を整備し、訪れる皆さまにさらに満足していただくことで、今以上の誘客を図りたいと考えております。
 また、サミットで向上した知名度を生かし、志摩の優れた産物であります真珠は言うに及ばす伊勢エビ、的矢かき、アワビ、あおさ、きんこいもなどの増産・増殖を図るとともに、国内外への販路を拡大していきます。また、水産業や農業などを連携させ、地域内循環と地域外収入の増加も目的に「志摩マルシェ」の設立を進めます。
 さらに御食つ国の歴史を活かし、価値創造を行い、将来にも活かすため、食を通じたまちづくりに総合的に取り組み、農業、水産業、観光及び商工業の活性化を図ります。
 4点目は、「教育」の施策です。
 子どもは地域の宝です。その宝である子どもたちの教育環境を充実させるため、近隣では伊勢市など、全国各地で設置されています「教育研究所」を志摩市にも設置し、学力向上やいじめ対策等に対応します。いじめや不登校に悩む子どもを勇気づけ、サポートします。
 5点目は、「医療・福祉」についての施策です。
 浜島診療所には現在、常勤の医師がおりませんので、まず常勤の医師を確保し、浜島地域の医療体制を復活させます。また、志摩市民病院につきましても医療体制の整備を図り、経営健全化に取り組みます。もはや地域医療は地域内の医療資源、福祉資源を連携させ、役割分担を進めなければ住民のニーズに答えることができず立ちゆきません。従って県立志摩病院、医師会、福祉施設等とのさらなるつながりの輪を形成してまいります。
 6点目は、「生活・環境」の施策です。
 磯部・和具等の閉鎖された清掃センターの再利活用を図り、生ごみや間伐材を利用したバイオマス発電や余熱を利用した果樹栽培などの可能性を検討し、施設と資源の有効活用を考えてまいります。
 7点目は、「防災対策」です。
 阪神・淡路大震災や東日本大震災などの惨事は、記憶から消え去ることはありません。また最近では、特に警戒していなかった熊本や鳥取で発生したように、いつ起こるかもしれない南海トラフ地震などの災害に備えるため、市民や子どもたちに対する防災教育を強化し、いざという時に備えます。また、最新の情報技術やSNSなどを活用した災害情報ネットワーク化を図り、防災体制を強化します。
 最後に「空き家・空き施設対策」です。
 市内でも、空き家や閉鎖された旅館、保養所などの施設が多くあります。この様な施設を地元の力で新しいゲストハウスやシェアハウス等に再生し、「志摩のライフスタイル」を創造しながら地域の活性化に繋げたいと考えています。
 以上、大きく8点が今後4年間の市政運営にあたり、重点的に取り組む施策の概要であります。
 合併をして12年が経過した現在の志摩市を取り巻く状況は非常に厳しいものがございますが、私には志摩青年会議所会員当時から最後の阿児町の町長として合併を推進してきた一員として責任があります。その責任を全うし、市民の皆さまの期待に応えるべく、市民と語り合い、市議会の皆さまとも真摯な議論を重ねながら、志摩市の厳しい現状に具体的な施策で対処し、ピンチをチャンスにしていく覚悟であります。
 本年は、伊勢志摩国立公園が先人の努力により誕生して70周年の節目の年にあたります。戦後、国土の多くが焦土と化し、多くの若い命が失われ、国民が地べたに這いつくばった時からわずか1年後に、戦後初めて伊勢志摩地域が国立公園に指定されました。今年、伊勢志摩を舞台に開催された伊勢志摩サミットという復興の未来予想図を描いた先人に思いを馳せるとき、我々もまた現在の責任を果たしながら子や孫の世代に残せる贈り物(ギフト)を見出さなくてはなりません。私はその先頭に立って頑張る所存です。
 改めて市民の皆さま、議員の皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げまして、私の市政運営の基本方針と所信表明といたします。
平成28年12月 1日 
志摩市長 竹 内 千 尋

 

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