3階「平賀亀祐記念館」たより

更新日:2025年06月15日

人間が「これは」と思って選んだ仕事、その道は一筋です。

それを、死ぬまで追求すること。途中で道草を食ったり、流行を追ったり、人まねしたりしていては、自分の選んだ一本道をちゃんと進んでいくことはできません。私は、よく若い画家たちに、「自分が選んだただ一本の釘(くぎ)を、一生懸命に叩け。まわりに、どんなに面白い釘や変わった釘があらわれても、その誘惑に乗らずに、あくまでも自分が選んだ釘を打ち続けていくことだ。そうしてこそ、初めて他人がまねることもできない深みにまで達しられる」と申しております。

これをモットーとして、私は「描くことの研究」に励んできました。なるほど亀はウサギよりも遅いものであるけれども、その遅い亀である私が、今日まで多くのウサギに勝ってきた理由が、ここにあるのです。【自伝「一本の釘」より抜粋】

 

※「一本の釘」は、編者坂井米夫氏の要請にこたえ、平賀亀祐が60余年の記憶をたどった自伝として1970年1月に求龍堂より出版されています。当ギャラリーでは「一本の釘」をお読みになりたい方のために、閲覧用書籍をご用意しております。
ご希望の方は1階受付カウンターへお越しいただき、エントランスホールでお読みください。

 

 

【展示テーマ: ブルターニュの風景】
作品紹介
1.ブルターニュ.ドワノネーにて
2.カマレ漁港の風車 ブルターニュ
3.北部ブルターニュ丘陵の羊

【展示テーマ: 模写】
1.水浴図

【展示テーマ: 鮭】
1.Salmon Sale

【展示テーマ: 紙に描く】
作品紹介
1.セーヌ川の洪水
2.老人像
3.スフィンクス

【展示テーマ: 花】
1.自庭の花
2.花(コルシカツリペリーにて)

平賀亀祐ー婦人像

   平賀亀祐(ひらがかめすけ・1889~1971)は、現在の志摩市志摩町片田に生まれ、フランスなど国内外で高い評価を得た画家です。16歳で単身アメリカへ渡り、漁師や時計の修理業などで生計を立てながら、サンフランシスコの美術学校で9年間学び、36歳になる年に念願のフランスへ渡り、パリの私立美術学校アカデミー・ジュリアンで2年を費やすなど当時のアカデミックな芸術を習得しました。
   平賀は他人には真似のできない独自の絵画世界を求め、対象を前にした時の新鮮な感覚を素朴に描いて作品を見る人との距離を縮め、さらに材質感へのこだわりや印象派絵画のような輝く色彩を意識するなど、いくつもの魅力にあふれた作品を生み出しました。こうした実力が認められ、日本人では初めてとなるフランスのル・サロン(官展)での金賞受賞(1954年)、同年フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章が贈られました。

※左の絵画「婦人像」は、大正14年の制作。油彩・キャンヴァス72.7×60.3センチメートル。

地図情報

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