インクルーシブ遊具 ~違いを認め合い、共に育つための遊び場~

インクルーシブ遊具ってどんなもの?
インクルーシブ遊具とは、障がいの有無、年齢、性別、国籍などに関係なく、誰もが一緒に遊べるようにデザインされた遊具のことです。従来の遊具では難しかった、障がいのある子も車いすを使っている子も、みんなが同じ場所で一緒に遊ぶことができます。体の動かし方がそれぞれ違っても、それぞれの遊び方を見つけ、共に楽しむことができるのがインクルーシブ遊具の大きな魅力です。
従来の遊具との違い
従来の公園の遊具は、主に走ったり、登ったり、力を使ったりする遊びが中心でした。そのため、身体の動きが活発な子どもたちが主に楽しむものでした。
これに対し、今回新しく設置したインクルーシブ遊具は、「みんなで一緒に遊ぶ」ことを目的として作られています。
インクルーシブ遊具がもたらす価値
インクルーシブ遊具は、単に「遊べる遊具」というだけでなく、多様な子どもたちが共に遊ぶことを通して、お互いの違いを認め合い、理解を深める場を提供します。このような遊び場は、子どもたちの社会性を育む上で非常に重要な役割を果たします。
KOMORI(こもり)- 揺れに包まれるブランコ遊具
志摩総合スポーツ公園に設置

「KOMORI」は、視界をできるだけ狭めた「こもり空間」が特徴のブランコ遊具です。従来のブランコは、揺れる楽しさだけでなく、カラフルさや音など、刺激が多すぎる傾向があり、景色が大きく変化することや鎖の冷たさなどが感覚過敏な子どもにとっては遊びづらいものでした。
• 揺れに特化し、過剰な刺激が苦手な子どもでも安心して遊べるように設計されています。景色の変化や鎖の冷たさといった感覚刺激を排除することで、感覚過敏な子どもでもブランコの揺れ体験を楽しむことができます。
• 球型の形状により、座面に背中がぴったりとつき、寝たきりの子どもや身体の不安定な子どもでも、落ちる心配なく安定した姿勢で揺れることができます。身体の大きさや特性に合わせて、心地よい姿勢を見つけ、揺れ体験を楽しめる高い自由度があります。
• 「揺れる+何か」という遊びを子ども自身が発見できる可能性を秘めています。KOMORIで揺れる刺激の楽しさを知ることで、レジリエンス効果により別の遊具にチャレンジすることにもつながると期待されています。
UKABI(うかび)- 海を漂うようなスプリング遊具
浜島ふるさと公園、志摩総合スポーツ公園、阿児ふるさと公園に設置

「UKABI」は、従来の馬の形のようなスプリング遊具では姿勢が安定せず乗ることが難しかった子どもでも楽しめるように、浮き輪型に辿り着いたスプリング遊具です
• 前後の高さが異なる浮き輪形状により、身体が小さい子にとっては手前が頭を乗せる枕に、身体が大きい子にとっては奥が枕になるなど、それぞれの身体の個性に合わせた心地よい高さにフィットし、揺れ体験を生み出します。
• 自分がどう動いたらどう揺れるのか、どのような揺れを感じるのかといった、自分の運動感覚とキャッチする感覚の連動を感じ、フィードバック感覚を自然と養えるのが特徴です。
• バネの反動を手や身体全体で感じられるため、目、鼻、口、耳といった顔の感覚だけでなく、五感をフルに使って遊べる遊具です。
• 揺れるだけでなく、座面の上でくるくる回ったり、太鼓のように叩いたり、気持ちよくて寝てしまったりと、自分の感覚で揺れをキャッチし、多様な遊びや動きが生まれます。医療的ケア児との検証では、身体が不自由な子どもたちが自分なりに揺らしたり、叩いたり、回ったりと様々な遊び方で、自分らしく遊ぶ力を発揮する様子が見られました。
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更新日:2025年04月02日