志摩市阿児町にある「旧向井家住宅」が登録有形文化財(建造物)に登録されます
志摩市阿児町にある「旧向井家住宅主屋・道具蔵・衣装蔵・正門・石塀」が、令和7年7月18日に開催された国の文化審議会にて、国の登録有形文化財(建造物)として登録の答申が行われました。今後の官報告示を経て、志摩市内にある登録有形文化財(建造物)は17件となります。
国の登録有形文化財(建造物)の答申されたものの概要
名称
・旧向井家住宅主屋(きゅうむかいけじゅうたく おもや) 1棟
・旧向井家住宅道具蔵(きゅうむかいけじゅうたく どうぐぐら) 1棟
・旧向井家住宅衣装蔵(きゅうむかいけじゅうたく いしょうぐら) 1棟
・旧向井家住宅正門(きゅうむかいけじゅうたく せいもん) 1棟
・旧向井家住宅石塀(きゅうむかいけじゅうたく いしべい) 1基
所在地
・志摩市阿児町甲賀地区
年代
・主屋:大正10(1921)年
・道具蔵:明治36(1903)年、昭和中期改修
・衣装蔵:明治42(1909)年、昭和中期改修
・正門:大正6(1917)年
・石塀:明治後期、大正10(1921)年改修
建築面積
・主屋:194平方メートル
・道具蔵:29平方メートル
・衣装蔵:17平方メートル
・正門:間口1.9メートル
・石塀:延長173メートル
概要
向井家は甲賀村の村長や県会議員など重役を務めた旧家です。元々は甲賀地区の海岸付近にありましたが、嘉永7年(1854 年)11 月4日に発生した安政の大地震による津波被害によって海岸部の家屋がほとんど流出した際に山手へと移り住んだことが、本住宅石塀北側にある祠内の石碑に記されています。
敷地の北側に主屋と蔵2棟が並び、南東に正門があり、そのまわりを石塀が囲っています。主屋は木造平屋建切妻造の建物で、鎧壁を付す当地域らしい外観の民家です。屋内には接客用の大広間があります。道具蔵と衣装蔵は隣り合っており、いずれも土蔵造二階建です。階段上に建つ正門は四脚門で、戸口にケヤキ1枚板の重厚な門扉を付け、旧家の格式ある表構えをつくっています。精緻に積み上げられた石塀は規模が大きく、当時の向井家の隆盛を示しています。
旧向井家住宅は、長年向井家の住居として使用されてきました。地元の名士の本宅、蔵、正門、石塀が一体となり現在も残されており、当時の志摩の暮らしを今に伝える貴重な文化財です。
建造物の外観など
正門・石塀(東から)
主屋外観(東から)
衣装蔵外観、奥に道具蔵(北西から)
道具蔵外観(南から)
この記事に関するお問い合わせ先
教育委員会事務局 生涯学習スポーツ課
〒517-0592 三重県志摩市阿児町鵜方3098番地22
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更新日:2025年07月18日