認知症介護をする人に知ってほしいこと
1.認知症とはどんな病気?
認知症とは、脳の神経細胞がいろいろな原因で死んでしまったり、働きが悪くなったりして、さまざまな障がいが起こり、生活をする上で支障がでている状態をいいます。
~ 主な認知症のタイプ別特徴 ~
「老化によるもの忘れ」と「認知症」の違い
歳をとると誰でももの忘れは生じますが、例えば食べた食事の内容を覚えていないのは「単なるもの忘れ」であり、食べたこと自体を覚えていないのは「認知症の疑い」となります。
2.認知症本人との接し方
認知症の人と接する場合、どのようにコミュニケーションを取れば良いか、どう接すれば良いのかと思い悩み、不安を感じてしまうこともあると思います。しかし、不安を抱えているのは認知症の人も同じです。
認知症の人と接するときは、本人が感じている不安を受け止めることが大事です。本人の気持ちを大事にし、できることは本人にしてもらい、もっている力を低下させない周囲の協力が必要です。
★接し方のコツ★
驚かせない 急がせない プライドを傷つけない
★具体的な対応のポイント★
1.まずは見守る
さりげなく様子を見守り、必要に応じて声をかけます。
2.余裕をもって対応する
落ち着いて自然な笑顔で接する。こちらが焦ってしまうと相手にも伝わってしまいます。
3.声をかけるときは一人で
複数で取り囲むと恐怖心をあおり、ストレスを与えてしまうので、できるだけ一人で声をかけます。
4.後ろから声をかけない
ゆっくり近づき、本人の視野に入ったところで「何かお困りですか」「どうなさいましたか」などと声をかけます。
5.相手の目線に合わせてやさしい口調で
目の高さに合わせ、優しい口調で話しをすることで安心につながります。
6.おだやかに、はっきりとした話し方で
高齢者は耳が聞こえにくい人も多いので、ゆっくりはっきりと話すようにします。
7.相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する
認知症になると同時に複数の問いに答えるのが苦手になります。短く簡潔に伝え、答えを待ってから次の言葉を発しましょう。
3.ストレスチェック
認知症の介護をする人は、ストレスを感じていてもうまく発散できなかったり、ストレスがたまっていることに気づかない場合もあります。下記の項目に当てはまるものが多いほど、こころの病気になっている可能性があります。
一人で抱え込まず、周りの人や専門機関に相談しましょう。
4.メンタルヘルスケアのポイント
1.家族、友人に話してみる
信頼している人に「つらい」という気持ちを正直に話してみましょう。周囲の人はあなたの疲れた様子に気づいても、「家族のことだから・・・」と遠慮している場合があります。あなたから話をすれば、親身になって聞いてくれるかもしれません。
2.ケアマネジャーなどの介護の専門家を頼る
ケアマネジャーやヘルパー等は介護の辛さや大変さをよくわかっています。積極的に相談し、アドバイスをもらったり、場合によっては介護度の見直しをしてもらったりしましょう。
3.介護がうまくいかないのはあたりまえ、ほどほどの介護を目指す
認知症の人の介護は、予想以上に時間がかかったり、入浴や排泄で失敗することがあり、思うようにいかないことも多いです。「ま、いいか」と言えるような、ほどほどの介護を目指しましょう。
4.家族との協力体制を築く
家庭内では中心となって介護する人だけでなく、一緒に暮らす家族も何らかの形で関わり影響を受けます。相談や連絡を行うことで理解が得られ、協力体制を築きやすくなります。また、何も言わずにいると、親子や兄弟などの身内であっても「手伝いは不要か・・・」というすれ違いが起きることがあるため、困っている時は口に出して協力を求めてみましょう。
5.勤務先には細かく連絡する
家庭のことなので話しづらいかもしれませんが、介護を始めたら勤務先に相談と報告を行いましょう。介護休暇や介護休業などの公的な制度を受けられる場合があります。
6.自分の健康管理も大切
介護をする人が倒れてしまうと、認知症の人も共倒れになってしまうこともあります。まずは自分の健康を第一に考えましょう。決して無理をせず、十分な休養をとりましょう。
7.孤立せず、多くの人と関わる
介護をしていると孤立してこころの病気になりやすいです。外出したり人と交流することで、気分転換になったり、介護のための役立つ情報を得られる場合もあります。
8.介護サービスを積極的に利用する
「施設入所はかわいそう」などと介護サービス利用に躊躇する人は少なくないです。しかし、認知症の介護は想像以上に難しく、長期化しがちです。「頼れるものは何でも頼る」と割り切って、自身が休養をとることを忘れないようにしましょう。
この記事に関するお問い合わせ先
志摩市役所 健康福祉部 介護・総合相談支援課
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