志摩市大王町にある「かつおの天ぱく」が登録有形文化財(建造物)に登録されました

更新日:2023年01月19日

志摩市大王町にある「かつおの天ぱく主屋・作業場」が、令和4年10月31日に国の登録有形文化財(建造物)として登録されました。 これにより、志摩市内にある登録有形文化財(建造物)は12件となりました。

国の登録有形文化財(建造物)の登録されたものの概要

名称

・かつおの天ぱく主屋(かつおのてんぱく) 1棟

・かつおの天ぱく作業場(かつおのてんぱくさぎょうば) 1棟

所在地

・志摩市大王町波切地区

年代

・主屋:昭和26(1951)年

・作業場:昭和26(1951)年

建築面積

・主屋:54平方メートル

・作業場:148平方メートル

概要

かつおの天ぱくは、太平洋を望む大王崎(だいおうざき) にある、鰹節を製造するための作業場と住居です。大王町では鰹節加工が盛んでしたが、現在でも操業しているのは数店となっています。

かつおの天ぱくの敷地の南側は、道路を挟んで海に続く崖となり、東側は一段高い崖となっています。平屋建の主屋は、敷地の北端に建てられています。東側は厨房とクドで、西に仏壇を持つ寝間と居間、4畳間と床のある座敷が続きます。平成10年頃、ここに居住しなくなってからは、4畳間は商品の陳列場所、他の部屋は物置として使われるようになりました。

敷地の南東端には、平屋建の「いぶし小屋」と、二階建の「かびつけ小屋」を一体で建て、主屋との間の空間を大屋根で覆って作業場としています。作業場の西端には、カツオを浸け置きする水槽や煮るための煮熟窯(しゃじゅくがま)も設置されています。「いぶし小屋」は、モルタル仕上げの焙乾窯(ばいかんがま)を設置しています。この上にセイロを並べて燻すため、2方の壁がほとんどない開放的なつくりとなっています。一方、「かびつけ小屋」は開口部が少なく、温湿度の調整が必要な「かびつけ」作業に適したつくりとなっています。

かつおの天ぱくは、志摩市大王町の伝統的な産業である鰹節製造の伝統的な工程が現在も行われている貴重な建造物です。

建造物の外観など

かつおの天ぱく主屋外観

主屋外観(西から)

かつおの天ぱく作業場外観

作業場外観(南から)

かつおの天ぱく作業場(かびつけ小屋)

かびつけ小屋(北西から)

かつおの天ぱく作業場(いぶし小屋)

いぶし小屋(北西から)

地図情報

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