「志摩半島の生産用具及び関連資料」が国の登録有形民俗文化財に登録されました

更新日:2023年01月10日

2016年3月2日に、志摩市歴史民俗資料館所蔵の「志摩半島の生産用具及び関連資料」が国の登録有形民俗文化財に登録されました。今回の新規登録を含め、全国の登録有形民俗文化財件数は42件となり、三重県では初の登録有形民俗文化財となります。

新たに国登録有形民俗文化財に登録されたものの概要

名称

志摩半島の生産用具及び関連資料

所有者

志摩市(志摩市歴史民俗資料館、迫塩収蔵庫保管)

員数

3,828点(生産用具3,701点、関連資料127点) 志摩半島の生産用具及び関連資料は、志摩半島において、漁撈や農耕などの生業に使用された用具と、船大工や鍛冶屋などの諸職の用具を広域的に収集したもので、明治時代後半から昭和30年代にかけての資料が中心となっています。 英虞湾や的矢湾などリアス式海岸が発達した湾内の「内海」ではイワシやボラ、コノシロなどを対象とした網漁、真珠や青海苔、カキなどの養殖、鰹節加工やきんこ(ナマコ加工品)作り、外洋に面した「表海」では海女漁や鰹漁などが主に行われてきました。その一方、内陸部では、稲作や畑作、養蚕も盛んであり、山樵や養蜂なども行われていました。また、漁撈を支える船大工や桶屋、鍛冶屋などの職人も数多く、石工や瓦屋などの職人も集団的に活動していました。 収集された資料は、このような志摩半島における伝統的な生産活動に用いられた各種の用具を中心に構成されています。このほか、かつて賢島にあり、日本の真珠養殖の発展に寄与した旧国立真珠研究所(現:国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所南勢庁舎)の資料も、関連資料として含まれています。 本資料は、昭和55年の志摩民俗資料館の開館の際に、日本観光文化研究所が志摩半島全域から収集した資料群として分類整理したものを中心としており、半島全域の生産活動を伝える内容となっています。特に、漁撈用具が充実しており、真珠養殖などこの地域の近代以降の産業の特色も示す資料群となっています。周囲を海に囲まれ、半島部の多い我が国の生業の変遷や地域差を考えるうえで注目されます。

(写真)漁撈の道具

漁撈の道具

(写真)農耕・養蚕の道具

農耕・養蚕の道具

(写真)諸職の道具

諸職の道具

(写真)漁撈(海女漁)の道具

漁撈(海女漁)の道具

(写真)旧国立真珠研究所の関連資料

関連資料(旧国立真珠研究所)   詳しくは、以下をご覧ください。(登録当時の資料です)

この記事に関するお問い合わせ先

志摩市歴史民俗資料館
〒517-0214 三重県志摩市磯部町迫間878番地9
電話番号:0599-55-2881
ファクス:0599-55-2935

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