「鳥羽・志摩の海女漁の技術」が国の重要無形民俗文化財に指定されました

更新日:2023年01月10日

平成29年3月3日に、「鳥羽・志摩の海女漁の技術」が国の重要無形民俗文化財に指定されました。 本件は、三重県鳥羽市及び志摩市に伝承される女性たちによる素潜りの技術で、海女漁の技術としては、日本で初めての指定となります。 これにより、志摩市内の重要無形民俗文化財は3件となります。

新たに国の重要無形民俗文化財に指定されたものの概要

名称

鳥羽・志摩の海女漁の技術

所在地

三重県鳥羽市、志摩市

保護団体

鳥羽海女保存会、志摩海女保存会

概要

本件は、三重県鳥羽市及び志摩市に伝承される、女性たちによる素潜り漁の技術です。当地の海女漁は、特に伊勢神宮との関係性も含め、古来より継承されてきたと考えられ、現在、その従事者数が全国で最も多い地域です(約750人)。また、『万葉集』や『延喜式』などに関係の記事があり、素潜りという比較的簡単な漁法であることから、古い形態をとどめた漁撈といえます。 その漁法としては、カチド、フナド、ノリアイの3種があります。カチドは海女が直接陸地から泳いでいって行うもの、フナドは夫婦などの男女対で船に乗り込み、漁をしている女性を男性が滑車などを使って引き上げるといった共同で行うもの、そして、ノリアイは1隻の船に船頭(男性)と複数の海女たちが乗り合わせ、目的とする漁場でそれぞれ単独で行うものです。漁獲物としては、アワビをはじめ、サザエ、トコブシ、イワガキ、イセエビ、ウニ、ナマコ、アラメ、ヒジキ、テングサなどがあり、ほぼ年間を通して漁が行われています。 当地では、漁獲物の大きさや一日の漁の回数や時間を設定するなど、採りすぎないという意識を持っています。また、海女たちの技術伝承においては、とりわけコミュニケーションの場としての海女小屋が果たす役割は大きく、ここで漁に関する知識や情報を得ていたといえます。セーマン、ドーマンといわれる当地特有の魔除けの印(しるし)や「ツイヤ」と唱える呪(まじな)いなど、周辺習俗もあわせてよく伝えられており、我が国の海女漁を理解する上で重要といえます。

海女漁の様子(水中)

(C) 2016 志摩市文化遺産地域活性化実行委員会

海女漁の様子(船上)

(C) 2016 志摩市文化遺産地域活性化実行委員会

地図情報

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